【2025年版】北九州市の中小企業団体共同施設等設置補助金を完全ガイド！最大1.2億円

商店街の未来を創る！北九州市の中小企業団体共同施設等設置補助金を徹底解説

「商店街のアーケードが老朽化して、安全性が心配…」「お客様用の共同駐車場を整備したいけど、資金が足りない」「街路灯をLEDに変えて、電気代を削減しつつ街を明るくしたい」

北九州市内で商店街や市場の運営に携わる皆様、このような課題を抱えていませんか？地域のにぎわいを創出し、安全で魅力的な商業環境を維持・発展させるためには、共同施設の整備や改修が不可欠です。しかし、その費用は決して小さなものではありません。

その強力な解決策となるのが、北九州市が実施する「中小企業団体共同施設等設置補助金」です。この制度は、商店街などの中小企業団体が共同施設を整備したり、環境を改善したりする際の経費を力強くサポートするものです。

この記事を最後まで読めば、以下のことが全てわかります。

• あなたの団体が補助金の対象になるか
• 具体的に何に、いくらまで補助されるのか
• 複雑な申請手続きを、失敗なく進めるための全ステップ
• 採択の可能性を高めるための事業計画書の書き方の秘訣

地域活性化の鍵を握るこの補助金を最大限に活用し、あなたの商店街・市場を次のステージへと導くための完全ガイドです。ぜひ、最後までご覧ください。

北九州市 中小企業団体共同施設等設置補助金の概要

本制度は、北九州市内の商店街や市場を構成する中小企業団体が、地域商業の活性化と魅力向上のために行う共同施設の設置、環境改善、安全性向上などの取り組みを支援することを目的としています。具体的には、アーケードや街路灯の整備、共同駐車場の設置、防火設備の導入といったハード面の整備から、老朽化した施設の撤去まで、幅広い事業が対象となります。事業の種類によって補助率や上限額が細かく設定されており、団体のニーズに合わせた多様な活用が可能です。申請にあたっては、工事着手前の事前協議が必須となっており、市の担当者と連携しながら計画を進めることが求められます。また、原則として市内企業への発注が条件となっており、地域内での経済循環を促進する狙いもあります。

基本情報テーブル

どんな人が対象？ (対象者の具体例・対象外の例)

この補助金の対象者は、個人商店主ではなく、複数の事業者で構成される「中小企業団体」です。具体的には以下のような団体が想定されています。

• 事業協同組合、企業組合、協業組合
• 商店街振興組合
• 生活衛生同業組合
• 法人格を持たない商店街等の任意団体（規約や代表者が定められているなど、団体としての実態があることが必要です）
• 木造市場の出店者で構成される団体

重要なのは、北九州市内に主たる事務所や活動拠点があることです。

よくある対象外（不採択）となる事例

1. 個別の店舗による申請：この補助金はあくまで「共同」施設が対象です。単独の店舗が行う内外装の改修や設備導入は対象外です。個別の店舗向けには「商店街空き店舗活用補助金」など別の制度があります。
2. 団体としての実態がないグループ：単に仲の良い店主が集まっただけでは団体とは認められません。規約、役員、予算・決算などが定められ、継続的な活動を行っていることが必要です。
3. 市との事前協議を怠った場合：計画を立て、見積もりまで取ってから市に話を持って行っても手遅れです。構想段階で必ず市の担当課に相談し、事前協議書を提出する必要があります。

何に使える？ (補助対象経費の具体例)

補助対象となる経費は、共同施設の設置や改修、撤去に直接かかる費用です。非常に幅広く認められていますが、具体例を挙げることでイメージが掴みやすくなります。

【対象となる経費の具体例】

1. アーケードの骨組みや屋根材の購入・設置工事費
2. LED街路灯の器具購入費および電気工事費
3. 共同駐車場の地面舗装（カラー舗装含む）工事費
4. 防犯カメラシステム（カメラ本体、録画装置、モニター）の購入・設置費
5. フリーWi-Fi設備の設置工事費
6. 共同で利用する案内看板やデジタルサイネージの設置費
7. コミュニティスペースや共同会館の内装工事費
8. スプリンクラーや自動火災報知機などの防火・消火設備の設置費
9. 施設のバリアフリー化（スロープ設置など）に伴う工事費
10. 設計監理費など、工事に付帯する専門家への委託費

【これは対象外！となる経費の例】

• 土地の取得費や賃借料、造成費
• パソコン、プリンター、机、椅子など汎用性の高い備品購入費
• 団体の運営にかかる人件費や事務所家賃
• 会議での飲食費や接待交際費
• 既存の借入金の返済費用
• 消費税および地方消費税

メリットと注意点 (詳細解説)

この補助金を活用することで多くのメリットがありますが、一方で注意すべき点も存在します。両方を理解した上で、計画的に活用しましょう。

メリット

1. 返済不要の資金調達：最大のメリットは、融資と違って返済が不要な点です。自己資金を大きく温存しながら大規模な事業に取り組めます。
2. 商店街の魅力・資産価値向上：街並みが整備され、明るく安全になることで、来街者が増え、テナント誘致にも有利に働きます。
3. ランニングコストの削減：街路灯をLED化することで、電気代を大幅に削減でき、長期的な組合の財政改善に繋がります。
4. 安全・安心の確保：防火設備の設置や防犯カメラの導入は、万が一の災害や犯罪から地域を守り、顧客に安心感を与えます。
5. 団体の信用力向上：市の補助金に採択されたという事実は、金融機関などからの信用を高める効果も期待できます。

注意点

申請の詳細ステップバイステップガイド

補助金申請は難しそうに感じるかもしれませんが、手順を一つずつ踏めば大丈夫です。ここでは、構想から入金までの流れを具体的に解説します。

1. 【ステップ1】団体内での事業計画の検討・合意形成
   何をすべきか：「何を、なぜ、どのように」整備・改修したいのか、団体内で具体的な計画を練り、総会などで合意を形成します。事業の目的、内容、概算費用、スケジュールを明確にしましょう。
   所要時間目安：1～3ヶ月
   初心者がつまずくポイント：関係者間の意見がまとまらず、計画が具体化しないケース。まずは課題の洗い出しから始めましょう。
2. 【ステップ2】北九州市サービス産業政策課への事前相談（最重要）
   何をすべきか：計画の骨子が固まったら、すぐに市の担当課へ電話かメールで連絡し、事業内容を相談します。この段階で、対象事業に該当するか、手続きの流れなどを確認します。
   所要時間目安：即日～1週間
   初心者がつまずくポイント：相談せずに計画を具体化しすぎてしまい、後から対象外であることが判明する。まずは「こんなことを考えている」というレベルで相談するのが吉です。
3. 【ステップ3】事前協議書の提出
   何をすべきか：市の公式サイトから「第1号様式（事前協議書）」と「役員等名簿」をダウンロードし、必要事項を記入してメールで提出します。これが正式なエントリーとなります。
   所要時間目安：1～2週間
   初心者がつまずくポイント：役員名簿など、添付書類を忘れがち。提出前にチェックリストを作りましょう。
4. 【ステップ4】市内業者からの見積書取得
   何をすべきか：事業内容に基づき、複数の市内業者から見積書を取得します。適正な価格で発注するため、相見積もりが推奨されます。
   所要時間目安：2週間～1ヶ月
   初心者がつまずくポイント：どの業者に依頼すれば良いか分からない。市の担当課に相談すれば、業者のリストアップについてアドバイスをもらえる場合もあります。
5. 【ステップ5】交付申請書の提出
   何をすべきか：「第2号様式（交付申請書）」に、事業計画書、収支予算書、見積書、団体の規約などを添えて提出します。事業の具体的な内容を示す重要な書類です。（参考：採択される事業計画書の書き方解説）
   所要時間目安：2週間～1ヶ月
   初心者がつまずくポイント：事業計画の内容が抽象的で、効果が伝わらない。次のセクションを参考に、具体的に記述しましょう。
6. 【ステップ6】交付決定通知の受領
   何をすべきか：市による審査後、「交付決定通知書」が送付されます。この通知を受け取って初めて、事業を開始できます。
   所要時間目安：申請から約1ヶ月
7. 【ステップ7】事業の実施（契約・着工～完了）
   何をすべきか：交付決定された内容に基づき、業者と契約し、事業を実施します。計画に変更が生じる場合は、必ず事前に市へ相談してください。
   所要時間目安：事業規模による
8. 【ステップ8】実績報告書の提出
   何をすべきか：事業完了後、速やかに「第5号様式（実績報告書）」に、事業内容がわかる写真、契約書や領収書の写しなどを添えて提出します。
   所要時間目安：事業完了後1ヶ月以内
9. 【ステップ9】補助金額の確定・請求
   何をすべきか：市が実績報告書を検査し、補助金額が確定します。確定通知を受けたら、指定の請求書を提出します。
   所要時間目安：報告から約1ヶ月
10. 【ステップ10】補助金の受領
    何をすべきか：請求書に基づき、指定した金融機関の口座に補助金が振り込まれます。
    所要時間目安：請求から約1ヶ月

採択率を上げる！事業計画書作成の3つの秘訣

本補助金は要件を満たせば採択されやすい傾向にありますが、特に「モデル商店街支援事業」のような高額・大規模な事業では、事業計画書の質が重要になります。審査員に「この事業に税金を投入する価値がある」と思わせるための3つの秘訣をご紹介します。

公募開始から入金までの全スケジュール

申請を検討する上で、全体のタイムラインを把握しておくことは非常に重要です。以下に、事業開始から補助金受領までのモデルスケジュールを示します。事業規模によって期間は大きく変動するため、あくまで目安として参考にしてください。

• 1～2ヶ月目：計画・相談フェーズ
  団体内での計画策定、市への事前相談、事前協議書の提出を行います。
• 3ヶ月目：申請・審査フェーズ
  見積取得、交付申請書の作成・提出。市による審査が行われます。
• 4ヶ月目：交付決定
  市から交付決定通知書が届きます。これ以降、事業に着手できます。
• 4ヶ月目～（事業期間）：事業実施フェーズ
  計画に沿って、施設の設置・改修工事などを実施します。
• 事業完了後～1ヶ月：報告フェーズ
  事業が完了したら、速やかに実績報告書を作成し、市へ提出します。
• 報告後～2ヶ月：確定・請求フェーズ
  市の検査を経て補助金額が確定。請求書を提出します。
• 請求後～1ヶ月：入金
  指定口座に補助金が振り込まれます。

全体として、相談から入金までスムーズに進んでも1年近くかかる可能性があります。長期的な視点で計画を進めることが重要です。他にも「福岡県の創業支援助成金一覧」もございますので、合わせてご確認ください。

よくある質問（FAQ）

Q1: 国や県の他の補助金と併用できますか？

A1: 併用は可能ですが、その場合は本補助金の補助率や限度額が変わる可能性があります。どの補助金と併用するかによって調整内容が異なるため、必ず事前相談の段階で市の担当課に申し出てください。

Q2: 市外の業者に工事を依頼することはできますか？

A2: 原則として北九州市内の企業への発注が必要です。ただし、特殊な技術や特許を要する工事で、市内に対応できる業者がいないなど、やむを得ない理由がある場合に限り、理由書を提出することで認められることがあります。まずは担当課にご相談ください。

Q3: 交付決定前に着工してしまいました。少しだけですが、対象になりますか？

A3: いいえ、一切対象になりません。交付決定日より前に発生した経費（契約・発注・支払いなど）は、たとえ1円であっても全て補助対象外となります。これは最も厳格なルールの一つですので、絶対に遵守してください。

Q4: 申請手続きが複雑そうです。行政書士などの専門家に依頼すべきでしょうか？

A4: 市の担当課が事前相談から丁寧にサポートしてくれるため、団体自身で申請することは十分可能です。実際に多くの団体が自ら申請しています。ただし、事業規模が非常に大きい「モデル商店街支援事業」などを検討しており、書類作成に不安がある場合は、行政書士などの専門家に相談するのも一つの選択肢です。

Q5: 法人格のない任意団体でも本当に申請できますか？

A5: はい、申請できます。ただし、団体の代表者が明確であること、規約や会則が定められていること、予算・決算が適切に行われていることなど、団体としての実態が客観的に示せる書類が必要です。

Q6: 予算はいつ頃なくなることが多いですか？

A6: 予算の消化状況は公表されていません。年度によって申請件数も異なるため一概には言えませんが、一般的に年度末に近づくと予算が少なくなる可能性があります。活用を決めたら、できるだけ早く行動に移すことをお勧めします。

Q7: 補助金の対象になるか微妙な経費があります。どうすればいいですか？

A7: 自己判断で進めるのは危険です。必ず事前相談や交付申請の段階で、市の担当課に「この経費は対象になりますか？」と具体的に確認してください。事前に確認することで、後のトラブルを防ぐことができます。

Q8: 交付決定後に計画を変更したくなりました。どうすればいいですか？

A8: 軽微な変更であっても、必ず市の担当課に速やかに報告・相談してください。事業費や事業内容に大きな変更がある場合は、「変更交付申請書」の提出が必要となります。無断で計画を変更すると、補助金が交付されない場合があります。

まとめ：今すぐ公募要領を確認し、未来への一歩を踏み出そう

この記事では、北九州市の「中小企業団体共同施設等設置補助金」について、その概要から対象者、対象経費、申請のステップ、そして採択されるための秘訣まで、網羅的に解説しました。

この補助金は、単に施設を新しくするための資金援助ではありません。商店街の安全性を高め、景観を美しくし、省エネ化によって持続可能な運営を実現するための、未来への投資を後押しする制度です。手続きは多岐にわたりますが、一つ一つのステップを市の担当者と連携しながら進めれば、必ずゴールにたどり着けます。

あなたの商店街が抱える課題を解決し、地域住民や来街者からさらに愛される場所へと進化させる絶好のチャンスです。まずは、この記事を参考に団体の課題を整理し、公式サイトで詳細な資料を確認した上で、市の担当課への「事前相談」という第一歩を踏み出してみてください。