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監修:補助金インサイト編集部(中小企業診断士・行政書士監修)
最終更新:2025年05月01日
情報源:厚生労働省・高齢・障害・求職者雇用支援機構 公募要領(令和7年度版準拠) |
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基本情報サマリー |
| 制度名 | 障害者雇用助成金・補助金 (特定求職者雇用開発助成金など) |
| 最大補助額 | 最大240万円 (特定就職困難者コース・重度障害者等の場合) |
| 補助率 | 定額支給 または 経費の一部 |
| 対象エリア | 全国(国の制度) ※自治体独自の制度もあり |
| 主な対象経費 | 人件費(賃金助成)、施設整備費、介助者配置費など |
| 審査難易度 | 中(要件合致と計画認定が必須) |
障害者雇用は企業の社会的責任(CSR)を果たす上で極めて重要ですが、「どのような配慮が必要か」「施設改修のコストが心配」といった不安を抱える事業主様も少なくありません。しかし、国や自治体はこうした課題を解決するために、多種多様な助成金・補助金制度を用意しています。
本記事では、2025年最新の情報を基に、障害者雇用に関連する主要な助成金・補助金を網羅的に解説します。採用コストの負担を軽減し、誰もが働きやすい職場環境を整備するための具体的な活用方法をご確認ください。
この補助金を30秒で理解
障害者雇用に関する支援制度は、大きく分けて国が主体となる「助成金」と、自治体が独自に行う「補助金・奨励金」の2種類が存在します。
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制度活用のポイント
国の助成金は「雇入れ」「職場定着」「能力開発」「環境整備」など多角的なメニューが特徴です。一方、自治体の補助金は地域の雇用情勢に合わせた独自支援や、国の制度への上乗せが魅力です。両者の違いを理解し、自社の課題に合った制度を選ぶことが成功への第一歩となります。 |
補助金額と計算方法
ここでは、国の代表的な助成金を「雇入れ」「環境整備」「職場定着」の3つの目的に分けて、具体的な助成額を解説します。
1. 障害者を新たに雇い入れる際の助成金
ハローワーク等の紹介を通じて、障害のある方を継続して雇用する場合に活用できる制度です。
特定求職者雇用開発助成金(特定就職困難者コース)
就職が特に困難な方(高齢者や障害者など)を継続して雇用する事業主に対して支給されます。中小企業の場合の支給額は以下の通りです。
トライアル雇用助成金(障害者トライアルコース)
本格的な雇用の前に、原則3ヶ月間の試行雇用を行う場合に支給されます。ミスマッチを防ぐために有効です。
- 精神障害者の場合:最初の3ヶ月は月額最大8万円、その後3ヶ月は月額最大4万円
- それ以外の障害者の場合:月額最大4万円を3ヶ月間
※週20時間未満から始められる「障害者短時間トライアルコース」もあります。
2. 施設整備や雇用管理を支援する助成金
独立行政法人高齢・障害・求職者雇用支援機構(JEED)が管轄する助成金です。
| 障害者作業施設設置等助成金 |
障害特性により作業が困難な場合、設備設置・整備費用の一部を助成。
(例:スロープ設置、手すり取り付け、作業補助機器導入など) |
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| 障害者介助等助成金 |
業務遂行に必要な介助者や手話通訳担当者の配置・委嘱費用の一部を助成。
(ICTを活用した遠隔支援も対象となる場合あり) |
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| 重度障害者等通勤対策助成金 |
通勤が困難な重度障害者のため、送迎バス購入や駐車場賃借などの措置を行った場合に助成。 |
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3. 職場定着やキャリアアップを支援する助成金
雇用した障害のある方の正規雇用転換などを支援する「キャリアアップ助成金(障害者正社員化コース)」が代表的です。
申請の流れ
助成金の申請は、制度によって詳細な手順が異なりますが、一般的なフローは以下の通りです。計画段階から専門機関に相談することが成功の鍵となります。
1 | 相談・計画 管轄のハローワーク、JEED支部、自治体の担当課に相談し、利用可能な制度を確認します。雇用計画や施設整備計画を策定します。 |
2 | 計画書の提出・認定 雇入れや措置の実施前に「計画書」を提出し、認定を受けます。このプロセスを飛ばすと受給できないケースが多いため重要です。 |
3 | 計画の実施 認定された計画に基づき、障害者の雇入れや施設の整備、介助者の配置などを実施します。 |
4 | 支給申請 計画期間終了後、定められた期間内に「支給申請書」と必要書類を提出します。 |
5 | 審査・支給決定 審査を経て支給が決定されると、指定口座に助成金が振り込まれます。 |
審査のポイント
助成金を受給するためには、審査を通過する必要があります。採択されるための3つの重要ポイントを押さえておきましょう。
1. 計画の具体性と実現可能性
申請書には、「なぜその措置が必要なのか」「障害特性にどう配慮するのか」「どのような業務を任せ、どう育成するのか」を具体的に記述します。「誰が、いつ、何をするのか」が明確で、実現可能な計画であることが重要です。
2. 書類の正確性と期限の遵守
申請書類の不備は不採択の大きな要因です。記入漏れや添付書類不足がないか、提出前に徹底確認しましょう。また、計画書提出や支給申請の期限は厳守です。
3. 事前の相談と情報収集
制度は頻繁に改正されます。最新情報を公式サイトで確認し、不明点はハローワークやJEEDなどの専門機関に相談することで、スムーズな申請が可能になります。
注意点・よくあるミス
以下の項目に該当すると、助成金が受け取れない可能性があります。十分に注意してください。
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✕ | 計画認定前に設備を購入・契約してしまった |
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✕ | 雇用する障害者と過去に雇用関係があった |
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✕ | 支給申請期限を1日でも過ぎてしまった |
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✕ | 労働関係法令の違反がある |
よくある質問(FAQ)
Q | 複数の助成金を併用することはできますか? |
目的が異なる助成金であれば併用できる場合があります。例えば「トライアル雇用助成金」で試行雇用後、本採用して「特定求職者雇用開発助成金」を受給するケースなどです。ただし、同一経費に対して重複して受給することはできません。 |
Q | 助成金はいつ振り込まれますか? |
一般的に、支給申請書を提出してから審査を経て振り込まれるまで数ヶ月かかります。助成金は後払いが原則のため、雇入れや設備投資の費用は一旦事業主が立て替える必要があります。 |
Q | パートやアルバイトでも対象になりますか? |
多くの助成金で、雇用保険の被保険者(週の所定労働時間20時間以上など)であれば対象となります。短時間労働者向けの助成額設定がある制度も多いです。 |
Q | 障害者手帳がなくても対象になりますか? |
基本は手帳の交付を受けている方が対象ですが、「発達障害者・難治性疾患患者雇用開発コース」のように、医師の診断書などで対象となるケースもあります。 |
申請すべきかの判断基準
障害者雇用助成金は、以下のような状況にある事業主様にとって、強力なサポートとなります。
- 初めて障害者雇用に取り組むため、コスト面でのリスクを抑えたい
- スロープやトイレなど、物理的な職場環境の改修が必要である
- パートタイムから雇用を始め、徐々に定着を目指したい
- 雇用した障害のある社員を正社員に登用し、戦力化したい
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今日からやるべきこと
障害者雇用は、企業に多様な人材と新たな視点をもたらし、組織全体の成長に繋がります。まずは自社の状況を整理し、以下のステップで行動を開始しましょう。
- 自社の業務の切り出しや環境の確認を行う
- 管轄のハローワークに求人や助成金について相談する
- 施設整備が必要な場合は、JEED支部に相談する
- 自治体の独自補助金がないかウェブサイトで確認する(例:神奈川県大和市、海老名市、平塚市など)
公式情報・問い合わせ先
免責事項:本記事は執筆時点の情報に基づいています。助成金の内容は変更される可能性があるため、申請前に必ず公式の公募要領をご確認ください。
最終更新:2025年05月01日 |