業務改善助成金(2025年度)とは?賃上げと設備投資を支援する制度
2025年度(令和7年度)の業務改善助成金は、「事業場内最低賃金の引き上げ」と「生産性向上のための設備投資」を同時に行う中小企業・小規模事業者を支援する制度です。物価高騰に伴う賃上げ原資の確保に悩む経営者にとって、最大600万円の助成を受けられる極めて有効な施策です。
本助成金の3つの結論
1. 賃上げ額と対象人数に応じ、30万円から最大600万円が支給される
2. POSレジ、自動精算機、専用ソフトウェアなどの設備投資が対象となる
3. 2025年度も継続実施され、特に賃金水準の低い事業場には高い補助率が適用される
2025年度の制度概要と助成金額
業務改善助成金は、引き上げる賃金額(30円〜90円コース)と、対象となる労働者数によって助成上限額が決まります。また、事業場内最低賃金の水準によって補助率が変動します。
対象となる事業者と「個人事業主1人」の条件
本助成金は、日本国内に事業場を置く中小企業、小規模事業者、個人事業主が対象です。特に「従業員が1人しかいない個人事業主でも申請できるか」という問い合わせが多いですが、結論として「労働者を1人以上雇用している」ことが必須条件となります。
Check! 対象者の重要要件
- 事業場内最低賃金と地域別最低賃金の差額が50円以内であること
- 解雇などの不適切な労務管理が行われていないこと
- 賃上げ計画と設備投資計画(業務改善計画)を策定すること
経費判定のガイドライン
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1. パソコン・タブレット・スマホ:
原則として対象外。ただし、生産性向上に不可欠な専用ソフトウェアと一体として使用し、かつ「特例」区分(定額減税の影響を受ける事業者等)に該当する場合、一部認められる可能性があります。 -
2. 車両(自動車):
乗用車は対象外。ただし、配送専用のトラックや、福祉車両、キッチンカーなど、業務改善に直結する「特装車」であれば対象となる事例があります。 -
3. POSレジ・自動精算機:
注文・会計の効率化に直結するため、非常に採択されやすい経費です。
採択事例:業務改善助成金の活用イメージ
実際にどのような投資が行われているか、業種別の事例を紹介します。これらは生産性向上(時間短縮や売上増)の根拠が明確であるため、審査でも評価されやすい項目です。
飲食業の事例
モバイルオーダーシステムの導入により、注文取りの時間を削減。空いた時間で接客の質を向上させ、賃上げ原資を確保。
建設業の事例
最新の測量機器(ドローン等)を導入。現場作業の時間を大幅に短縮し、従業員の残業代削減と基本給アップを両立。
製造業の事例
自動梱包機の導入。梱包工程の自動化により、少人数での出荷対応が可能になり、人件費率を抑えつつ賃上げを実施。
地域別の相談窓口(北海道・愛知・熊本・沖縄など)
業務改善助成金は全国で実施されていますが、各都道府県労働局によって「地域別最低賃金」が異なるため、賃上げの基準額に注意が必要です。特に以下の地域では申請が活発です。
- 北海道・沖縄: 観光業のDX化(予約管理ソフト導入等)での活用が多い。
- 愛知: 製造業の省力化投資(自動化設備等)での申請が中心。
- 熊本: 半導体関連の需要増に伴う、人材確保のための賃上げとセットでの活用。
受給までの5ステップ
申請から受給までは、必ず「交付決定」を受けてから購入するという順番を守る必要があります。
注意:交付決定前に発注・契約・支払いを行った経費は、いかなる理由があっても助成対象外となります。必ず労働局からの通知を待ってください。
よくある質問(FAQ)
Q. 記入例はどこで確認できますか?
A. 厚生労働省の特設サイトにて、業種別の申請書記入例がPDFで公開されています。「業務改善助成金 記入例」で検索すると、最新のフォーマットに基づいたサンプルを確認可能です。
Q. 予算がなくなると早期終了しますか?
A. はい、その傾向が強いです。例年、年度末を待たずに予算上限に達し、受付が締め切られることがあります。2025年度分も、早めの準備と申請を推奨します。
Q. 賃上げは過去に遡って実施しても対象になりますか?
A. いいえ。交付申請書を提出した「後」に実施する賃上げが対象です。ただし、特例的に申請前であっても一定の期間内の賃上げが認められるケースがあるため、公募要領の最新情報を必ず確認してください。
まとめ:賃上げとDXを同時に進める絶好の機会
2025年度の業務改善助成金は、人手不足解消とコスト削減を狙う企業にとって、返済不要の強力な資金調達手段です。特にITツール導入や店舗改装を検討している事業者は、この制度を活用しない手はありません。
まずは自社の「事業場内最低賃金」を確認し、どのコース(30円〜90円)で申請が可能か、社労士などの専門家や労働局の窓口に相談することから始めましょう。