東京圏(東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県)の大学に通う学生の皆様、地方企業への就職活動にかかる交通費や、就職に伴う引越し費用が補助される制度をご存知でしょうか。「地方就職学生支援事業」は、Uターン・Iターン就職を希望する学生を強力にバックアップする公的な支援制度です。本記事では、沼津市、山口市、群馬県、青森県、尾道市などの最新事例を交えながら、最大13万円程度の補助が受けられるこの制度の仕組み、申請要件、注意点を完全解説します。
この記事でわかること
- 地方就職学生支援事業の仕組みと補助金額(最大13万円)
- 対象となる学生の条件(東京圏キャンパス在学者限定)
- 沼津市・山口市・群馬県・青森県・尾道市の具体的な実施事例
- 申請から交付までの流れと、絶対に忘れてはいけない領収書の保管ルール
この補助金の概要・ポイント
「地方就職学生支援事業」は、内閣府の地方創生推進交付金を活用し、各都道府県や市町村が主体となって実施している制度です。東京圏の大学等を卒業予定の学生が、地方企業の採用面接に参加するための「交通費」や、実際に就職して移住するための「移転費(引越し費用)」を補助します。
自治体によって「就職学生支援金」「地方就職支援金」など名称が異なりますが、基本的なスキームは共通しています。特に2025年(令和7年度)は多くの自治体で受付が行われており、就活生にとって見逃せない制度となっています。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 交通費と移転費あわせて最大13万円程度(自治体により異なる)
- 補助率: 交通費は実費の1/2(上限あり)、移転費は定額または実費(上限あり)
- 対象者: 東京圏(東京・神奈川・千葉・埼玉)のキャンパスに通う大学生・大学院生
- 申請期限: 自治体ごとに設定(例:令和8年1月〜2月末頃まで)
対象者・申請要件の詳細
対象となる学生(移住元要件)
この制度は「東京圏から地方への人の流れ」を作ることが目的であるため、移住元の要件が厳格に定められています。基本的には以下の2点を満たす必要があります。
※「条件不利地域」とは、東京都の檜原村や奥多摩町、埼玉県の秩父市、千葉県の銚子市、神奈川県の箱根町などが該当します。これらを除くエリアが対象です。
就職・移住に関する要件
就職先や働き方についても以下の条件を満たす必要があります。
- 勤務地: 申請先の都道府県内に所在する企業であること。
- 雇用形態: 週20時間以上の無期雇用契約であること。
- 居住意思: 移住先の市町村に5年以上継続して居住する意思があること。
- 就職時期: 卒業後1年以内に就職すること。
- 対象外の就職先: 公務員(一部例外あり)、風俗営業、暴力団関係、3親等以内の親族が経営する企業などは対象外となる場合が多いです。
補助金額・補助率の詳細(自治体別比較)
補助金額は自治体によって大きく異なります。ここでは、代表的な5つの自治体の事例を比較します。多くの自治体で「交通費」と「移転費(引越し代)」の2本立てになっています。
主要自治体の支給額比較表
補助対象経費の詳細
1. 就職活動の交通費
企業の採用面接や選考に参加するために要した、居住地(東京圏)と企業所在地との往復交通費が対象です。多くの自治体で「1回分」のみが対象となります。
2. 移転費(引越し費用)
就職に伴い、東京圏から移住先の市町村へ転居するために引越し業者へ支払った費用が対象です。
経費に関する注意事項
- 領収書は必須: 交通費、引越し費用ともに支払いを証明する書類(領収書、振込明細など)が必ず必要です。宛名は申請者本人である必要があります。
- 企業からの支給分は控除: 就職先企業から交通費や引越し代の補助が出る場合、その金額を差し引いた額が補助対象となります。
- 対象外経費: 敷金・礼金、仲介手数料、家具購入費、自家用車での移動費(ガソリン代)などは原則対象外です。
申請から採択までの流れ
一般的な申請フローは以下の通りです。在学中に交通費の申請を行う場合と、卒業後にまとめて申請する場合でタイミングが異なることがあります。
1
就職活動・内定獲得
地方企業の選考に参加します。この時の交通費の領収書を必ず保管してください。内定(正式内定は10月以降が多い)を獲得します。
2
卒業・移住(引越し)
大学を卒業し、就職先の自治体へ引越します。引越し業者への支払いを済ませ、領収書を受け取ります。住民票の異動も行います。
3
申請書類の準備
交付申請書、内定証明書(企業に作成依頼)、在学/卒業証明書、領収書、本人確認書類などを揃えます。
4
申請書の提出
移住先の市町村窓口へ書類を提出します。郵送やメールでの提出が可能な自治体もあります。
5
審査・交付決定・振込
審査を経て交付決定通知が届きます。その後、請求書を提出し、指定口座に支援金が振り込まれます。
確実に受給するためのポイント・注意点
この制度は要件を満たせば原則支給されますが、書類の不備や期限切れで受給できないケースがあります。
審査で躓かないためのチェックポイント
- 予算上限に注意
多くの自治体で「予算がなくなり次第終了」となります。特に年度末(1月〜3月)は駆け込み申請が増えるため、早めの準備が重要です。 - 5年間の居住意思
申請時に「5年以上住み続ける」という誓約書を提出します。早期に転出した場合、返還を求められることがあります。 - 企業側の証明書
「就業証明書」や「内定証明書」は企業に記入してもらう必要があります。人事担当者に早めに依頼しましょう。 - 事前登録の有無
尾道市のように、県の公式LINEへの事前登録などを要件としている場合があります。募集要項を隅々まで確認してください。
返還が必要になるケース(要注意)
- 全額返還: 申請から1年以内に就職しなかった場合、就職後1年以内に退職した場合、転入から3年未満で転出した場合など。
- 半額返還: 転入から3年以上5年以内に転出した場合。
- 対策: 短期離職や早期転出はリスクとなります。長く働ける企業選びと、定住の意思が固まってから申請することが大切です。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
ケース1:山口市へUターン
補助額 130,000円
東京の大学から山口市のIT企業へ就職。面接時の交通費2万円と、引越し費用11万円の満額を受給。新生活の家具購入費の足しに。
ケース2:青森県へIターン
補助額 125,000円
神奈川の大学院から青森県のメーカーへ就職。交通費実費の半額(上限1.7万円)と引越し費用(上限10.8万円)を活用し、初期費用を大幅に削減。
ケース3:沼津市へ就職
補助額 約72,000円
千葉の大学から沼津市へ。近距離のため交通費は少額だが、引越し費用6.6万円の補助が大きく、スムーズな移住を実現。
よくある質問(FAQ)
Q
住民票を移さずに東京に住んでいましたが対象になりますか?
原則として住民票が東京圏にあることが要件ですが、賃貸契約書や公共料金の領収書などで「実際に東京圏に居住していたこと」を証明できれば対象となる自治体が多いです(例:沼津市、山口市など)。詳細は各自治体へお問い合わせください。
Q
実家に戻る場合も引越し費用は出ますか?
引越し業者を利用し、その対価を支払った場合は対象となる可能性がありますが、自家用車での運搬や、業者を利用しない移動は対象外です。また、実家への引越し自体を対象外とする自治体もあるため確認が必要です。
Q
オンライン面接の通信費は対象ですか?
いいえ、対象外です。現地に赴くための「交通費」が対象となります。
Q
公務員への就職は対象ですか?
原則として対象外です。ただし、第三セクターなど一部の法人への就職は対象となる場合があります。
Q
いつまでに申請すれば良いですか?
多くの自治体で、卒業・就職後の1年以内、かつ年度末(1月〜2月)を締切としています。予算上限に達すると早期終了することもあるため、就職が決まったらすぐに自治体の窓口へ相談することをお勧めします。
まとめ
地方就職学生支援事業は、東京圏からのUターン・Iターンを考える学生にとって、経済的な負担を大きく軽減できる制度です。最大13万円程度の支援は新生活のスタートダッシュに役立ちます。
各自治体で細かな要件や締切が異なるため、まずは希望する就職先の自治体が本事業を実施しているか確認し、早めに担当窓口へ問い合わせることを強くお勧めします。
この補助金の申請をお考えの方へ
申請には企業との連携や厳密な書類管理が必要です。不明点は各自治体の移住定住担当課へお気軽にご相談ください。
免責事項: 本記事の情報は2025年(令和7年)時点の各自治体公表情報を基に作成しています。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず各自治体の公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。