金沢市では、昨今のエネルギー価格高騰による農業経営への影響を緩和するため、農業水利施設(ポンプ場や排水機場など)の電気料金負担を軽減する「金沢市農業水利施設電気料金高騰特別対策支援金」の公募を行っています。本制度は、令和7年(2025年)夏の電気使用量に応じて、最大30万円(低圧・高圧各区分)を支援するものです。対象となる農業団体や土地改良区の皆様は、要件を確認し、期限内に申請を行うことで運営コストの削減が可能です。
この記事でわかること
- 支援金の具体的な計算方法と上限額
- 対象となる農業水利施設と団体の条件
- 石川県の類似補助金との併用ルール
- 申請に必要な書類と記入のポイント
この補助金の概要・ポイント
「金沢市農業水利施設電気料金高騰特別対策支援金」は、農業生産の基盤である水利施設の維持管理コストが増大している現状を踏まえ、特に電力需要が高まる夏季(7月~9月請求分)の電気料金上昇分の一部を市が支援する制度です。定額給付ではなく、実際の電気使用量(kWh)に基づいて支援額が算出される仕組みとなっています。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 電気使用量1kWhあたり0.5円~1.2円を乗じて算出(上限30万円)
- 対象期間: 令和7年7月~9月請求分の3か月間
- 対象者: 金沢市内の農業水利施設を管理する土地改良区、農業協同組合、水利組合等の団体
- 申請期限: 2026年1月31日まで
本制度の最大の特徴は、国の電気・ガス価格激変緩和対策事業など、既存の支援策とは別に、市独自の上乗せ支援として機能する点です。ただし、石川県が実施する同様の支援制度との重複申請には制限があるため、申請時には注意が必要です。
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者
本支援金の対象となるのは、金沢市内において農業水利施設(かんがい排水施設等)を適正に管理・運営している団体です。個人農家が単独で所有する施設ではなく、地域や組織で共同管理している施設が主な対象となります。
補足: 対象となる契約種別には、低圧電力、従量電灯、農事用電力などが含まれますが、定額制供給の契約は対象外となります。使用量(kWh)に応じて課金される契約であることが前提です。
補助金額・計算方法の詳細
支援金額は、対象期間(令和7年7月~9月請求分)の電気使用量(kWh)に、月ごとに定められた単価を乗じて算出します。低圧電力と高圧電力で単価設定が異なります。
支援金額の計算式
【低圧電力の場合】
- 7月請求分:使用量(kWh) × 1.00円
- 8月請求分:使用量(kWh) × 1.20円
- 9月請求分:使用量(kWh) × 1.00円
※低圧電力、従量電灯、農事用電力などが該当します。
【高圧電力の場合】
- 7月請求分:使用量(kWh) × 0.50円
- 8月請求分:使用量(kWh) × 0.60円
- 9月請求分:使用量(kWh) × 0.50円
計算例:
低圧電力で7月に10,000kWh、8月に12,000kWh、9月に8,000kWh使用した場合
(10,000×1.0) + (12,000×1.2) + (8,000×1.0) = 10,000 + 14,400 + 8,000 = 32,400円 の支援となります。
補助対象経費の詳細
対象となる電力契約
経費に関する注意事項
- 二重申請の禁止:「石川県土地改良区電気料金高騰対策事業補助金」など、国や県、市の他の電気料金支援の対象となった部分については、本支援金の対象外となります。
- 合算の注意:他の支援を受けた電気料金がある場合は、その電気使用量を合算せずに除外して申請額を計算してください。
申請から採択までの流れ
申請は1団体につき1回限りとなります。対象期間(7~9月請求分)の請求書がすべて揃ってから、まとめて申請を行います。追加申請はできないため、漏れがないよう注意してください。
1
電気料金請求書の受領・保管
令和7年7月、8月、9月請求分の電気料金請求書(または電気使用量がわかる検針票など)を確実に保管します。
2
申請書類の作成
「申請書(様式1)」および「申請額計算書(様式2)」を作成します。様式2には月ごとの使用量を転記し、支援額を算出します。
3
申請書の提出
必要書類(申請書、計算書、請求書、電気使用量のわかる書類の写し)を添えて、金沢市長(農業基盤整備課)へ提出します。
4
審査・交付決定
市による審査が行われ、適正と認められれば交付決定通知書が送付されます。
5
支援金の振込
指定した金融機関口座に支援金が振り込まれます。千円未満は切り捨てとなります。
採択されるためのポイント・コツ
本支援金は要件を満たせば原則として交付される性質のものですが、書類不備や計算ミスによる返戻を防ぐため、以下のポイントを押さえておきましょう。
スムーズな申請のためのポイント
- 使用量データの正確な転記
請求書に記載された「使用電力量(kWh)」を正確に転記してください。金額ではなく使用量が計算の基礎となります。 - 請求月の確認
「使用期間」ではなく「請求月」が基準です。令和7年7月分、8月分、9月分の請求書を用意してください。 - 口座情報の整合性
申請者名義と振込先口座名義が一致していることを確認してください。団体名義の口座が必要です。 - 重複チェック
県の補助金対象となっている施設が含まれていないか、事前に事務局内で確認を行ってください。
よくある失敗・注意点
- 失敗例1: 1回で申請しなかった → 対策: 3か月分の請求書が揃ってからまとめて申請してください。追加申請はできません。
- 失敗例2: 定額制の契約を含めてしまった → 対策: 定額電灯などは対象外です。従量制の契約のみを抽出してください。
- 失敗例3: 千円未満の端数を記入した → 対策: 支援金額の算定では千円未満は切り捨てとなります。様式2の計算式に従ってください。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
土地改良区
約30万円受給
大規模な排水機場を管理。夏の台風シーズンに稼働が増加し、電気代が高騰。低圧・高圧それぞれの契約分で上限近くまで申請し、維持管理費の赤字補填に活用。
水利組合
約5万円受給
集落の農業用ポンプ数台を管理。農事用電力B契約で、かんがい期の電気代負担が増加していたため申請。組合費の徴収額を上げることなく運営を維持。
農業法人
対象外の可能性
自社農場専用の井戸ポンプ等の場合、地域共同管理の「農業水利施設」に該当するか確認が必要。単独利用の場合は対象外となるケースもあるため事前相談を推奨。
よくある質問(FAQ)
Q
石川県の電気料金補助金と併用できますか?
原則として、同一の電気料金に対して県と市の補助金を二重に受け取ることはできません。県の補助対象となった電気料金については、本支援金の申請から除外する必要があります。どちらを申請すべきか、あるいは対象施設を分けるかなど、事前に検討してください。
Q
個人の農家ですが申請できますか?
本支援金は、土地改良区や水利組合などの「団体」が管理する農業水利施設を対象としています。個人名義の契約であっても、実質的に地域の共同施設として管理されている場合は対象となる可能性がありますが、個人の営農のみに使用する施設は対象外となる可能性が高いです。詳細は金沢市農業基盤整備課へお問い合わせください。
Q
申請期限はいつまでですか?
申請期限は2026年(令和8年)1月31日までとなっています。ただし、対象となるのは令和7年7月~9月請求分の電気料金ですので、書類が揃い次第、早めの申請をおすすめします。
Q
低圧と高圧の両方の施設を持っていますが、合算できますか?
はい、可能です。申請額計算書(様式2)には低圧電力と高圧電力それぞれの計算欄があり、それらを合計して申請することができます。ただし、それぞれに上限額(30万円)が設定されている点にご注意ください。
Q
消費税は支援金の対象になりますか?
本支援金は電気使用量(kWh)に基づいて算出されるため、支払った電気料金の消費税額は直接計算には含まれません。また、受け取った支援金自体は一般的に消費税の不課税取引となりますが、税務上の処理については税理士等にご確認ください。
まとめ
金沢市農業水利施設電気料金高騰特別対策支援金は、エネルギー価格高騰に直面する農業団体にとって貴重な支援策です。令和7年夏の電気使用量に応じて最大30万円(区分ごと)が支給されます。申請には請求書の保管と正確な使用量の集計が不可欠です。
期限は2026年1月までと余裕がありますが、年度末の繁忙期を避けるためにも、対象期間(9月請求分)終了後は速やかに準備を進めましょう。県の補助金との重複に注意しつつ、漏れなく活用して施設の維持管理コストを削減してください。
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免責事項: 本記事の情報は作成時点のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。