重度訪問介護サービスなどを利用する障害を持つ従業員の通勤サポートにお悩みの事業主様へ。「重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金」は、通勤援助者の委嘱費用を国が助成し、障害者の安定した雇用と活躍を後押しする制度です。本記事では、制度の概要から申請方法まで、専門家が分かりやすく解説します。
重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金の概要
この助成金は、重度訪問介護、同行援護、行動援護といった福祉サービスを利用している障害者を雇用する事業主が、通勤をサポートするための「通勤援助者」をサービス事業者に委嘱した場合に、その費用の一部を助成するものです。障害者が安心して通勤できる体制を整えることで、職場定着と活躍を促進することを目的としています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 助成額(上限) | 【中小事業主】月 8.4万円 【上記以外】月 7.4万円 |
| 助成率 | 【中小事業主】9/10 【上記以外】4/5 |
| 支給期間 | 最大3ヶ月間(委託開始日から年度末まで) |
| 対象経費 | 通勤援助者の委嘱費用(重度訪問介護等のサービス提供事業者に限る) |
| 実施機関 | 独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED) |
【最重要】申請前の必須確認事項
この助成金を利用するためには、大前提として、雇用する障害者が居住する市町村等で「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」が実施されている必要があります。申請を検討する前に、必ず該当の市町村役場の障害福祉担当課などにお問い合わせの上、事業の実施有無をご確認ください。
対象となる事業主と障害者
対象事業主
以下の条件を満たす事業主が対象となります。
- 後述の対象となる障害者を雇用していること。
- 対象障害者の通勤を容易にするため、通勤援助者を重度訪問介護サービス等の提供事業者に委嘱すること。
- 雇用保険の適用事業主であること。
対象となる障害者
以下のいずれかの福祉サービスの支給決定を受けている方が対象です。
- 重度訪問介護の利用者
- 同行援護の利用者
- 行動援護の利用者
※上記に該当し、かつ障害者雇用率制度上の対象障害者であることが必要です。
申請手続きの流れ
申請は、事業主、対象障害者、そして市町村等の三者連携が鍵となります。
- Step 1: 市町村への確認と相談
雇用する障害者が居住する市町村の障害福祉担当課等に連絡し、「雇用施策との連携による重度障害者等就労支援特別事業」の実施有無を確認します。 - Step 2: 支援計画書の作成
市町村の事業が利用できる場合、事業主・対象障害者・市町村等の三者間で、必要な支援内容をまとめた「支援計画書」を作成します。 - Step 3: 通勤援助の実施と費用支払
支援計画に基づき、重度訪問介護サービス事業者等に通勤援助を委嘱し、サービス提供を受けます。事業主は委嘱費用をサービス事業者へ支払います。 - Step 4: 支給請求書の提出
必要な様式(支給請求書、支給要件確認申立書など)を準備し、事業所の所在地を管轄する都道府県のJEED支部へ提出します。 - Step 5: 審査・助成金の支給
JEED支部にて審査が行われ、要件を満たしていることが確認されると、助成金が支給されます。
申請書類の提出方法
提出方法は以下の通りです。
- 持参または郵送: 事業所の所在地を管轄するJEEDの都道府県支部へ提出します。(様式は3部、添付書類は2部必要)
- 電子申請 (e-Gov): 2回目および2年目以降の支給請求書提出に限り利用可能です。
まとめ:障害者と共に働く未来へ
「重度訪問介護サービス利用者等通勤援助助成金」は、通勤という最初のハードルを乗り越え、障害者がその能力を最大限に発揮できる職場環境を構築するための強力なサポートツールです。市町村との連携は必須ですが、活用することで企業のダイバーシティ推進と人材確保に大きく貢献します。まずは、対象となる従業員の方がお住まいの市町村へ、第一歩のご相談を始めてみてはいかがでしょうか。
お問い合わせ・公式サイト
助成金の詳細な内容や申請手続きについては、公式サイトをご確認いただくか、最寄りの都道府県支部までお問い合わせください。
対象者・対象事業
重度訪問介護サービス、同行援護、または行動援護の利用者である障害者を雇用し、通勤を容易にするための措置(通勤援助者の委嘱)を行う事業主。
必要書類(詳細)
障害者助成金支給請求書(様式第628号)、支給要件確認申立書(様式第540号)、支援計画書(申請事業主・障害者・市町村等の3者間で作成)、通勤援助の委嘱契約書の写し、出勤簿、賃金台帳、費用の支払いを証明する書類等。詳細は公式サイトの様式ダウンロードページをご確認ください。
対象経費(詳細)
重度訪問介護サービス、同行援護、または行動援護の提供事業者に委嘱する、対象障害者の通勤を援助するための「通勤援助者」に係る費用。
対象者・対象事業
重度訪問介護サービス、同行援護、または行動援護の利用者である障害者を雇用し、通勤を容易にするための措置(通勤援助者の委嘱)を行う事業主。
必要書類(詳細)
障害者助成金支給請求書(様式第628号)、支給要件確認申立書(様式第540号)、支援計画書(申請事業主・障害者・市町村等の3者間で作成)、通勤援助の委嘱契約書の写し、出勤簿、賃金台帳、費用の支払いを証明する書類等。詳細は公式サイトの様式ダウンロードページをご確認ください。
対象経費(詳細)
重度訪問介護サービス、同行援護、または行動援護の提供事業者に委嘱する、対象障害者の通勤を援助するための「通勤援助者」に係る費用。