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監修:補助金インサイト編集部(中小企業診断士・行政書士監修)
最終更新:2024年最新版
情報源:厚生労働省 人材開発支援助成金 公募要領 |
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基本情報サマリー |
| 制度名 | 人材開発支援助成金 (事業展開等リスキリング支援コース) |
| 最大助成額 | 1事業所あたり1億円 (経費助成:最大50万円/人) |
| 助成率 | 中小企業:75% 大企業:60% |
| 対象エリア | 全国の雇用保険適用事業所 |
| 主な対象経費 | 訓練受講料、教科書代、講師謝金、訓練中の賃金 |
| 審査難易度 | 中(計画作成が必要) |
新規事業の立ち上げやデジタル化(DX)の推進において、最大の課題となるのが「人材の育成」ではないでしょうか。「新しいことに挑戦したいが、社内にノウハウがない」「外部研修を受けさせたいがコストがかかる」といった悩みを持つ経営者様にとって、非常に強力な支援制度が存在します。
本記事では、厚生労働省が実施する「人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)」について徹底解説します。令和4年度から令和8年度末までの期間限定措置として創設されたこの制度は、変化の激しい時代に対応する企業を「訓練経費」と「賃金助成」の両面からサポートします。
この助成金を30秒で理解
人材開発支援助成金(事業展開等リスキリング支援コース)は、企業の新たな挑戦に伴う人材育成(リスキリング)を支援する制度です。
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制度のポイント - 新規事業、DX(デジタルトランスフォーメーション)、GX(グリーン・カーボンニュートラル化)に対応するための訓練が対象です。
- 訓練にかかる経費(入学料・受講料など)だけでなく、訓練期間中の賃金の一部も助成されます。
- 中小企業の場合、経費の75%が助成される高率補助です。
- 令和8年度末までの期間限定措置として実施されています。
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具体的な活用イメージ
この助成金は、大きく分けて以下の2つのケースで活用可能です。
| 1. 事業展開に伴うリスキリング |
新たな製品開発や新サービスの提供、事業転換など、新しい分野に進出するために必要な専門知識・技能を習得させる訓練。 活用例:
・飲食店がテイクアウト・デリバリー事業を始めるため、Webマーケティングやアプリ開発の訓練を実施。
・製造業が医療機器分野に参入するため、専門技術訓練を実施。 |
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| 2. DX・GX化に伴うリスキリング |
既存事業のままでも、社内のDX化やグリーン化を推進するために必要な専門知識・技能を習得させる訓練。 活用例:
・RPAツール導入による業務自動化のための操作訓練。
・ドローンを活用した測量技術の習得訓練。
・再生可能エネルギー設備の導入・管理に関する技術訓練。 |
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対象となる事業主
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必須要件(すべて満たす必要があります) - 雇用保険の適用事業所であること。
- 社内に「職業能力開発推進者」を選任していること。
- 「事業内職業能力開発計画」を策定し、従業員に周知していること。
- 訓練期間中、対象労働者に適正に賃金を支払っていること。
- 申請に必要な書類を整備・保管し、労働局の審査に協力すること。
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対象となる労働者
申請事業主に雇用されている雇用保険被保険者が対象です。訓練の実施期間中も継続して被保険者である必要があります。
対象となる訓練
以下の要件を満たすOFF-JT(通常の業務から離れて行う訓練)が対象となります。OJT(業務を行いながらの訓練)は対象外ですのでご注意ください。
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✓ | 職務に直接関連した専門的な知識・技能を習得するための訓練であること。 |
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✓ | 実訓練時間数が10時間以上であること。 |
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✓ | 社外の教育訓練機関で実施する「事業外訓練」または、要件を満たす講師による「事業内訓練」であること。 |
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対象外となる訓練の例
接遇マナー研修、法令で実施が義務付けられている訓練、趣味・教養を目的とした訓練などは対象外となります。 |
助成金額と計算方法
本助成金の大きな特徴は、訓練にかかった「経費」と、訓練期間中の「賃金」の2種類が助成される点です。企業規模によって助成率・助成額が異なります。
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支給限度額について - 経費助成:1人1訓練あたり最大50万円(訓練時間数に応じて変動あり)
- 賃金助成:1人1訓練あたり1,200時間まで
- 事業所全体:1事業所あたり年間1億円まで
- 受講回数:1労働者あたり年間3回まで
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申請の流れ
本助成金は、訓練を開始する前の「計画届」の提出が必須です。事後申請はできませんのでご注意ください。
1 | 計画の策定・準備
「職業能力開発推進者」を選任し、「事業内職業能力開発計画」を策定します。初めて申請する場合は、この段階で管轄の労働局へ相談に行くとスムーズです。 |
2 | 職業訓練実施計画届の提出
訓練開始日の1か月前までに、必要書類を揃えて管轄の労働局へ提出します。1日でも遅れると受理されませんので、余裕を持って準備しましょう。 |
3 | 訓練の実施
認定された計画に沿って訓練を実施します。訓練費用は、支給申請時までに事業主が全額支払いを完了している必要があります。 |
4 | 支給申請書の提出
訓練終了日の翌日から2か月以内に、支給申請書と実績報告書類を労働局へ提出します。 |
計画届提出時(訓練前)
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✓ | 職業訓練実施計画届(様式第1-1号) |
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✓ | 事業展開等実施計画(様式第1-3号) |
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✓ | 対象労働者一覧(様式第3-1号) |
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✓ | 事前確認書(様式第11号) |
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✓ | 訓練カリキュラム等(訓練内容がわかる書類) |
支給申請時(訓練後)
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✓ | 支給申請書(様式第4-2号) |
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✓ | OFF-JT実施状況報告書 |
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✓ | 経費・賃金の支払証明書類(領収書、振込控、賃金台帳等) |
審査のポイント
本助成金は、コンペ形式の補助金とは異なり、要件を満たせば原則として受給可能です。ただし、以下のポイントが厳しくチェックされます。
- 訓練と事業展開の関連性:なぜその訓練が新規事業やDXに必要なのか、計画書で論理的に説明する必要があります。
- 経費の適正性:相場とかけ離れた高額な研修費用などは否認される可能性があります。
- 実態の有無:実際に訓練が行われたか、出勤簿や日報等で確認されます。
注意点・よくあるミス
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期限管理に注意
本助成金で最も多いミスは「提出期限の遅れ」です。
「訓練開始の1ヶ月前」は、1日でも過ぎるとアウトです。労働局の窓口は混雑することもあるため、余裕を持って準備しましょう。 |
よくある質問(FAQ)
Q | eラーニングや通信教育は対象になりますか? |
はい、経費助成の対象となります。ただし、eラーニングや通信制の訓練の場合、学習時間が管理しにくいため、原則として「賃金助成」の対象外となりますのでご注意ください。 |
Q | 育児休業中の従業員も対象になりますか? |
訓練経費の助成は対象となる場合がありますが、育児休業中は賃金が発生していないため、賃金助成は受けられません。 |
申請すべきかの判断基準
以下のチェックリストに多く当てはまる場合は、申請を前向きに検討すべきです。
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✓ | 新しい事業分野に進出したいが、人材が不足している。 |
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✓ | 社内のDX化を進めたいが、従業員のITスキルが足りない。 |
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✓ | 研修費用や、研修中の人件費負担を軽減したい。 |
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✓ | 10時間以上のまとまった訓練を実施する予定がある。 |
今日からやるべきこと
人材開発支援助成金は、企業の成長戦略に不可欠な「人への投資」を強力に後押しする制度です。まずは、社内で「どのようなスキルが必要か」を洗い出し、管轄の労働局へ相談することから始めましょう。計画的な準備が、受給への確実な第一歩となります。
公式情報・問い合わせ先
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公式情報・お問い合わせ |
| 公式サイト |
厚生労働省 公式サイトを見る → |
| 問い合わせ先 | 各都道府県労働局 助成金窓口 受付時間:平日8:30〜17:15(労働局により異なる場合があります) |
※最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。 |
免責事項:本記事は執筆時点の情報に基づいています。補助金の内容は変更される可能性があるため、申請前に必ず公式の公募要領をご確認ください。
最終更新:2024年最新版 |