はじめに:補助金・助成金を活用して事業を加速させよう
福岡県で事業を営む中小企業・小規模事業者の皆様へ。国や自治体は、皆様の挑戦を後押しするために様々な補助金・助成金制度を用意しています。これらの制度の最大のメリットは、原則として返済が不要である点です。資金調達の強力な手段として、ぜひ有効活用しましょう。
⚠️ ご注意:補助金は「後払い」が基本です!
補助金は申請後すぐに入金されるわけではありません。事業を実施し、経費を支払った後、報告書を提出して審査を経てから支払われる「精算払い」がほとんどです。そのため、当面の資金繰りとしてではなく、計画的な設備投資や販路開拓のために活用することが重要です。
【目的別】福岡県で活用できる主要な補助金・助成金
ここでは、事業者の皆様が抱える課題や目的に合わせて、代表的な補助金をご紹介します。
1. 新たな販路開拓に取り組みたい方へ
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者が経営計画に基づいて行う販路開拓や生産性向上の取り組みを支援する、非常に人気の高い補助金です。チラシ作成、ウェブサイト制作、店舗改装、展示会出展など、幅広い経費が対象となります。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 常時使用する従業員が5人以下(商業・サービス業)または20人以下(製造業その他)の小規模事業者 |
| 補助上限額 | 通常枠: 50万円 / 創業枠: 200万円 ※インボイス特例等で上乗せあり |
| 補助率 | 2/3(賃金引上げ特例等で変動あり) |
2. IT導入・DXで生産性を向上させたい方へ
IT導入補助金
会計ソフト、受発注システム、決済ソフトなどのITツール導入を支援します。インボイス対応やセキュリティ対策を目的とした活用も可能です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
| 補助上限額 | 最大450万円(通常枠) ※インボイス枠、セキュリティ対策推進枠など複数の枠あり |
| 補助率 | 1/2〜4/5(枠や条件により異なる) |
福岡県独自の上乗せ補助金も!
国のIT導入補助金に採択され、賃上げに取り組む事業者は「福岡県中小企業IT導入・賃上げ緊急支援補助金」により、さらに1/12の補助が上乗せされ、自己負担を軽減できます。
3. 人手不足解消・省力化投資をしたい方へ
中小企業省力化投資補助金
人手不足に悩む中小企業向けに、IoTやロボットなど、省力化効果の高い汎用製品の導入を支援する新しい補助金です。製品カタログから選んで申請する手軽さが特徴です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 人手不足の状態にある中小企業等 |
| 補助上限額 | 従業員数に応じて 200万円〜1,000万円 ※大幅な賃上げで最大1,500万円に引き上げ |
| 補助率 | 1/2 |
4. 革新的な製品開発や設備投資をしたい方へ
ものづくり補助金
革新的な製品・サービス開発や生産プロセスの改善に必要な設備投資等を支援します。大きな設備投資を伴う場合に非常に有効な補助金です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 中小企業・小規模事業者 |
| 補助上限額 | 750万円〜4,000万円(枠や従業員規模により変動) |
| 補助率 | 1/2〜2/3 |
5. その他、福岡県独自の多様な補助金
上記以外にも、福岡県や各市町村では、特定の目的や業種に特化したユニークな補助金が多数用意されています。
- 脱炭素ビルリノベ2025事業補助金:既存ビルの断熱改修や高効率設備導入を支援(上限10億円)
- 技術系企業PR動画作成支援補助金:若者向けPR動画の作成費用を支援(上限10万円)
- 福岡県外国人材受入企業支援補助金:外国人技能実習生の住環境整備等を支援(上限30万円)
- 福岡県移動スーパー参入促進費補助金:移動スーパー事業の初期費用を支援(上限100万円)
- 事業承継・M&A関連補助金:事業承継計画の実行やM&A費用を支援
補助金申請の基本的な流れ
補助金を活用するための一般的なステップは以下の通りです。計画的に準備を進めましょう。
- 情報収集と公募要領の熟読:自社に合う補助金を見つけ、ルールを正確に理解します。
- 事業計画の策定:補助金の目的と審査基準に沿った、説得力のある事業計画を作成します。
- 申請書類の準備と提出:GビズIDプライムアカウントの取得など、早めの準備が必要です。
- 審査・交付決定:申請内容が審査され、採択されると交付決定通知が届きます。
- 事業の実施:交付決定後に、計画に沿って事業を開始し、経費を支払います。
- 実績報告:事業完了後、成果と経費をまとめた実績報告書を提出します。
- 補助金の受給:報告書が承認されると、指定の口座に補助金が振り込まれます。
まとめ:専門家への相談も活用しよう
補助金・助成金は、事業成長のための強力なツールです。しかし、申請には専門的な知識や計画書の作成スキルが求められることも少なくありません。
「どの補助金が使えるかわからない」「事業計画の作り方が不安」といったお悩みがあれば、ぜひ専門家にご相談ください。
補助金・助成金に関するお問い合わせ
福岡商工会議所では、中小企業の皆様からの経営相談を受け付けています。
補助金活用に関するご相談もお気軽にどうぞ。
福岡商工会議所 中小企業経営支援部
東部・中央オフィス: 092-441-2161
南部オフィス: 092-562-4117
西部オフィス: 092-831-4151
対象者・対象事業
福岡県内に事業所を有する中小企業・小規模事業者、創業者など。各補助金制度により詳細な要件が異なります。
必要書類(詳細)
事業計画書、決算報告書(直近分)、履歴事項全部証明書、納税証明書、GビズIDプライムアカウント情報など、各補助金制度の公募要領で定められた書類一式が必要です。
対象経費(詳細)
機械装置・システム構築費、技術導入費、専門家経費、運搬費、クラウドサービス利用費、外注費、広告宣伝・販売促進費(ウェブサイト関連費、チラシ作成費など)、設備処分費、研修費など、各補助金の目的達成に必要な経費が対象となります。詳細は公募要領をご確認ください。