制度の概要
三重県では、県内産業を支える人材の確保と若者の県内定着を促進するため、日本学生支援機構の奨学金を借り入れている学生や既卒者を対象に、返還額の一部を助成する「地域と若者の未来を拓く学生奨学金返還支援事業」を実施しています。この制度は、将来的に三重県内に居住し、就業することを条件に、最大で100万円の支援を受けられる非常に手厚い施策です。
特に2025年(令和7年度)募集分については、学生だけでなく、県外に居住する既卒者(U・Iターン希望者)も対象となっており、幅広い層が活用できる内容となっています。本記事では、申請期限である令和7年12月19日に向けて、制度の詳細、助成金額の計算方法、申請手順、そして採択率を高めるためのポイントについて詳しく解説します。
■ 制度のキーポイント
- 最大100万円の奨学金返還支援
- 学生だけでなく既卒者(35歳以下)も対象
- 助成金は就業後4年目と8年目に分割交付
- 南部地域への就業・居住希望者は優先枠あり
- 申請締切は令和7年12月19日(厳守)
支援金額と交付の仕組み
本事業の最大の特徴は、助成金が単なる一時金ではなく、長期的な定着を支援するために分割で交付される点にあります。助成金額の算出方法と交付スケジュールを正しく理解し、長期的なライフプランを立てることが重要です。
助成金額の算出方法
助成金額は、対象となる奨学金の借入総額や残額に基づいて算出されます。上限は100万円ですが、実際の借入額によって変動します。
| 対象者 | 助成金額の計算式 |
|---|
学生 (大学・大学院・短大・高専・専門学校) | 在学中に借り入れた奨学金総額の 1/4 以内 (上限100万円) |
既卒者 (県外居住・県内就業希望) | 認定申請時の奨学金返還残額の 1/4 以内 (上限100万円) |
例えば、大学4年間で合計400万円の奨学金を借り入れた場合、その4分の1にあたる100万円が助成対象額となります。借入額が200万円の場合は、50万円が助成対象額となります。
交付スケジュール(定着促進の仕組み)
認定された助成金は、就業してすぐに全額受け取れるわけではありません。三重県内での定着を促すため、一定期間の居住と就業を継続した後に交付される仕組みとなっています。
| 時期 | 交付割合 | 条件 |
|---|
| 就業4年経過後 | 助成予定額の 1/3 | 4年間継続して県内に居住・就業していること |
| 就業8年経過後 | 助成予定額の 残額(2/3) | 8年間継続して県内に居住・就業していること |
注意:途中で県外へ転出したり、離職して要件を満たさなくなった場合、それ以降の助成金は交付されません。また、これは「返還の肩代わり」ではなく、本人が返還した実績に対して後から補助が出る形式、あるいは返還資金として交付される形式となるため、毎月の返済自体は継続する必要があります。
1. 学生の方
現在、学校に在籍している方が対象です。就職活動の時期に合わせて申請を行うことが想定されています。
- 対象校種:大学院、大学、短期大学、高等専門学校、専修学校(専門課程)。
- 学年要件:正規の修業年限の「最終学年」または「最終学年の1年前の学年」に在籍していること。
(例:4年制大学であれば3年生または4年生) - 居住地:県内・県外を問いません。
2. 既卒者の方
既に学校を卒業し、社会人経験がある方や求職中の方も対象ですが、居住地に関する制限があります。
- 居住地要件:申請時点で三重県外に居住していること。
- 就業状況:申請時点で三重県内で就業していないこと。
- 目的:三重県内への移住(居住)および就業を希望していること。
共通要件
学生・既卒者ともに満たす必要がある共通の要件です。
- 年齢制限:令和8年3月31日時点で35歳以下であること。
- 対象奨学金:日本学生支援機構の第一種奨学金(無利子)または第二種奨学金(有利子)。
- 就業先:三重県内に事業所(本社、支店、工場等)を有する企業・団体等、または県内での個人事業主としての開業。
- 公務員等:国や地方公共団体の公務員(正規職員)への就業は対象外です。
■ 対象外となるケース
・公務員としての就業を希望する場合
・暴力団関係法人や風俗営業等関係法人への就業
・既に三重県内に住んでいる既卒者
・既に三重県内で働いている既卒者
南部地域優先枠について
三重県では、特に人口減少が進む南部地域への移住・定住を強化するため、「南部地域優先枠」を設けています。定員を超えて応募があった場合、この地域への居住・就業を希望する申請者が優先的に採択される可能性があります。
対象となる13市町:
- 伊勢市
- 尾鷲市
- 鳥羽市
- 熊野市
- 志摩市
- 大台町
- 玉城町
- 度会町
- 大紀町
- 南伊勢町
- 紀北町
- 御浜町
- 紀宝町
これらの地域は、豊かな自然環境、水産業や林業、観光業などが盛んなエリアです。ライフスタイルとして「自然に近い暮らし」や「地域貢献」を重視する方にとっては、優先枠の活用が大きなチャンスとなります。
申請手続きの流れ
申請は、以下の4つのステップで進行します。締切直前は混み合う可能性があるため、余裕を持った準備をおすすめします。
| ステップ | 内容 |
|---|
STEP 1 要件確認 | 募集要項を熟読し、自身が対象者(学生・既卒者)の要件を満たしているか、希望する就業先や居住地が条件に合致するかを確認します。 |
STEP 2 書類準備 | 申請書や証明書類を取得・作成します。特に奨学金貸与証明書などは発行に時間がかかる場合があるため、早めに手配しましょう。 |
STEP 3 申請提出 | 令和7年12月19日(木)までに提出します。 方法は「三重県電子申請システム」「郵送」「持参」のいずれかです。 ※郵送の場合は当日消印有効か必着か、要項で最終確認してください(通常は期限日必着が多いですが、余裕を持つことが重要です)。 |
STEP 4 審査・結果 | 県による審査が行われます。定員を超える場合は抽選となる可能性があります。結果は令和8年2月中旬頃に通知される予定です。 |
■ 書類作成のコツ
特に「居住・就業意欲」に関する記述欄がある場合、具体的かつ熱意を持って記入することが重要です。単に「補助金が欲しいから」ではなく、「三重県の〇〇という産業に貢献したい」「〇〇市で生活基盤を築きたい」といった具体的なビジョンを示すことで、審査員への説得力が増します。