2025年度のIT導入補助金(通常枠)第6次公募が開始されました。この補助金は、中小企業・小規模事業者の皆様が直面するインボイス制度や働き方改革などの制度変更に対応し、生産性向上に繋がるITツール導入を支援するものです。本記事では、制度の概要から申請のポイントまで、プロの視点で分かりやすく解説します。
IT導入補助金2025(通常枠)第6次公募の概要
まずは本補助金の基本情報を確認しましょう。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 補助金名 | IT導入補助金2025(通常枠)≪6次≫ |
| 申請期間 | 2025年9月23日 〜 2025年10月31日 |
| 補助上限額 | 最大450万円(下限5万円) |
| 補助率 | 原則 1/2以内 ※特定の賃上げ要件を満たす場合は2/3以内に拡充 |
| 対象者 | 全国の中小企業、小規模事業者、個人事業主、各種法人など |
| 目的 | 生産性向上、業務効率化、DX推進、制度変更への対応 |
補助対象となるITツールと補助額の詳細
本補助金は、導入するITツールが持つ「業務プロセス」の数によって補助額の上限が変わるのが大きな特徴です。
補助対象経費
- ソフトウェア購入費
- クラウド利用料(最大2年分)
- 導入関連費(導入コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポートなど)
補助額の2つのパターン
導入するソフトウェアが、顧客対応、決済、会計、人事など、定められた業務プロセスのうちいくつを効率化できるかによって、申請できる金額が変わります。
| 分類 | プロセス数 | 補助額 |
|---|---|---|
| パターンA | 1プロセス以上 | 5万円以上 ~ 150万円未満 |
| パターンB | 4プロセス以上 | 150万円以上 ~ 450万円以下 |
ポイント解説
例えば、会計ソフト(1プロセス)だけを導入する場合はパターンA、会計・販売管理・顧客管理・人事給与システム(4プロセス)を連携させて導入する場合はパターンBでの申請が可能です。自社の課題解決に必要な機能を見極めることが重要です。
申請の主な要件
対象となる事業者
幅広い事業者が対象となります。
- 中小企業・小規模事業者
- 個人事業主
- 医療法人、社会福祉法人、学校法人
- NPO法人、社団法人・財団法人
- 組合・団体等
申請前の必須準備
⚠️ 注意:以下の準備が必須です
- IT導入支援事業者との連携: 補助金の申請は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」と共同で行う必要があります。事業者選定が最初のステップです。
- GビズIDプライムの取得: 電子申請に必須のアカウントです。取得に2週間程度かかる場合があるため、早めに手続きしましょう。
- SECURITY ACTIONの宣言: 情報セキュリティ対策に取り組むことを自己宣言する制度です。「★ 一つ星」または「★★ 二つ星」の宣言が必要です。
採択率アップ!加点項目を狙おう
以下の項目に取り組むことで、審査で有利になる可能性があります。
- 賃上げ目標の策定・表明
- 導入するITツールがクラウド製品である
- 導入するITツールがインボイス制度対応製品である
- 「サイバーセキュリティお助け隊サービス」の導入
- 「健康経営優良法人2025」の認定
- 「地域未来牽引企業」の選定
申請から補助金交付までの流れ
申請はIT導入支援事業者と二人三脚で進めます。大まかな流れは以下の通りです。
- 自社の課題整理とIT導入支援事業者の選定・相談
- GビズIDプライム取得、SECURITY ACTION宣言
- IT導入支援事業者と共同で事業計画を策定し、交付申請
- 事務局による審査・交付決定
- ITツールの契約・導入・支払い
- 事業実績報告
- 補助金額の確定・補助金交付
- 事業実施効果報告(事業実施後、複数年にわたり報告)
まとめ:計画的な準備でDXのチャンスを掴もう
IT導入補助金2025(通常枠)は、業務効率化や生産性向上を目指す事業者にとって非常に強力な支援策です。インボイス対応や人手不足といった課題を、DX推進の好機と捉えることができます。
申請にはIT導入支援事業者との連携や事前準備が不可欠です。公募期間は限られていますので、早めに情報収集を開始し、信頼できるパートナーを見つけて計画的に申請を進めましょう。
対象者・対象事業
中小企業、小規模事業者、個人事業主、学校法人、社会福祉法人、医療法人、特定非営利活動法人(NPO法人)、社団法人・財団法人、組合・団体等
必要書類(詳細)
【法人の場合】
・履歴事項全部証明書(発行から3ヶ月以内のもの)
・法人税の納税証明書(「その1」若しくは「その2」)
【個人事業主の場合】
・運転免許証、運転経歴証明書、または住民票(発行から3ヶ月以内のもの)
・所得税の納税証明書(「その1」若しくは「その2」)
・確定申告書Bの控え(税務署の受領が確認できるもの)
対象経費(詳細)
ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、導入コンサルティング、導入設定・マニュアル作成・導入研修、保守サポートなどの導入関連費が対象です。