長野県辰野町では、気候変動対策の一環として「2050ゼロカーボンたつの」を掲げ、脱炭素社会の実現に向けた取り組みを加速させています。その中核となる施策が、令和7年度も継続して実施される「ゼロカーボン推進補助金」です。家庭や事業所におけるエネルギー消費を見直し、環境負荷の低い設備への更新を支援するこの制度は、経済的なメリットと環境貢献を両立させる絶好の機会です。
本記事では、最大150万円の補助が受けられる本制度について、対象となる設備の詳細、具体的な補助金額の計算方法、申請手続きの流れ、そして審査を通過するためのポイントまで、網羅的に解説します。太陽光発電や蓄電池、電気自動車(EV)の導入を検討されている町民の皆様や事業者様は、ぜひ最後までご確認ください。
■ 本記事のポイント
- 令和7年度辰野町ゼロカーボン推進補助金の全容を解説
- 太陽光、蓄電池、EV、省エネ家電など幅広い対象設備
- 最大150万円(集会施設等)の高額補助を活用するチャンス
- 申請期限は令和8年3月31日まで
辰野町ゼロカーボン推進補助金とは?制度の概要と目的
この補助金制度は、単なる設備の購入補助ではありません。辰野町が目指す「2050年二酸化炭素排出量実質ゼロ」という壮大なビジョンを、町民一人ひとりのアクションを通じて実現するための重要な施策です。
「2050ゼロカーボンたつの」の実現に向けて
近年、猛暑や豪雨など気候変動の影響が私たちの生活にも及んでいます。これに対抗するため、世界中で脱炭素(カーボンニュートラル)への動きが加速しており、辰野町もその例外ではありません。家庭や事業所から排出されるCO2を削減するためには、再生可能エネルギーの導入や、エネルギー効率の高い機器への切り替えが不可欠です。
本補助金は、初期投資の負担を軽減することで、環境に優しいライフスタイルへの転換を後押しすることを目的としています。
| 項目 | 内容 |
|---|
| 正式名称 | 令和7年度辰野町ゼロカーボン推進補助金 |
| 実施主体 | 辰野町(総務課 ゼロカーボン推進室) |
| 対象エリア | 辰野町全域 |
| 主な対象者 | 町内に住所を有する個人、町内の事業所、地域自治団体(区・自治会等) |
【詳細解説】補助対象設備と補助金額
本制度の最大の魅力は、対象となる設備が多岐にわたることです。「創エネ(電気を作る)」「蓄エネ(電気を貯める)」「省エネ(電気を賢く使う)」の3つの観点から、様々な設備が対象となっています。ここでは、各設備の詳細と補助金額について具体的に見ていきましょう。
1. 太陽光発電設備(創エネ)
自宅や事業所の屋根を利用して電気を作る、脱炭素の基本となる設備です。電気代の高騰対策としても非常に有効です。
- 対象: 住宅、集会施設・避難所
- 住宅向け補助: 1kWあたり10万円(上限50万円)
- 集会施設向け補助: 1kWあたり15万円(上限150万円)
例えば、一般的な住宅に5kWのパネルを設置する場合、最大額の50万円が補助されます。これは初期費用の回収期間を大幅に短縮する大きなメリットです。
2. 定置型蓄電設備(蓄エネ)
太陽光発電で作った電気を貯めて夜間に使ったり、災害時の非常用電源として活用したりするための設備です。
- 対象: 住宅、集会施設・避難所
- 住宅向け補助: 一律 10万円
- 集会施設向け補助: 対象経費の1/3(上限100万円)
注意:蓄電池は単体での導入よりも、太陽光発電設備とセットで導入することで、エネルギーの自給自足率を高めることができます。
3. 電気自動車(EV)・プラグインハイブリッド車(PHV)等
ガソリン車から電動車への乗り換えを支援します。移動手段の脱炭素化は、地方部において特に重要な課題です。
- 対象: 住宅・事業所
- 補助額: 国のCEV補助金の1/10(上限10万円)
国のCEV補助金と併用することで、車両購入の負担をさらに軽減できます。
4. V2H充放電設備
「Vehicle to Home」の略で、電気自動車の大容量バッテリーを家庭用電源として活用するための設備です。EVを「動く蓄電池」として利用可能にします。
- 対象: 住宅・事業所
- 補助額: 国のV2H補助金の1/10(上限10万円)
5. 省エネ設備(LED照明・エアコン・給湯器)
日々の生活で使うエネルギーを減らすための設備更新も対象です。
| 設備区分 | 対象 | 補助内容 |
|---|
| LED照明設備 | 住宅 | 対象経費の1/2(上限2万円) |
| LED照明設備 | 事業所 | 対象経費の1/2(上限10万円) |
| エアコン | 住宅 | 対象経費の1/2(上限2万円) |
| 高効率給湯設備 | 住宅 | 対象経費の1/2(上限2万円) |
※高効率給湯設備には、エコキュートやエネファームなどが該当します。古い給湯器からの交換はCO2削減効果が高く推奨されています。
申請資格と対象者の条件
補助金を受け取るためには、以下の条件をすべて満たす必要があります。計画段階で必ず確認してください。
共通要件
- 期間内の実施: 令和7年1月1日以降に着手し、令和8年3月31日までに設置・支払いを完了し、実績報告ができること。
- 反社会的勢力の排除: 辰野町暴力団排除条例に該当しないこと。
個人の場合
- 実績報告書の提出時点で、辰野町内に住所を有していること(住民票があること)。
- 申請者および同一世帯員全員が、町税や水道料などの公金を滞納していないこと。
事業所の場合
- 辰野町内に事業所を有している法人または個人事業主であること。
- 町税等を滞納していないこと。
■ ポイント
個人の場合、転入予定の方も対象になり得ますが、実績報告時には住民票を辰野町に移している必要があります。移住に伴うリフォームなどで活用する場合はタイミングに注意しましょう。
申請から交付までの5ステップ
手続きは大きく分けて「交付申請」と「実績報告」の2段階があります。着工前に申請が必要な点に注意してください。
Step 1:事前準備・見積もり取得
導入する設備を決定し、施工業者から見積書を取得します。この際、設備の仕様(型番や能力など)がわかるカタログや仕様書も用意してもらいましょう。
- 重要: 補助対象経費(税抜)を明確にする必要があります。
Step 2:交付申請書の提出
工事に着手する前に、辰野町役場へ申請書を提出します。
Step 3:審査・交付決定
町が申請内容を審査し、問題がなければ「交付決定通知書」が届きます。この通知を受け取ってから、契約・発注・工事を行ってください。
注意:交付決定前に契約や着工をしてしまうと、補助金の対象外となる可能性があります。必ず決定通知を待ってから行動してください。
Step 4:工事実施・支払い
設備を設置し、業者への支払いを完了させます。領収書や設置後の写真は実績報告で必要になるため、必ず保管・撮影してください。
Step 5:実績報告・請求
事業完了後、速やかに実績報告書を提出します。
申請方法:窓口またはオンライン
辰野町では、従来の紙による申請に加え、利便性の高いオンライン申請も導入しています。
1. 窓口・郵送申請
書類を作成し、役場へ持参または郵送します。
提出先:
〒399-0493 長野県上伊那郡辰野町中央1番地
辰野町役場 総務課 ゼロカーボン推進室
2. オンライン申請
「ながの電子申請サービス」を利用して、自宅やオフィスから申請が可能です。24時間受け付けており、役場に行く時間がない方におすすめです。
採択されるための重要ポイントと注意点
補助金を確実に受給するために、以下の点に留意して準備を進めてください。
1. 書類の不備をなくす
最も多いトラブルは書類の不備です。特に見積書の宛名、日付、内訳(一式ではなく詳細な明細)が正確か確認してください。また、写真は「設置前」と「設置後」の比較ができるアングルで撮影することが望ましいです。
2. 目的の明確化
申請書には、設備の導入がいかにCO2削減に寄与するかを記載する欄がある場合があります。「古いエアコンを最新の省エネモデルに換えることで消費電力を〇〇%削減する」といった具体的な効果を意識しましょう。
3. 予算の上限に注意
補助金には予算枠があります。申請期間内であっても、予算額に達した時点で受付が終了する場合があります。検討中の方は、早めの申請をおすすめします。
全国に広がるゼロカーボン推進の動き
辰野町だけでなく、日本全国の自治体が2050年のカーボンニュートラル実現に向けて独自の補助金制度を展開しています。これは国全体の大きな潮流であり、各地域で特色ある支援が行われています。
例えば、以下のような自治体でも活発な取り組みが見られ、多くの市民が「ゼロカーボン推進補助金」について情報を求めています。
- 久喜市 ゼロカーボン推進補助金: 埼玉県久喜市では、住宅用省エネ設備の導入に対して手厚い補助を行っており、首都圏のベッドタウンとして環境配慮型住宅の普及に力を入れています。
- 越谷市 ゼロカーボン推進補助金: 同じく埼玉県の越谷市でも、太陽光発電や蓄電池に加え、断熱リフォームなどへの支援策が注目されています。
- 向日市 ゼロカーボン推進補助金: 京都府向日市では、狭小地が多い地域特性に合わせ、効率的なエネルギー利用を促進する補助メニューが用意されています。
- 新座市 ゼロカーボン推進補助金: 埼玉県新座市も、市民の環境意識向上とともに、再エネ設備の導入支援を積極的に行っています。
- 枚方市 ゼロカーボン推進補助金: 大阪府枚方市では、事業者向けの省エネ診断や設備更新補助など、産業界と連携した脱炭素化が進められています。
このように、地域によって補助対象や金額、条件は異なりますが、「脱炭素社会の実現」という目的は共通しています。辰野町の制度も、こうした全国的な先進事例に並ぶ充実した内容となっています。
よくある質問(FAQ)
Q. すでに工事を始めてしまいましたが、今から申請できますか?
A. 原則として、着工後の申請は認められません。必ず工事契約や着工の前に交付申請を行い、決定通知を受けてから進めてください。
Q. 太陽光発電と蓄電池を同時に設置する場合、両方の補助金をもらえますか?
A. はい、対象要件を満たしていれば、それぞれの設備について補助金を受け取ることができます。例えば住宅の場合、太陽光(最大50万円)+蓄電池(10万円)で合計60万円の補助となる可能性があります。
Q. 中古品やリース契約の設備は対象になりますか?
A. 基本的に新品の設備を購入・設置する場合が対象です。中古品は対象外となることが一般的です。リース契約については、所有権の所在などの条件により異なる場合があるため、事前に担当窓口へご相談ください。
Q. 辰野町外の業者に工事を依頼しても大丈夫ですか?
A. 施工業者の所在地に関する制限は明記されていませんが、地域経済活性化の観点やアフターメンテナンスの利便性を考えると、町内または近隣の業者への依頼が推奨されるケースが多いです。ただし、補助金の要件としては町外業者でも申請可能な場合がほとんどです。
Q. 申請書類の書き方がわかりません。相談先はありますか?
A. 辰野町役場 総務課 ゼロカーボン推進室にて相談を受け付けています。不明点がある場合は、自己判断せずに事前に問い合わせることを強くおすすめします。
まとめ:今こそゼロカーボンへの第一歩を
令和7年度の辰野町ゼロカーボン推進補助金は、環境への配慮と家計の節約を両立させるための強力な支援ツールです。最大150万円という手厚い補助額は、導入を迷っている方にとって大きな後押しとなるでしょう。
エネルギー価格が不安定な現代において、自宅でエネルギーを作り、貯め、効率よく使う体制を整えることは、将来への安心にもつながります。「2050ゼロカーボンたつの」の実現に向けて、ぜひこの機会に設備の導入をご検討ください。
申請期限は令和8年3月31日までですが、予算消化の状況により早期終了の可能性もあります。まずは見積もりを取り、計画を立てることから始めましょう。
■ お問い合わせ先
辰野町役場 総務課 ゼロカーボン推進室
電話番号:0266-41-1111
メールアドレス:soumu@town.tatsuno.lg.jp
受付時間:平日 8:30~17:15