【2025年版】新潟市放課後児童クラブ運営費補助金|キャリアアップ処遇改善の全貌と申請ガイド
補助金詳細
Details私立幼稚園・保育園設置者、保護者会、NPO法人等
- 申請書
- 事業計画書
- 収支予算書
- その他、新潟市が必要と認める書類
- 放課後児童支援員等に対する賃金改善に要する費用
申請前チェックリスト
補助金概要
Overview新潟市における放課後児童クラブ運営と処遇改善の重要性
共働き世帯の増加に伴い、放課後児童クラブ(学童保育)の需要は年々高まっています。児童の安全・安心な居場所を確保し、健全な育成を支援するためには、現場で働く職員(放課後児童支援員等)の確保と定着が不可欠です。しかし、福祉・保育分野全般において人材不足は深刻な課題となっており、その背景には他産業と比較して賃金水準が低いという現状があります。
こうした状況を打破するため、国および新潟市では「放課後児童健全育成緊急対策事業補助金(キャリアアップ処遇改善費補助)」を設け、経験や技能に応じた処遇改善(賃金アップ)を支援しています。本記事では、2025年(令和7年)を見据えた運営において重要となる、この補助金制度の詳細、計算方法、申請手続きについて網羅的に解説します。
■ 本記事でわかること
・新潟市のキャリアアップ処遇改善費補助の全体像
・支援員の区分(I・II・III)とそれぞれの要件
・補助金額の具体的な計算方法とシミュレーション
・申請に必要な書類と手続きの流れ
・制度活用における注意点と運用ルール
放課後児童健全育成緊急対策事業補助金の概要
この補助金は、放課後児童クラブに従事する職員の経験年数や研修実績に応じて賃金を改善する事業者に対し、その費用の一部または全部を助成するものです。単に賃金を上げるだけでなく、職員がキャリアパスを描きながら長く働ける環境(キャリアアップ体系)を構築することを目的としています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 制度名称 | 放課後児童健全育成緊急対策事業補助金(キャリアアップ処遇改善費補助) |
| 実施主体 | 新潟県新潟市(こども未来部こども政策課) |
| 対象経費 | 放課後児童支援員等の賃金改善に要する費用(基本給、手当、賞与等)およびそれに伴う法定福利費事業主負担分 |
| 根拠法令等 | 子ども・子育て支援交付金交付要綱、新潟市放課後児童支援員等キャリアアップ処遇改善費補助金取扱要領 |
補助対象となる事業者と職員の要件
補助金を受給するためには、事業者(運営主体)と対象となる職員それぞれに要件が設けられています。
1. 事業者の要件
以下のいずれかに該当し、かつ特定の条件を満たす事業者が対象です。
- 私立幼稚園・保育園の設置者
- 保護者会
- NPO法人、社会福祉法人等の運営事業者
2. 対象職員の区分と要件
本制度では、職員の経験や役割に応じて「支援員I」「支援員II」「支援員III」の3つの区分を設けています。上位の区分ほど補助単価が高くなります。
| 区分 | 要件詳細 |
|---|---|
| 支援員 I | 放課後児童支援員の資格を有し、下記の支援員IIおよびIIIに該当しない職員。 ※いわゆる一般の有資格職員がこれに該当します。 |
| 支援員 II | 以下の2つの条件を満たす者。 1. 放課後児童支援員としての経験年数が5年以上あること。 2. 新潟市が指定する研修(都道府県等が実施する資質向上研修等)を受講修了していること。 |
| 支援員 III | 以下の2つの条件を満たす者。 1. 放課後児童支援員としての経験年数が10年以上あること。 2. 新潟市が指定する研修を受講し、かつ事業所長的な立場(主任やリーダー等)にあること。 |
※「補助員」については、上記の区分には該当しませんが、事業全体の処遇改善の一環として対象となる場合があります。詳細は新潟市の要領を確認する必要がありますが、基本的には有資格者(放課後児童支援員)のキャリアアップを主軸とした制度です。
補助金額の算定方法とシミュレーション
補助金額は、対象職員一人ひとりの区分と勤務月数に基づいて算出された「基準額」の合計と、実際に事業者が賃金改善に要した「実支出額」を比較し、低い方の額が交付されます。
補助金算定基準額(年額)
各区分における1人あたりの年額ベースの基準額は以下の通りです。勤務月数が12ヶ月に満たない場合は、月割り計算が行われます。
| 区分 | 計算式(年額ベース) |
|---|---|
| 支援員 I | 131,000円 × 勤務月数 ÷ 12 |
| 支援員 II | 263,000円 × 勤務月数 ÷ 12 |
| 支援員 III | 394,000円 × 勤務月数 ÷ 12 |
■ 計算例:あるクラブのケース
前提:全員12ヶ月勤務とする。
・所長(経験12年、研修済):1名 → 支援員III
・中堅(経験6年、研修済):1名 → 支援員II
・若手(経験2年、有資格):2名 → 支援員I
算定基準額の計算:
1. 支援員III:394,000円 × 1名 = 394,000円
2. 支援員II :263,000円 × 1名 = 263,000円
3. 支援員I :131,000円 × 2名 = 262,000円
合計基準額:919,000円
この事業所は、年間最大919,000円の補助を受けられる可能性があります。これを原資として、対象職員への賃金上乗せ(手当支給や基本給アップ)を行います。
キャリアアップ体系の構築と研修
本補助金は単なる給与補填ではなく、「キャリアアップの仕組みづくり」が要件となっています。事業者は以下の点について規定を整備する必要があります。
1. 職位・職責の明確化
「どのような経験・能力があれば、どのような役職に就くのか」を明確にします。例えば、「副主任は経験5年以上かつ指定研修修了者とする」といった規定です。
2. 賃金体系の整備
職位や職責に応じた給与テーブルや手当の額を定めます。これにより、職員は「頑張れば給料が上がる」という将来像を描くことができます。
3. 研修機会の確保
支援員IIやIIIに昇格するためには、都道府県等が実施する「放課後児童支援員等資質向上研修」などの受講が必須です。事業者は、職員が勤務時間内に研修を受けられるようシフト調整を行うなどの配慮が求められます。
申請から交付までの流れ
新潟市における申請手続きは、概ね以下のフローで進行します。年度によってスケジュールが前後する可能性があるため、必ず最新の募集要項を確認してください。
STEP 1:計画書の作成・提出
年度初め(または事業開始前)に、その年度の賃金改善計画を作成します。
提出書類例:
- 補助金交付申請書
- 事業計画書(職員ごとの予定区分、改善見込額等を記載)
- 収支予算書
- キャリアアップ体系が分かる書類(就業規則、給与規程の写し等)
STEP 2:交付決定通知
市による審査を経て、適正と認められれば「交付決定通知書」が送付されます。これにより、補助金の上限額が確定します。
STEP 3:賃金改善の実施
計画に基づき、毎月の給与や賞与で賃金改善(手当支給等)を実施します。必ず給与明細等に「処遇改善分」であることが分かるように記載するか、別途管理簿を作成しておくと後の実績報告がスムーズです。
STEP 4:実績報告書の提出
年度終了後(翌年4月頃)、実際に支払った賃金改善額を報告します。
提出書類例:
- 実績報告書
- 賃金改善実績一覧表
- 給与明細の写しや賃金台帳(改善額が確認できるもの)
STEP 5:補助金の確定・請求・受領
実績報告の審査後、最終的な補助金額が確定します。確定通知を受け取った後、請求書を提出し、補助金が入金されます。
申請における重要ポイントと注意点
補助金を確実に受給し、トラブルを避けるために押さえておくべきポイントをまとめました。
■ ポイント
1. 就業規則の変更が必要な場合がある
新たな手当を設ける場合、就業規則(賃金規程)の変更と労働基準監督署への届出が必要になることがあります。小規模な事業所でも、労使協定や雇用契約書の覚書などで明文化しておくことが重要です。
2. 区分認定の証拠書類
支援員II・IIIの申請には、研修修了証の写しや、経験年数を証明する書類(過去の在職証明書等)が必要です。早めに準備しておきましょう。
3. 他の補助金との重複
「処遇改善等事業(月額9,000円相当の賃上げ)」など、他の処遇改善系補助金と併用する場合は、それぞれの改善分を明確に区分して管理する必要があります。同じ1万円の昇給を、複数の補助金の実績として二重計上することはできません。
よくある質問(FAQ)
まとめ
新潟市の放課後児童健全育成緊急対策事業補助金(キャリアアップ処遇改善費補助)は、放課後児童クラブの質を支える職員の処遇を改善し、長期的なキャリア形成を支援するための重要な制度です。最大で年額約40万円(支援員IIIの場合)の補助が見込めるため、事業所運営にとって大きなメリットがあります。
制度活用にあたっては、複雑な計算や厳格な書類管理が求められますが、それらはすべて「職員が安心して長く働ける環境」を作るためのステップです。2025年に向けて、より良い放課後児童クラブ運営を目指す事業者の皆様は、ぜひ本制度の積極的な活用をご検討ください。
詳細な申請様式のダウンロードや最新の募集要項については、新潟市の公式ウェブサイトをご確認いただくか、担当課まで直接お問い合わせください。
| お問い合わせ先 |
|---|
|
新潟市 こども未来部 こども政策課 育成支援係 電話:025-226-1197 FAX:025-224-3330 |
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大39万円 | 最大1200万円 | 最大40万円 | 最大1,200万円 | 最大100万円 |
| 補助率 | 子ども子育て支援交付金交付要綱に基づく | 交付対象経費の4分の3以内 | 各取組によって補助率が異なります。詳細は実施要綱をご確認ください。 | 対象経費の3/4以内 | 対象経費の範囲内 |
| 申請締切 | 2026年3月31日 | 令和7年12月19日まで | 令和7年12月26日まで | 令和7年12月15日まで | 2025年12月12日(金) |
| 難易度 | |||||
| 採択率 | 80.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
申請書
事業計画書
収支予算書
その他、新潟市が必要と認める書類
Q どのような経費が対象になりますか?
放課後児童支援員等に対する賃金改善に要する費用