【2025年最新】IT導入補助金「インボイス枠」とは?
IT導入補助金2025の「インボイス枠」は、2023年10月から開始されたインボイス制度への対応を目指す中小企業・小規模事業者等を支援するための特別な補助金制度です。インボイス制度に対応した会計ソフトや受発注システム、決済システムの導入費用だけでなく、パソコンやタブレット、レジなどのハードウェア購入費用も補助対象となる点が大きな特徴です。本記事では、特に多くの事業者が利用する「インボイス対応類型」を中心に、制度の概要、補助額、対象経費、申請スケジュール、採択率を上げるポイントまで網羅的に解説します。
インボイス枠は2種類!「インボイス対応類型」と「電子取引類型」の違い
インボイス枠には、目的別に2つの類型が用意されています。自社の状況に合わせて適切な類型を選びましょう。
| 類型 | 目的 | 主な対象者 |
|---|---|---|
| インボイス対応類型 | インボイス制度に対応した会計・受発注・決済ソフトやハードウェアを導入し、生産性向上を図る。 | 自社のインボイス対応を進めたい中小企業・小規模事業者等 |
| 電子取引類型 | 取引先(受注側)にインボイス対応した受発注システムを無償で利用させ、サプライチェーン全体でのDXを推進する。 | 発注側の事業者(大企業も対象) |
多くの事業者は、自社のインボイス対応を目的とする「インボイス対応類型」が該当します。本記事でも、この類型を重点的に解説します。
【インボイス対応類型】補助額・補助率・対象経費を詳解
インボイス対応類型は、導入するITツールの機能や事業者の規模によって補助額や補助率が細かく設定されています。
補助額と補助率
ソフトウェア・導入関連費
導入するソフトウェアが持つ機能(会計・受発注・決済)の数によって補助上限額が変わります。
| 機能要件 | 補助上限額 | 補助率 |
|---|---|---|
| 「会計」「受発注」「決済」のうち1機能以上 | 50万円以下 | 中小企業: 3/4以内 小規模事業者: 4/5以内 |
| 「会計」「受発注」「決済」のうち2機能以上 | 50万円超~350万円以下 | 50万円以下の部分: 上記と同じ 50万円超の部分: 2/3以内 |
ハードウェア購入費
ソフトウェアの利用に資するハードウェアも補助対象です。補助率は一律1/2以内です。
| ハードウェアの種類 | 補助上限額 |
|---|---|
| PC・タブレット・プリンター・スキャナー等 | 10万円以下 |
| POSレジ・券売機等 | 20万円以下 |
補助対象経費の詳細
補助対象となる経費は幅広く、ITツールの導入を総合的に支援します。
- ソフトウェア購入費・クラウド利用料: インボイス制度に対応した「会計」「受発注」「決済」機能を持つソフトウェアの購入費用。クラウドサービスの場合は最大2年分の利用料が対象。
- オプション: 機能拡張、データ連携ツール、セキュリティ対策ソフトなどの導入費用(最大1年分)。
- 役務(導入サポート): 導入コンサルティング、導入設定、マニュアル作成、導入研修、保守サポートなどの費用(保守サポートは最大2年分)。
- ハードウェア購入費: 上記ソフトウェアの使用に不可欠なPC、タブレット、POSレジ、券売機などの購入費用。※ハードウェア単体での申請はできません。
申請スケジュールと流れ
交付申請期間
IT導入補助金2025は、複数回の締切を設けて公募が行われます。2025年10月現在の最新スケジュールは以下の通りです。
- 6次締切分: 2025年10月31日(金)17:00まで
※以降のスケジュールは公式サイトで随時公開されます。申請を検討している方は、早めに準備を進めましょう。
申請から補助金交付までの流れ
- IT導入支援事業者の選定・ITツールの選択: 補助金事務局に登録された事業者・ツールの中から自社に合ったものを選びます。
- 事前準備: 「GビズIDプライム」アカウントの取得と、「SECURITY ACTION」の一つ星(★)または二つ星(★★)の宣言を済ませておきます。
- 交付申請: IT導入支援事業者と共同で事業計画を作成し、申請マイページからオンラインで申請します。
- 交付決定: 審査を経て交付が決定されます。
- 事業実施: 交付決定後に、ITツールの契約・導入・支払いを行います。※交付決定前の契約・支払いは補助対象外です。
- 事業実績報告: 導入・支払いが完了したら、証憑(契約書、請求書、支払証明など)を添えて実績を報告します。
- 補助金交付: 報告内容が確定されると、補助金が交付されます。
- 事業実施効果報告: 導入後、定められた期間(1年後、3年後)にITツールの活用状況や生産性向上に関する効果を報告します。
採択率を上げるためのポイント【加点・減点項目】
IT導入補助金は申請すれば必ず採択されるわけではありません。採択率を高めるために、加点項目を積極的に満たし、減点項目を避けることが重要です。
主な加点項目
- 賃上げ目標の計画・表明: 事業場内最低賃金を地域別最低賃金より+30円以上(+50円以上でさらに加点)にし、給与支給総額を年率平均1.5%以上増加させる計画を策定し、従業員に表明する。
- サイバーセキュリティお助け隊サービスの導入: 補助対象ITツールとして「サイバーセキュリティお助け隊サービス」を導入する。
- 健康経営優良法人2025の認定
- 女性活躍・子育て支援に関する認定(えるぼし・くるみん認定)
- 地域未来牽引企業の選定
主な減点項目
- 過去のIT導入補助金(2022年度以降)で交付決定を受けている。
- IT導入補助金2025の通常枠に申請中、または交付決定を受けている。
- 過去に導入したITツールと機能が重複するツールを申請する。
よくある質問(FAQ)
- Q. 個人事業主でも申請できますか?
- A. はい、対象です。中小企業・小規模事業者の定義を満たしていれば、法人形態を問わず申請可能です。
- Q. 免税事業者ですが、申請できますか?
- A. はい、申請可能です。この補助金を活用してインボイス発行事業者(課税事業者)へ転換し、制度対応を進めることが推奨されています。
- Q. パソコンだけ購入したいのですが、対象になりますか?
- A. いいえ、なりません。ハードウェアは必ずインボイス対応のソフトウェアとセットで申請する必要があります。ハードウェア単独での申請は認められていません。
- Q. 申請は自分だけでできますか?
- A. いいえ、できません。IT導入補助金の申請は、事務局に登録された「IT導入支援事業者」と共同で行う必要があります。事業者選びが非常に重要になります。
まとめ:IT導入補助金を活用してインボイス制度に対応しよう
IT導入補助金2025のインボイス枠(インボイス対応類型)は、インボイス制度への対応と業務のデジタル化を進める上で非常に強力な支援策です。補助率が高く、PCやレジなどのハードウェアも対象になるため、コストを抑えながらIT環境を整備する絶好の機会と言えます。公募には締切があるため、早めに情報収集を開始し、信頼できるIT導入支援事業者を見つけて申請準備を進めましょう。