愛媛県では、海上の公共交通機関として重要な役割を担う航路事業者を支援するため、「令和7年度愛媛県航路事業者省エネ対策等支援事業費補助金」の公募を行っています。燃油価格の高騰や船員不足、コロナ禍からの回復途上にある厳しい経営環境に対応するため、船舶の省エネ化、業務効率化、そして船員確保に向けた取り組みに対して、1隻あたり最大1,000万円(総トン数による)を補助します。本記事では、この補助金の対象要件、補助金額の詳細、申請手続きの流れ、そして採択されるためのポイントについて、専門的な視点から徹底解説します。
この記事でわかること
- 船舶のトン数に応じた最大1,000万円の補助金額の詳細
- 省エネ対策・業務効率化・船員確保の具体的な対象経費例
- 上限額に達するまで繰り返し申請可能な制度の仕組み
- 審査をスムーズに通過するための申請書類作成のコツ
この補助金の概要・ポイント
本事業は、愛媛県内の航路事業者が直面している「燃油高騰」「船員不足」「利用客の減少」という三重苦を解消し、持続可能な海上交通網を維持することを目的としています。単なる赤字補填ではなく、将来に向けた体質改善(省エネ化によるコスト削減、労働環境改善による人材確保)を支援する点が特徴です。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 船舶1隻あたり最大1,000万円(総トン数1,000トン以上の場合)
- 補助率: 1/2以内
- 対象者: 愛媛県内に本社・営業所を持つ一般旅客定期航路事業者
- 申請期限: 令和8年1月31日まで(毎月末締め切り・翌月決定)
- 特徴: 上限額に達するまで複数回の申請が可能
特に注目すべきは、「交付決定金額が補助上限額に達していない場合、当該申請者の補助上限額に達するまでは、繰り返し交付申請を行うことができる」という点です。一度の申請ですべての予算を使い切る必要はなく、計画的に複数の改修や設備導入を進めることが可能です。
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者
本補助金の対象は、愛媛県内を拠点とする旅客航路事業者です。ただし、国の離島航路補助金を受けている事業者や自治体は対象外となるため注意が必要です。
補助金額・補助率の詳細
補助金額の上限は、事業者が保有する船舶の「総トン数」によって区分されています。大型船ほど維持管理コストや改修費用が高額になることを考慮した設定となっています。
船舶の規模別補助上限額
補助上限額は「保有する船舶の数」に「下記の基準額」を乗じた額となります。つまり、複数の船舶を保有している場合、それぞれの船舶について対策を行うことが可能です。
補助対象経費の詳細
本補助金では、大きく分けて「省エネ対策」「業務効率化」「船員確保」の3つのカテゴリーが対象となります。それぞれの目的に資する設備投資や改修費用が認められます。
対象となる経費の具体例
経費に関する注意事項
- 原則として、交付決定後に発注・契約等を行った経費が対象です。
- 事前着手届を提出し承認を受けた場合は、交付決定前の着手も認められる場合があります。
- 消費税及び地方消費税は補助対象経費から除外されます。
申請から採択までの流れ
本補助金は、令和7年4月22日から令和8年1月31日までの期間中、毎月末に申請を締め切り、翌月に審査・交付決定を行うサイクルで運用されます。事業完了期限(令和8年3月2日)を考慮し、余裕を持ったスケジュールで申請しましょう。
1
交付申請書の提出
各月末までに申請書(様式第1号)を提出します。見積書や事業計画書などの添付書類が必要です。
2
審査・交付決定
県による審査が行われ、適当と認められた場合、申請の翌月に交付決定通知が届きます。
3
事業実施
交付決定後に発注・契約を行い、事業を実施します。内容に変更が生じる場合は「変更承認申請」が必要です。
4
実績報告
事業完了日(支払い・納品完了)から10日以内、または令和8年3月2日のいずれか早い日までに実績報告書を提出します。
5
補助金の請求・受領
確定通知を受け取った後、精算払請求書を提出し、補助金が指定口座に振り込まれます。
採択されるためのポイント・コツ
補助金申請において重要なのは、「事業の目的との合致」と「効果の具体性」です。特に本事業は省エネや効率化を目的としているため、数値に基づいた計画が評価されます。
審査で高評価を得るポイント
- 省エネ効果の定量的提示
「燃費が良くなる」だけでなく、「船底清掃により燃費が約○%改善し、年間○○リットルの燃料削減が見込める」といった具体的な数値を算出根拠とともに示しましょう。 - 業務効率化のシナリオ
デジタルサイネージ導入の場合、「車両誘導にかかる人員を1名減らし、その分を安全管理業務に充てることで全体の効率を上げる」など、具体的な運用フローの変化を記述します。 - 船員確保への波及効果
船室改装を行う場合、それがどのように求人活動のアピールポイントになり、採用増につながるかのロジックを明確にします。 - 見積もりの妥当性
適正価格であることを示すため、可能な限り相見積もりを取得し、選定理由を明確にしておくことが望ましいです。
よくある失敗・注意点
- 発注タイミングのミス → 対策: 必ず「交付決定通知」を受け取ってから発注してください。急ぐ場合は事前に「事前着手届」の提出・承認が必要です。
- 事業完了期限の超過 → 対策: 令和8年3月2日までに「支払い」と「納品」の両方を完了させる必要があります。工期が長い修繕は早めの申請が必須です。
- 書類の不備 → 対策: 添付書類(見積書、カタログ、図面等)の漏れがないか、提出前にチェックリストで確認しましょう。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
省エネ対策
船底清掃・塗装
長期間の運航で付着した貝類等を徹底的に除去し、低摩擦塗料を塗布。水の抵抗を減らすことで燃費を約10%改善し、燃油コストを大幅に削減。
業務効率化
デジタルサイネージ
フェリー乗り場に運行状況や車両誘導案内を表示する大型ディスプレイを設置。誘導員の配置を減らし、人手不足に対応しつつスムーズな乗船を実現。
船員確保
船員室のリフォーム
老朽化した船員室を改装し、プライバシーを確保した個室やWi-Fi環境を整備。若手船員へのアピールポイントとし、採用活動を強化。
よくある質問(FAQ)
Q
補助金の上限額に達するまで何度も申請できますか?
はい、可能です。交付決定金額が補助上限額(例:1,000トン以上なら1,000万円)に達していない場合、その残額の範囲内で繰り返し交付申請を行うことができます。計画的に事業を進めることができます。
Q
すでに工事を始めてしまったのですが、申請できますか?
原則として、交付決定前に着手した事業は対象外です。ただし、やむを得ない事情があり、事前に「事前着手届」を提出して承認を受けた場合に限り、対象となる可能性があります。まずは担当窓口へご相談ください。
Q
中古品の購入やリース契約は対象になりますか?
本事業の公募要領には明記されていませんが、一般的に補助金事業では資産形成につながらないリース契約や、性能保証が難しい中古品は対象外となるケースが多いです。詳細は必ず手引きを確認するか、窓口へお問い合わせください。
Q
申請から交付決定までどのくらいかかりますか?
各月末までに受け付けた申請について審査を行い、翌月に交付決定が通知されます。例えば、5月末に申請した場合、6月中に結果が通知されるスケジュール感となります。
Q
消費税は補助対象になりますか?
いいえ、消費税及び地方消費税は補助対象経費から除外されます。税抜きの金額で補助金額を計算する必要がありますのでご注意ください。
まとめ
令和7年度愛媛県航路事業者省エネ対策等支援事業は、燃油高騰や人手不足に悩む航路事業者にとって、経営基盤を強化する絶好の機会です。最大1,000万円の補助に加え、複数回申請が可能という柔軟な制度設計が魅力です。省エネによるコスト削減と、労働環境改善による人材確保の両輪を回すために、ぜひ本補助金を有効活用してください。
申請期限は令和8年1月31日までですが、予算には限りがある可能性があります。早めの計画立案と申請準備をおすすめします。
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免責事項: 本記事の情報は作成時点のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。