IT導入補助金2025 インボイス枠(インボイス対応類型)とは?
IT導入補助金2025の「インボイス枠(インボイス対応類型)」は、2023年10月から開始されたインボイス制度への対応を目指す中小企業・小規模事業者の皆様を強力にサポートする制度です。会計ソフト、受発注システム、決済ソフトや、それらを利用するためのPC・タブレット、POSレジ等の導入費用の一部を補助することで、企業のデジタル化と生産性向上を後押しします。
通常枠よりも高い補助率が設定されており、インボイス制度対応と業務効率化を同時に実現したい事業者様にとって、絶好の機会と言えるでしょう。
補助金の概要が一目でわかる!基本情報テーブル
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助対象者 | 日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者等 |
| 補助額 | 【ソフトウェア等】 ・機能要件1つ:50万円以下 ・機能要件2つ以上:50万円超~350万円以下 【ハードウェア】 ・PC・タブレット等:最大10万円 ・レジ・券売機等:最大20万円 |
| 補助率 | 【ソフトウェア等】 ・50万円以下の部分:中小企業 3/4, 小規模事業者 4/5 ・50万円超の部分:2/3 【ハードウェア】 一律 1/2 |
| 対象ITツール | インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」機能を持つソフトウェア、および関連するオプション、役務、ハードウェア |
| 申請期間(6次締切) | ~ 2025年10月31日(金)17:00まで ※以降のスケジュールは公式サイトをご確認ください。 |
補助対象となる経費の詳細
本補助金では、ソフトウェアだけでなく、導入に必要な様々な経費が対象となります。ただし、ソフトウェアの導入が必須であり、ハードウェアや役務のみでの申請はできません。
① ソフトウェア購入費・クラウド利用料
補助金の根幹となる経費です。インボイス制度に対応し、以下の機能を1つ以上有するものが対象です。
- 会計機能
- 受発注機能
- 決済機能
※クラウドサービス(SaaS)の場合、最大2年分の利用料が補助対象となります。
② オプション
導入するソフトウェアの機能を拡張するためのツールなどが対象です。
- 機能拡張
- データ連携ツール
- セキュリティ対策ソフト
③ 役務(サポート費用)
専門家によるサポート費用も対象となり、スムーズな導入を支援します。
- 導入コンサルティング
- 導入設定・マニュアル作成・導入研修
- 保守サポート(最大2年分)
④ ハードウェア購入費
ソフトウェアの利用に不可欠なハードウェアも補助対象です。これにより初期投資を大幅に抑えることが可能です。
| 機器 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| PC・タブレット・プリンター・スキャナー・複合機 | 10万円 | 1/2以内 |
| POSレジ・モバイルPOSレジ・券売機 | 20万円 |
⚠️ ハードウェア導入の注意点
- 必ず対象ソフトウェアとセットで申請する必要があります。ハードウェア単体での申請はできません。
- 導入するソフトウェアの利用に資するものであることが条件です。
補助率と補助額の仕組みをシミュレーション
インボイス対応類型は、導入するソフトウェアの機能数によって補助上限額が、補助額によって補助率が変わる少し複雑な仕組みです。ここで具体例を見てみましょう。
【例】小規模事業者が100万円のITツール(2機能以上)を導入する場合
補助対象経費が100万円の場合、補助額は以下のように計算されます。
- 50万円以下の部分:
50万円 × 補助率 4/5 = 40万円 - 50万円を超える部分(50万円分):
50万円 × 補助率 2/3 = 約33.3万円
合計補助額: 40万円 + 33.3万円 = 73.3万円
実質負担額は 100万円 – 73.3万円 = 26.7万円 となり、大幅にコストを削減できます。
申請から補助金交付までの流れ
申請は、採択された「IT導入支援事業者」と共同で行う必要があります。まずは信頼できるパートナーを見つけることから始めましょう。
-
1
事前準備:GビズIDプライムの取得
電子申請に必須の「GビズIDプライム」アカウントを取得します。取得には2週間程度かかる場合があるため、早めに手続きしましょう。 -
2
IT導入支援事業者・ITツールの選定
自社の課題に合ったITツールと、その導入をサポートしてくれるIT導入支援事業者を選定し、相談します。 -
3
交付申請
IT導入支援事業者と共同で事業計画を作成し、申請マイページから交付申請を行います。 -
4
交付決定・事業実施
事務局からの交付決定通知を受けた後、ITツールの契約・導入・支払いを行います。交付決定前の契約・支払いは補助対象外です。 -
5
事業実績報告
ITツールの導入・支払いが完了したら、証憑を揃えて事業実績報告を行います。 -
6
補助金交付・効果報告
報告内容が確定後、補助金が交付されます。その後、定められた期間に事業実施効果報告を行う必要があります。
申請スケジュール
IT導入補助金は複数回の締切が設けられています。計画的に準備を進めましょう。
| 公募回 | 締切日 | 交付決定日(予定) |
|---|---|---|
| 6次締切分 | 2025年10月31日(金)17:00 | 2025年12月11日(木) |
※以降のスケジュールは公式サイトで随時公開されます。
まとめ:インボイス対応とDX化を推進する絶好のチャンス
IT導入補助金2025の「インボイス枠(インボイス対応類型)」は、制度対応に迫られる中小企業・小規模事業者にとって、非常に価値の高い補助金です。単なる費用負担の軽減だけでなく、バックオフィス業務の効率化や生産性向上といった経営基盤の強化にも繋がります。
申請にはIT導入支援事業者との連携が不可欠です。まずは自社の課題を整理し、信頼できるパートナーを探すことから始めてみてはいかがでしょうか。公募要領をよく確認し、計画的に申請準備を進めましょう。
対象者・対象事業
日本国内で事業を営む中小企業・小規模事業者等。業種ごとに資本金や従業員数の定義があり、詳細は公募要領をご確認ください。
必要書類(詳細)
【法人】履歴事項全部証明書(発行3ヶ月以内)、直近分の法人税の納税証明書(その1またはその2)【個人事業主】本人確認書類(運転免許証、住民票等)、直近分の所得税の納税証明書(その1またはその2)、税務署が受領したことがわかる直近分の確定申告書の控え
対象経費(詳細)
【ソフトウェア】会計・受発注・決済機能を持つソフトウェア購入費、クラウド利用料(最大2年分)【オプション】機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ【役務】導入コンサルティング、導入設定・研修、保守サポート【ハードウェア】PC、タブレット、プリンター、スキャナー、複合機、POSレジ、券売機等(ソフトウェアと同時導入が必須)