地震発生時におけるブロック塀等の倒壊は、通行人の安全を脅かすだけでなく、避難路を塞ぐことで救助活動の妨げとなる重大なリスク要因です。こうした事故を未然に防ぐため、多くの自治体では危険なブロック塀等の撤去費用を一部助成する制度を設けています。本記事では、東京都江東区、静岡県浜松市、福島県いわき市などの最新事例(2025年度/令和7年度)を基に、助成金の仕組み、申請条件、手続きの流れを徹底解説します。最大30万円程度の補助を受けられるこの制度を活用し、安心安全なまちづくりに貢献しましょう。
この記事でわかること
- ブロック塀撤去助成金の基本的な仕組みと補助金額の相場
- 江東区・浜松市・いわき市・神戸市などの具体的な助成事例
- オンライン申請や事前協議など、自治体ごとの手続きの違い
- 申請前に絶対にやってはいけない「契約・着工」の注意点
ブロック塀等撤去助成事業の概要・ポイント
ブロック塀等撤去助成事業は、地震による倒壊被害を防止し、道路の安全性を確保するために、個人の敷地内にある危険なブロック塀を撤去する費用の一部を自治体が補助する制度です。特に通学路や緊急輸送道路に面した塀は優先的に助成対象となります。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 自治体により異なる(上限10万円〜30万円程度が一般的)
- 補助率: 工事費用の1/2〜2/3程度
- 対象者: ブロック塀の所有者(個人・法人・管理組合)
- 必須条件: 工事契約・着工前の申請が絶対条件
対象者・申請要件の詳細
対象となるブロック塀の条件
助成の対象となるブロック塀は、主に「道路に面していること」と「高さ」が基準となります。隣地境界(お隣さんとの間の塀)にある塀は、倒壊しても道路を塞がないため、通常は対象外となります。
対象となる申請者
原則として、ブロック塀等がある土地または建物の所有者が対象です。
- 個人: 住民税を滞納していないこと。
- 法人: 中小企業等も対象となる場合が多いですが、法人住民税の納税証明が必要です。
- 管理組合: マンション等の場合、総会での決議(議事録)が必要になるケースが一般的です。
補助金額・補助率の詳細
補助金額は、単純に「工事費の○%」で決まるわけではありません。多くの自治体では、以下の2つの金額を比較して低い方を助成額として採用します。
- 実際に撤去工事にかかる費用(見積額) × 補助率
- 撤去する塀の長さ(m) × 自治体が定める基準単価(例:1万円/m)
最大補助金額(例)
10〜30万円
※自治体により異なる
一般的な補助率
1/2 〜 2/3
※千円未満切り捨て等あり
【2025年最新】主要自治体の助成内容比較
ここでは、特徴的な助成制度を持つ5つの自治体(江東区、浜松市、いわき市、神戸市、荒川区)の事例を紹介します。お住まいの地域の制度と照らし合わせる際の参考にしてください。
1. 東京都 江東区(令和7年度)
江東区では、地震時の通行人の安全確保を目的として、区内の危険なブロック塀等の撤去費用を助成しています。
- 受付期間: 令和7年4月1日〜1月末(完了届は2月末まで)
- 補助上限: 25万円
- 対象要件: 高さ1.2m以上、道路に面していること
- 特徴: 「全部撤去」が基本条件。地盤面より上の部分を全て撤去する必要があります。
- 窓口: 都市整備部 安全都市づくり課(03-3647-9764)
2. 静岡県 浜松市(オンライン申請対応)
浜松市は「TOUKAI-0総合支援事業」の一環として、撤去だけでなく安全な塀への新設(改善)も補助対象としている点が大きな特徴です。
- 補助上限: 撤去費20万円 + 新設費25万円(合計最大45万円相当)
- 補助率: 経費の2/3以内
- 対象要件: 高さ80cm以上かつ2段以上
- 特徴: 令和6年4月よりオンライン申請が可能になりました。ただし、事前に市の職員による現地調査を受ける必要があります。
- 注意点: 申請前に事業者と契約すると対象外になります。
3. 福島県 いわき市(事前協議必須)
いわき市では、限られた予算枠(30件程度)で先着順の受付を行っています。申請前の「事前協議」が必須フローとなっています。
- 募集期間: 令和7年5月12日〜11月28日(枠が埋まり次第終了)
- 補助上限: 10万円(または長さ×5,000円の低い方)
- 補助率: 1/2
- 対象要件: 高さ1m以上
- 特徴: 市内に本店・支店を置く業者による施工が条件です。地産地消型の制度と言えます。
4. その他の自治体(神戸市・荒川区)
- 兵庫県 神戸市: 上限30万円と高額。高さ80cm以上が対象。令和7年度は4月1日〜2月28日まで受付。
- 東京都 荒川区: 1メートル当たり16,000円を上限に、費用の2/3を助成。高さ1.2m超が対象。
申請から採択までの流れ(標準モデル)
自治体によって細部は異なりますが、基本的なフローは共通しています。最も重要なのは「交付決定通知が届くまでは契約・着工してはいけない」という点です。
1
事前相談・現地調査
区役所や市役所の窓口で相談します。浜松市のように、市の職員による事前現地調査が必須の場合もあります。いわき市では「事前協議書」の提出が必要です。
2
見積もり取得・交付申請
工事業者から見積書を取得し、申請書、現況写真、案内図などを添えて提出します。江東区では「安全性チェックリスト」の提出も求められます。
3
交付決定通知の受領
審査に通過すると通知が届きます。この通知を受け取って初めて、業者と契約・工事着手が可能になります。
4
撤去工事・完了報告
工事を行い、完了後に「完了届」「工事後の写真」「領収書の写し」などを提出します。期限(多くは2月末頃)厳守です。
5
助成金の請求・振込
完了検査(職員による現地確認)に合格後、確定通知が届きます。その後、請求書を提出し、指定口座に助成金が振り込まれます。
必要書類チェックリスト
申請時に慌てないよう、以下の書類を準備しておきましょう。特に「写真」は撮り直しがきかないため注意が必要です。
よくある質問(FAQ)
Q
DIYで自分で撤去した場合も助成対象になりますか?
多くの自治体では、専門業者による工事(領収書や契約書が存在するもの)を対象としており、DIYは対象外となるケースがほとんどです。また、いわき市のように「市内業者」に限定している場合もあるため、業者選びの際は必ず要綱を確認してください。
Q
撤去後にフェンスを新設する費用は出ますか?
自治体によります。江東区や神戸市などは「撤去」のみが対象ですが、浜松市のように「安全な塀の新設」に対しても補助が出る自治体もあります。また、別の制度(生垣緑化助成など)と併用できる場合もあるので、窓口で「撤去後の設置に対する補助はないか」と尋ねてみることをお勧めします。
Q
隣の家との境界にあるブロック塀は対象ですか?
本制度は「地震時の通行人の安全確保」を主目的としているため、原則として「道路に面している塀」が対象です。隣地境界にある塀は、倒れても道路を塞がないため対象外となることが一般的です。
Q
すでに工事を始めてしまいましたが、今から申請できますか?
残念ながら、ほとんどの自治体で「契約・着工後の申請」は認められていません。必ず工事契約を結ぶ前に申請し、交付決定を受けてください。
Q
ブロック塀の点検はどのように行えばよいですか?
国土交通省が定めるチェックポイント(塀の高さ、厚さ、控え壁の有無、基礎の有無、劣化状況など)を参考にします。江東区や神戸市では、申請時に「安全性チェックリスト」の提出が求められます。不安な場合は建築士などの専門家に相談しましょう。
まとめ
ブロック塀の撤去助成事業は、所有者の経済的負担を減らすだけでなく、地域の防災力を高める重要な制度です。江東区や浜松市、いわき市など、多くの自治体で手厚いサポートが用意されていますが、いずれも「事前申請」が鉄則です。
古いブロック塀を放置することは、地震時に加害者になるリスクを抱えることでもあります。令和7年度(2025年度)の受付期間を確認し、早めに自治体の窓口や専門業者へ相談することをおすすめします。
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免責事項: 本記事の情報は2025年12月時点の入力データに基づいています。各自治体の予算状況により、年度途中でも受付が終了する場合があります。申請前には必ず各自治体の公式ホームページで最新の募集要項をご確認ください。