【最大80万円】重度障害者等住宅改造費助成金とは?バリアフリー工事費用を補助!申請方法を解説
補助金詳細
Details市区町村内に居住し、身体障害者手帳1・2級、または療育手帳A(重度)などを所持する方がいる世帯で、世帯の所得が一定基準以下であること。自治体により、下肢・体幹機能障害3級の方も対象となる場合があります。
・申請書、同意書など自治体指定の様式
・工事見積書(原本)
・工事箇所の図面(平面図など)
・改造着手前の状況を明らかにする写真
・身体障害者手帳または療育手帳の写し
・世帯の所得を証明する書類(源泉徴収票、課税証明書など)
・住宅の所有を確認できる書類(登記簿謄本、固定資産税納税通知書の写し等)
・【借家の場合】住宅所有者の工事承諾書
・その他、市長が必要と認める書類(医師の意見書など)
障害の状況に応じて、日常生活上の障がいの除去または軽減に効果があると認められるバリアフリー工事が対象です。
・手すりの取付け
・段差の解消(スロープ設置、床のかさ上げ等)
・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
・引き戸等への扉の取替え
・洋式便器等への便器の取替え
・その他、上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
・簡易スロープ、手すり、リフト、階段昇降機等の設置
申請前チェックリスト
補助金概要
Overview重度障害者等住宅改造費助成金とは?
「自宅の段差が危ない」「お風呂やトイレの介助が大変…」など、ご自身やご家族の障害によって、住み慣れた家での生活に不便を感じていませんか?
多くの自治体では、重度の障害を持つ方が安全で快適な在宅生活を送れるよう、住宅のバリアフリー工事費用を支援する「重度障害者等住宅改造費助成事業」を実施しています。この制度を活用すれば、手すりの設置や段差解消、浴室の改修といったリフォーム費用の一部、場合によっては全額の補助を受けることが可能です。
この記事では、制度の対象者や対象工事、助成金額、申請方法から注意点まで、各自治体の事例を交えながら網羅的に解説します。介護の負担を軽減し、自立した生活を送るための一歩として、ぜひ本制度の活用をご検討ください。
重度障害者等住宅改造費助成事業の概要
この事業は、在宅の重度障害者の方が、日常生活をより円滑に、そして安全に送れるようにすることを目的とした制度です。住み慣れた自宅での自立を促し、介護者の負担を軽減するために、必要な住宅改修(バリアフリー工事)にかかる費用の一部を助成します。
実施主体
この助成事業の実施主体は、お住まいの市区町村です。そのため、制度の名称、対象者の詳細な要件、助成額、申請手続きなどは自治体によって異なります。この記事では一般的な内容を解説しますが、実際に申請する際は、必ずお住まいの自治体の障害福祉担当課にご確認ください。
目的
障害のある方が地域社会で自立した生活を送るためには、生活の基盤である住環境の整備が不可欠です。しかし、バリアフリー工事には高額な費用がかかることが多く、経済的な負担が障壁となるケースも少なくありません。この制度は、そうした経済的負担を軽減し、以下の目的を達成するために設けられています。
- 障害者の日常生活動作(ADL)の向上と自立支援
- 転倒などの家庭内事故の防止による安全確保
- 介護者の身体的・精神的負担の軽減
- 住み慣れた地域での在宅生活の継続支援
助成金額・補助率
助成される金額や補助率は、世帯の所得状況(住民税や所得税の課税額)に応じて変動するのが一般的です。また、助成額には上限が設けられています。ここでは、いくつかの自治体の例を挙げて具体的に見ていきましょう。
■ ポイント
所得が低い世帯ほど、補助率が高く、自己負担が少なくなる仕組みになっています。生活保護世帯や住民税非課税世帯は、上限額の範囲内で工事費の全額が助成されるケースが多く見られます。
| 自治体名 | 世帯の所得区分 | 補助率・助成額 |
|---|---|---|
| 船橋市 | 住民税非課税世帯 | 工事費実費(上限50万円) |
| 住民税課税世帯(課税額32万円以下) | 工事費の1/2(上限50万円) | |
| 東大阪市 | 生活保護・非課税世帯 | 上限50万円 |
| 市・府民税額9万円以下の世帯 | 上限30万円 | |
| 市・府民税額15万円以下の世帯 | 上限20万円 | |
| 枚方市 | 生活保護・所得税非課税世帯 | 10割(上限80万円) |
| 所得税額4万円以下の世帯 | 2/3(上限80万円) | |
| 所得税額4万円超~7万円以下の世帯 | 1/2(上限80万円) |
※上記は一例です。助成限度額や所得区分は自治体により大きく異なりますので、必ずお住まいの自治体の情報を確認してください。大阪府内にお住まいの方で、介護事業者向けの制度に興味がある場合は、大阪府介護施設整備補助金の情報も参考にしてください。
1. 居住要件
申請先の市区町村に住民票があり、実際に居住していることが必要です。船橋市のように「市内に1年以上居住」といった期間の定めがある場合もあります。
2. 障害の程度
お持ちの障害者手帳の種類や等級によって対象者が定められています。一般的には以下のような方が対象となります。
- 身体障害者手帳1級または2級を所持している方
- 療育手帳A(重度)または同程度の判定を受けている方
- 自治体によっては、身体障害者手帳の下肢または体幹機能障害で3級の方も対象となる場合があります。(例:泉佐野市、枚方市、和泉市)
3. 所得要件
世帯の生計中心者(最多納税者)の住民税や所得税の課税額に上限が設けられています。この上限額を超えると助成の対象外となります。例えば、船橋市では「最多納税者の住民税課税額が32万円以下」、枚方市では「生計中心者の前年所得税額が7万円以下」といった基準があります。
4. その他の条件
- 過去にこの助成制度を利用したことがない世帯・住宅であること。(原則として一人一回限りの制度です)
- 持ち家であること。借家の場合は、所有者(大家さん)から工事の承諾を得られること。
- 介護保険の住宅改修費など、他の同様の制度が優先される場合があります。介護保険の対象となる方は、まずそちらの利用を検討する必要があります。
補助の対象となる工事(経費)
助成の対象となるのは、障害の内容や程度に応じて、日常生活の動作を容易にするために必要と認められるバリアフリー工事です。
対象となる工事の例
- 手すりの設置:廊下、便所、浴室、玄関などへの設置
- 段差の解消:敷居の撤去、スロープの設置、床のかさ上げなど
- 床材の変更:滑りにくい床材への変更、畳からフローリングへの変更など
- 扉の改修:引き戸への交換、ドアノブのレバーハンドルへの交換、戸車の設置など
- 便所の改修:和式から洋式への便器の取替えなど
- 浴室の改修:浴槽の交換、シャワーチェアが使えるスペースの確保、洗い場の床のかさ上げなど
- その他:階段昇降機やリフトの設置など
対象とならない工事の例
- 新築や増改築工事
- 老朽化や故障に伴う一般的な修繕・リフォーム工事
- 障害の内容と直接関係のない工事(例:壁紙の張り替え、外壁塗装など)
- 水洗化や簡易水洗化の工事
- すでに着工済み、または完了済みの工事
申請方法・手順
申請から助成金受領までの流れは、一般的に以下のようになります。最も重要なのは、必ず工事を始める前に申請手続きを行うことです。
- ステップ1:事前相談
お住まいの市区町村の障害福祉担当課へ相談します。制度の対象になるか、どのような工事が対象になるかなどを確認します。 - ステップ2:業者選定と見積もり取得
改修工事を依頼する施工業者を決め、工事内容を相談します。助成金の対象となる工事内容を反映した見積書と図面を作成してもらいます。 - ステップ3:申請書類の準備・提出
役所で入手した申請書に必要事項を記入し、以下の必要書類を添えて窓口に提出します。- 申請書、同意書など指定の様式
- 工事見積書(原本)
- 工事箇所の図面(平面図など)
- 改修前の状況がわかる写真
- 身体障害者手帳または療育手帳の写し
- 世帯の所得を証明する書類(課税証明書など)
- 住宅の所有者がわかる書類(登記簿謄本など)
- 【借家の場合】所有者の承諾書
- その他、自治体が必要と認める書類
- ステップ4:審査・交付決定
提出された書類に基づき、市町村が審査を行います。助成が適切と判断されると「交付決定通知書」が送付されます。 - ステップ5:工事の契約・着工
必ず「交付決定通知書」を受け取ってから、施工業者と正式に契約し、工事を開始します。 - ステップ6:工事完了・支払い
工事が完了したら、施工業者に工事費用を全額支払います。 - ステップ7:完了報告・助成金請求
工事完了報告書、領収書の写し、工事後の写真などを市町村に提出し、助成金を請求します。 - ステップ8:助成金の交付
提出書類の確認後、指定した口座に助成金が振り込まれます。
採択のポイント
助成を受けるためには、いくつかの重要なポイントがあります。
工事の必要性を明確にする
審査では、「その工事が、申請者の障害の状況に対して本当に必要なのか」という点が最も重視されます。例えば、「下肢機能障害のため、浴室のまたぎ動作が困難であり、転倒の危険性が高い。そのため、浴槽を低いものに交換し、手すりを設置する必要がある」というように、障害と工事内容の因果関係を具体的に説明できることが重要です。必要に応じて医師の意見書を求められることもあります。
信頼できる施工業者を選ぶ
この種の助成金申請に慣れている、あるいは介護リフォームの実績が豊富な施工業者を選ぶと、手続きがスムーズに進みます。正確な見積書や分かりやすい図面の作成、役所とのやり取りなど、専門的なサポートが期待できます。
予算とスケジュールに注意する
自治体の助成金には年度ごとの予算があります。年度末に申請が集中して予算がなくなったり、受付件数に上限があったりすることもあります。早めに相談・申請を始めることをお勧めします。また、申請から交付決定までには1ヶ月以上かかる場合もあるため、余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
よくある質問(FAQ)
まとめ
「重度障害者等住宅改造費助成事業」は、障害のある方が安全で自立した在宅生活を送るための強力なサポート制度です。最後に、この制度を活用するための重要ポイントを再確認しましょう。
- 【最重要】必ず工事着工前に申請する!
- 制度の詳細は自治体ごとに異なるため、まずはお住まいの市区町村の障害福祉担当課に相談する。
- 助成額や補助率は世帯の所得によって決まる。
- 介護保険など他の制度が優先される場合があるため、併せて確認する。
- 原則として、一人一回限りの助成制度。
自宅の環境を少し整えるだけで、ご本人の生活の質が大きく向上し、介護するご家族の負担も大幅に軽減される可能性があります。この機会に、まずはお住まいの自治体の窓口へ問い合わせてみることから始めてみてはいかがでしょうか。
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大80万円 | 最大325万円 | 最大20万円 | 1万円から20万円 | 最大218万5千円 |
| 補助率 | 世帯の所得状況(住民税や所得税の課税額)に応じて補助率が段階的に設定されています。生活保護世帯や住民税非課税世帯は、上限額の範囲内で工事費の全額が助成されることが多いです。課税世帯は、所得額に応じて工事費の1/2や2/3などが助成されます。助成限度額は自治体により異なり、20万円から80万円程度まで幅があります。 | 【高断熱窓・ドア】製品の性能・大きさに応じた定額補助(上限130万円、条件により最大325万円)。【断熱材】対象経費の1/3(上限100万円)。【高断熱浴槽】対象経費の1/3(上限9.5万円)。【リフォーム瑕疵保険】定額7,000円。 | 対象工事費(税抜)の20%(千円未満切り捨て) | 1万円から20万円まで | 補助対象工事に係る費用(消費税及び地方消費税相当額を除く)に23.0パーセントを乗じた額(千円未満切り捨て)。 上限額は工事内容により異なり、1台につき最大218万5千円です。 |
| 申請締切 | 2025年3月31日 | 事前申込:令和7年5月30日から / 交付申請兼実績報告:令和11年3月30日まで | 令和7年12月26日まで | 令和7年12月12日まで | 令和7年4月1日(火曜日)から令和7年12月19日(金曜日)まで |
| 難易度 | |||||
| 採択率 | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
・工事見積書(原本)
・工事箇所の図面(平面図など)
・改造着手前の状況を明らかにする写真
・身体障害者手帳または療育手帳の写し
・世帯の所得を証明する書類(源泉徴収票、課税証明書など)
・住宅の所有を確認できる書類(登記簿謄本、固定資産税納税通知書の写し等)
・【借家の場合】住宅所有者の工事承諾書
・その他、市長が必要と認める書類(医師の意見書など)
Q どのような経費が対象になりますか?
・手すりの取付け
・段差の解消(スロープ設置、床のかさ上げ等)
・滑りの防止及び移動の円滑化等のための床又は通路面の材料の変更
・引き戸等への扉の取替え
・洋式便器等への便器の取替え
・その他、上記の住宅改修に付帯して必要となる住宅改修
・簡易スロープ、手すり、リフト、階段昇降機等の設置