海外ビジネスにおいて、技術情報や顧客リストなどの「営業秘密」を守ることは企業の存続に関わる重要課題です。特に海外拠点では、人材の流動性や商習慣の違いから情報漏えいリスクが高まります。本記事では、ジェトロ(日本貿易振興機構)が提供する「海外における営業秘密漏えい対策支援事業」について詳しく解説します。中国、タイ、ベトナム、インドネシアに拠点を持つ日本企業を対象に、専門家によるコンサルテーションや研修を無料で受けられる貴重な機会です。先着順で枠が限られているため、早めの確認をおすすめします。
この記事でわかること
- ジェトロによる無料の営業秘密管理支援の内容
- 中国・タイ・ベトナム・インドネシア拠点の対象要件
- 申請から専門家派遣までの具体的な流れ
- 採択されるためのポイントと注意点
この支援事業の概要・ポイント
本事業は、日本企業の海外拠点(中国、タイ、ベトナム、インドネシア)における営業秘密管理体制の導入・強化を支援するものです。現地の法制度や商習慣に精通した専門家が、企業の状況に合わせてコンサルテーションや研修を実施します。最大の特徴は、これらの専門家サービスが「無料」で受けられる点です。
この事業の重要ポイント
- 支援内容: 専門家によるコンサル・研修(1社1カ国あたり最大23時間)
- 費用: ジェトロへの支払いは無料(対策導入の実費は自己負担)
- 対象国: 中国、タイ、ベトナム、インドネシア
- 採択件数: 計15件程度(先着順で決定)
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者
本事業は、対象国にすでに拠点を持っている企業だけでなく、進出を予定している企業も対象となります。ただし、営業秘密管理体制の整備に積極的に取り組む意思があることが前提です。
支援内容・メリットの詳細
本事業は金銭的な補助金ではなく、専門家によるサービス提供(現物給付)の形をとります。通常、現地の弁護士や専門コンサルタントに依頼すれば高額な費用がかかる業務を、ジェトロの費用負担で利用できる点が最大のメリットです。
支援規模
最大23時間
専門家派遣・研修(1社1カ国あたり)
支援対象となるサービス範囲
無料で利用できるサービス
費用に関する注意事項
- 専門家のアドバイスに基づいて実際に機器を導入したり、システムを改修したりする費用は企業の自己負担となります。
- 本事業はあくまで「専門家の知見」を提供するものであり、設備投資資金を補助するものではありません。
申請から支援実施までの流れ
申請はメールで行います。先着順で審査が進むため、準備ができ次第、早めの提出が推奨されます。
1
申請書提出
ジェトロ公式サイトから所定の申請書をダウンロードし、必要事項を記入・押印の上、PDF化してメール(CHIZAI@jetro.go.jp)で提出します。
2
採択審査・決定
ジェトロによる審査が行われ、採択が決定します。申し込み順に審査が進められ、予定件数(15件程度)に達し次第締め切られます。
3
事前資料提出・面談
「保有情報リスト」や「情報管理体制セルフチェックシート」を提出し、専門家との面談で具体的な支援内容を決定します。
4
コンサルテーション・研修実施
決定したプランに基づき、専門家によるコンサルティングや社員研修を実施します。
5
フォローアップ
支援終了後、フォローアップ面談を行い、今後の課題や対策の定着状況を確認します。
採択されるためのポイント・コツ
本事業は競争的な審査というよりは、要件を満たした企業を順次支援する形式です。そのため、スピードと要件適合性が鍵となります。
審査で高評価を得るポイント
- 早期申請
先着順(計15件程度)のため、公募開始後すぐに申請することが最も重要です。 - 課題意識の明確化
「何から手を付けていいかわからない」という段階でも申請可能ですが、現状の不安点や守りたい情報を整理しておくとスムーズです。 - 経営層のコミットメント
営業秘密管理は現場だけでなく経営判断が必要です。会社として積極的に取り組む姿勢を示すことが重要です。 - ジェトロ登録の完了
応募条件にある「お客様情報登録」を事前に済ませておきましょう。
よくある失敗・注意点
- 定員オーバーによる締切 → 対策: 公募期間終了日を待たず、発見次第すぐに申請準備を始める。
- 対象国外の拠点での申請 → 対策: 本事業は中国、タイ、ベトナム、インドネシア限定です。他国は対象外となるため注意してください。
- 丸投げの姿勢 → 対策: 専門家はアドバイスを行いますが、実際のルール作りや運用は企業主体で行う必要があります。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
事例1:初心者向け
体制構築の第一歩
「何から始めればいいかわからない」企業に対し、現状のアセスメントを実施。雇用契約や就業規則、秘密保持契約のひな形作成を支援し、最低限必要な法的ガードを固める。
事例2:意識改革
従業員教育の徹底
体制は整備済みだが運用に不安がある企業に対し、現地従業員向けの研修を実施。現地語での講義を通じて、ワーカーレベルまで情報管理の重要性を浸透させる。
事例3:物理対策
現場チェックと改善
工場やオフィスに専門家が訪問(またはオンライン確認)し、物理的な管理体制をチェック。USBの持ち込み制限や書類の保管方法など、具体的な改善案を提示する。
よくある質問(FAQ)
Q
対象国(中国、タイ、ベトナム、インドネシア)以外は支援対象になりますか?
いいえ、本事業は上記4カ国・地域に限定されています。その他の国については、ジェトロの「海外ミニ調査サービス」や「中小企業等海外侵害対策支援事業」などが活用できる場合がありますので、別途お問い合わせください。
Q
まだ現地法人がなく、これから進出予定の段階でも申請できますか?
はい、可能です。日本国内の法人で、対象国に現地法人・工場・駐在員事務所を有することを「予定している」企業も対象となります。進出前の準備段階からリスク対策を行うことは非常に有効です。
Q
専門家のアドバイスで必要になったセキュリティ機器の購入費は補助されますか?
いいえ、機器の購入費やシステムの導入費などの実費は自己負担となります。本事業で無料となるのは、専門家によるコンサルテーションや研修の費用(謝金や旅費等)のみです。
Q
支援期間はいつまでですか?
採択後から2026年2月6日(金曜)までが支援期間となります。この期間内にコンサルテーションや研修を完了させる必要があります。
Q
営業秘密ウェブ診断とは何ですか?
ジェトロが提供する無料のオンライン診断ツールです。自社の営業秘密管理状況を簡易的にチェックできます。本事業の申請前に実施しておくと、課題が明確になりスムーズです。
まとめ
「海外における営業秘密漏えい対策支援事業」は、中国・タイ・ベトナム・インドネシアに進出する日本企業にとって、専門家の知見を無料で活用できる非常に有益な制度です。情報漏えいは一度起きると取り返しがつかない損害をもたらします。コストを抑えつつ、現地の法制度に適合した強固な管理体制を構築する絶好のチャンスです。
本事業は先着順(計15件程度)での採択となります。少しでも関心のある企業様は、今すぐジェトロの公式サイトを確認し、申請準備を進めてください。
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