京都府亀岡市では、エネルギーの自給自足と脱炭素化を推進するため、自宅に太陽光発電設備や蓄電池などを導入する市民に対して補助金を交付しています。本記事で解説する「令和7年度亀岡市家庭向け自立型再生可能エネルギー(FIT売電不可)導入事業費補助金」は、固定価格買取制度(FIT)を利用しない「完全自家消費型」または「相対契約売電型」の設備導入を支援するものです。FIT制度を利用する場合と比較して補助額が高く設定されており、最大で100万円を超える支援を受けられる可能性があります。電気代高騰対策や災害時の停電対策として導入を検討されている方にとって、非常に有利な制度となっています。
この記事でわかること
- FIT売電不可(非FIT)型の補助金制度の詳細とメリット
- 太陽光・蓄電池・給湯器の組み合わせによる最大補助金額
- 「工事完了後の申請」という特殊な申請フローと注意点
- 審査をスムーズに通すための書類作成のコツと必須要件
この補助金の概要・ポイント
本補助金は、亀岡市が京都府と連携して実施するもので、家庭における「自立型エネルギー」の普及を目的としています。最大の特徴は、国の固定価格買取制度(FIT)の認定を受けないことを条件に、FIT認定を受ける場合よりも手厚い補助額が設定されている点です。太陽光発電で作った電気を売電収益にするのではなく、自宅で使い切る(自家消費)スタイルを推奨しています。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 最大108万4,000円(設備構成による)
- 必須条件: 太陽光発電と蓄電池の同時設置が必須
- FIT制度: 利用不可(非FITでの運用が必要)
- 申請期間: 令和7年5月19日(月)~令和8年1月30日(金)
- 申請方法: 窓口持参のみ(郵送不可)
なお、亀岡市には「FIT売電可」の補助金も存在しますが、そちらは補助単価が低く(太陽光1万円/kWなど)、希望者多数の場合は抽選となります。一方、本記事で紹介する「FIT売電不可」の補助金は、要件が厳しい分、補助額が高く設定されており、自家消費を重視する家庭にとっては非常に魅力的な選択肢となります。
対象者・申請要件の詳細
対象となる個人・住宅
補助金の対象となるのは、亀岡市内に自ら居住する住宅(新築・既築問わず)に、対象設備を新たに導入する個人です。法人や、自ら居住しない賃貸住宅への設置は対象外となるため注意が必要です。
設備の技術要件
導入する設備には、以下の技術的な要件が求められます。特に「自家消費率」と「蓄電池の価格」については、業者選定の段階で必ず確認してください。
- 太陽光発電設備: 発電出力が2kW以上であること。
- 蓄電設備: 容量1kWh以上かつ据置型であること。価格(工事費込・税抜)が12.5万円/kWh以下となるよう努めること。
- 自家消費率: 発電する電力量の30%以上を自宅で消費すること。
- 高効率給湯機器: 従来機器比で30%以上の省CO2効果があるもの(エコキュート等)。
補助金額・補助率の詳細
補助金額は、導入する設備の組み合わせによって異なります。基本となるのは「太陽光+蓄電池」のセットですが、さらに給湯器やコージェネレーションシステムを加えることで補助額が加算されます。
設備ごとの補助単価と上限
組み合わせパターンと補助額例
-
【パターンA】太陽光(4kW) + 蓄電池(6kWh)
太陽光: 4kW × 2万円 = 8万円(上限到達)
蓄電池: 6kWh × 3.4万円 = 20.4万円(上限到達)
合計補助額: 28万4,000円 -
【パターンB】太陽光 + 蓄電池 + 高効率給湯器(60万円)
パターンAの28.4万円 + 給湯器(60万円×1/2=30万円)
合計補助額: 58万4,000円 -
【パターンC】太陽光 + 蓄電池 + コージェネ(160万円)
パターンAの28.4万円 + コージェネ(160万円×1/2=80万円)
合計補助額: 108万4,000円
補助対象経費の詳細
補助金の対象となる経費は、設備の購入費および設置工事費です。ただし、消費税は対象外となります。また、中古品の購入やリース契約は対象とならない場合が一般的ですので、必ず「購入」であることを確認してください。
経費に関する注意事項
- 蓄電池の価格要件: 工事費込み・税抜で1kWhあたり12.5万円以下になるよう努める必要があります。高額すぎる見積もりには注意してください。
- 1,000円未満切り捨て: 算出された補助金額に1,000円未満の端数がある場合は切り捨てとなります。
- 法定耐用年数: 補助金を受けて設置した設備は、法定耐用年数の期間内は勝手に処分できません。
申請から交付までの流れ
本補助金は、原則として「工事完了後の事後申請」となります。一般的な補助金(事前申請)とはフローが異なるため、特に注意が必要です。工事が終わってから申請書類を提出し、審査を経て補助金が交付されます。
1
見積もり・契約・着工
販売店や施工業者と相談し、要件(非FIT、蓄電池価格、自家消費率30%)を満たす設備を選定・契約します。令和7年4月17日以降に着手した事業が対象です。
2
工事完了・支払い
工事を完了させ、代金の支払いを済ませます。この際、設置状況の写真(全景、機器アップ)を必ず撮影し、領収書や内訳明細書を保管してください。
3
申請書類の作成・提出
「補助金交付申請兼実績報告書」等の必要書類を作成します。提出は亀岡市役所 環境政策課(8番窓口)への持参のみで、郵送は不可です。
4
審査・交付決定
市が書類を審査し、問題なければ交付決定通知が届きます。
5
補助金の請求・入金
交付決定後、請求書を提出することで指定口座に補助金が振り込まれます。
※事業期間が年度をまたぐ場合(1年以上)に限り、着手前の「事業開始承認申請」が可能です。
採択されるためのポイント・コツ
本補助金は要件を満たせば交付される形式ですが、書類不備や要件未達による不採択を防ぐために以下の点に注意してください。
審査で確実に通るためのポイント
- 自家消費計画の策定
「発電電力消費計画書」にて、発電量の30%以上を自家消費することを計算で示す必要があります。シミュレーションは業者に依頼して正確な数値を出してもらいましょう。 - 蓄電池価格の抑制
1kWhあたり12.5万円以下という目標価格があります。これを超える場合、理由書の提出を求められる可能性があるため、コストパフォーマンスの良い機種を選定することが重要です。 - 写真撮影の徹底
設置後の写真は「機器単体」だけでなく「設置場所の状況(家全体)」も必要です。足場が外れた後の外観写真など、撮り忘れがないようにしましょう。 - 窓口提出のスケジュール確保
郵送不可のため、平日の開庁時間内に市役所へ行く必要があります。期限ギリギリではなく余裕を持って行動しましょう。
よくある失敗・注意点
- FIT認定を取ってしまった → 対策: 本補助金はFIT併用不可です。売電したい場合は相対契約(非FIT売電)を選んでください。
- 領収書の内訳がない → 対策: 太陽光、蓄電池、工事費それぞれの金額がわかる内訳書を必ず業者からもらってください。一式見積もりは不可です。
- 住民票が古い → 対策: 提出時点で3ヶ月以内のものが必要です。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
標準的な戸建住宅
補助額 28.4万円
太陽光4kWと蓄電池6kWhを導入。昼間は太陽光で電気をまかない、余った電気を蓄電池に貯めて夜間に使用。電気代を大幅に削減。
オール電化住宅
補助額 58.4万円
太陽光・蓄電池に加え、エコキュート(高効率給湯器)を導入。給湯にかかるエネルギーも効率化し、環境負荷を最小限に。
二世帯住宅・大型住宅
補助額 108.4万円
太陽光・蓄電池に加え、エネファーム(コージェネ)を導入。電気と熱を同時に作り出し、エネルギーをフル活用する最先端のエコ住宅へ。
よくある質問(FAQ)
Q
FIT売電可の補助金との違いは何ですか?
FIT売電可の補助金は、売電収入を得られる代わりに補助単価が低く設定されています(太陽光1万円/kWなど)。また、希望者多数の場合は抽選となります。一方、本記事のFIT売電不可(非FIT)補助金は、売電収入(FIT単価)を放棄する代わりに補助単価が高く、抽選制ではありません(予算範囲内)。
Q
余った電気は捨てなければなりませんか?
いいえ、捨てなくても大丈夫です。FIT制度(国の固定価格買取)は使えませんが、電力会社や新電力会社と個別に契約を結んで余剰電力を売電すること(相対契約)は可能です。ただし、自家消費率30%以上という要件は満たす必要があります。
Q
申請は郵送でも可能ですか?
いいえ、郵送は不可です。必ず亀岡市役所1階 環境政策課(8番窓口)へ直接持参する必要があります。訂正印として印鑑(認印可、朱肉使用のもの)を持参することをお勧めします。
Q
京都府の補助金も別に申請が必要ですか?
いいえ、別途申請は不要です。亀岡市のこの補助金には、京都府の補助金分も含まれています。市に申請することで、府と市の補助金を合算した額が交付されます。
Q
マンションに住んでいますが対象になりますか?
原則として戸建住宅が対象です。要件に「建築物の総床面積の2分の1以上が居住の用に供されているもの」とありますが、アパート・マンション・共同住宅などは不可と明記されている場合が多いため、事前に環境政策課へ確認することをお勧めします。
まとめ
亀岡市の「家庭向け自立型再生可能エネルギー(FIT売電不可)導入事業費補助金」は、これから太陽光発電と蓄電池をセットで導入し、自家消費中心の生活を目指す方にとって非常に有利な制度です。FIT売電収入はありませんが、その分初期費用を大幅に抑えることができます。
申請期限は令和8年1月30日までですが、予算には限りがあるため、早めの検討と工事着手が鍵となります。まずは信頼できる施工業者に見積もりを依頼し、自家消費シミュレーションを行ってみましょう。
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免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年5月時点の公募情報)のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず亀岡市公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。