山梨県甲斐市では、2050年の脱炭素社会実現に向けた「ゼロカーボンシティ宣言」の一環として、環境性能に優れた住宅の普及を強力に支援しています。「甲斐市省エネルギー住宅等普及促進事業費補助金」は、市内でZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)やLCCM住宅などを新築・購入した方を対象に、最大80万円を定額で補助する制度です。特筆すべきは、国の補助金との併用(上乗せ)が可能である点ですが、本年度をもって制度自体が終了することがアナウンスされています。予算上限に達し次第受付終了となるため、検討中の方は早急な確認が必要です。
この記事でわかること
- ZEHなら20万円、LCCM住宅なら80万円の定額補助の詳細
- 国の補助金(ZEH支援事業など)との併用・上乗せの仕組み
- 令和7年度の予算残額状況と申請のタイムリミット
- 申請に必要なBELS評価書や交付決定通知書の準備方法
この補助金の概要・ポイント
本補助金は、甲斐市内の住宅の省エネ・省CO2化を推進するために設けられました。対象となるのは、高い断熱性能と省エネ設備、そして太陽光発電などの創エネ設備を備えた「ZEH(ゼッチ)」や、さらに環境負荷を低減する「LCCM(ライフ・サイクル・カーボン・マイナス)住宅」です。
最大の特徴は、国の補助事業(戸建ZEH補助金など)の交付決定を受けていること、または第三者機関による認証(BELSなど)を受けていることが要件となっている点です。つまり、国の厳しい基準をクリアした高品質な住宅に対し、市が独自に補助金を上乗せする形となります。
この補助金の重要ポイント
- 補助金額: 最大80万円(LCCM住宅の場合)
- 補助率: 定額補助(住宅性能により20万・60万・80万)
- 対象者: 市内にZEH等を新築・購入した所有者(個人・法人問わず)
- 申請期限: 令和8年2月27日(金)まで ※予算なくなり次第終了
- 注意点: 今年度(令和7年度)をもって制度終了予定
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者・個人
この補助金は、個人だけでなく、要件を満たす建築主であれば法人も対象となり得ますが、主にはマイホームを取得する個人の方の利用が想定されています。以下の要件をすべて満たす必要があります。
対象となる住宅の要件
住宅自体の性能や認証状況についても厳格な要件があります。以下のいずれかを満たす必要があります。
【要件1:国の補助事業を受けている】
以下の国の補助事業により交付決定を受けている住宅
- 戸建住宅ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化等支援事業
- 集合住宅の省CO2化促進事業(ZEH-M支援事業)
- サステナブル建築物等先導事業(省CO2先導型)
【要件2:第三者認証を受けている】
BELS評価書、LCCM住宅認定書等により、ZEH、ZEH-M、LCCM住宅として認証された住宅
さらに、「建築物の事業完了日または引渡しを受けた日の翌日から1年以内の住宅」である必要があります。これは、住宅が完成してからの「事後申請」が可能であることを意味しますが、予算枠があるため実質的には完成後速やかな申請が求められます。
補助金額・補助率の詳細
補助金額は、住宅の種類(性能レベル)に応じた定額制となっています。建築費用の総額に対する割合(補助率)ではなく、一律の金額が支給されます。
住宅タイプ別の補助額一覧
補助対象経費の詳細
本補助金は「定額補助」であるため、個別の領収書を積み上げて経費計算をする必要はありませんが、補助の対象となる行為は「対象住宅の建築または購入」です。
対象となる行為
予算に関する緊急の注意事項
- 予算残額: 令和7年11月17日時点で、予算3,680万円に対し申請済1,980万円(残約1,700万円)。
- 終了予告: 本補助金は今年度をもって終了します。次年度以降の実施予定はありません。
- 事前相談: 令和8年3月末までに完成予定の住宅については、令和7年12月26日までに必ず相談が必要です。
申請から採択までの流れ
本補助金は、住宅の完成・引渡し後に申請を行う「事後申請型」ですが、予算確保の観点から、建築中であっても早めの相談が推奨されます。
1
事前準備・国の補助金申請
ハウスメーカーや工務店と相談し、ZEH等の仕様で契約。国の補助金(ZEH支援事業など)の申請を行い、交付決定を受けます。またはBELS評価等の認証取得手続きを進めます。
2
住宅の建築・完成・引渡し
工事を実施し、住宅を完成させます。引渡しを受け、事業完了となります。この時点で国の補助金の完了報告等も行います。
3
甲斐市への事前相談(重要)
特に年度末(令和8年3月)完成予定の場合は、令和7年12月26日までに甲斐市脱炭素社会推進課へ相談してください。予算状況の確認も兼ねて連絡することをお勧めします。
4
交付申請書の提出
引渡し日の翌日から1年以内、かつ令和8年2月27日までに申請書と添付書類を提出します。予算がなくなり次第終了となるため、完成後速やかに提出してください。
5
交付決定・補助金受領
審査を経て交付決定通知が届きます。その後、請求書を提出し、指定口座に補助金が振り込まれます。
採択されるためのポイント・コツ
本補助金は要件を満たせば原則として交付されるものですが、予算枠と期限の制約が非常に厳しいため、スピード感が命となります。
確実に補助金を受け取るための対策
- 工務店との連携強化
ZEHやLCCMの認定書類(BELS評価書など)は工務店やハウスメーカーが手配します。引渡し時にこれらの書類が即座に手元に来るよう、事前に依頼しておきましょう。 - 予算状況の定期確認
甲斐市のホームページでは受付状況が更新されています。予算残額が少なくなってきたら、まだ工事中であっても市役所に相談し、枠の確保が可能か確認することをお勧めします。 - 事前相談期限の厳守
令和8年3月末までに完成予定の場合、令和7年12月26日までの相談が必須です。これを過ぎると、たとえ要件を満たしていても対象外となる可能性があります。
よくある失敗・注意点
- 国の補助金とのタイムラグ → 対策: 国の補助金の「交付決定通知」や「額の確定通知」が申請に必要になる場合があります。書類が揃う時期を逆算してスケジュールを組みましょう。
- 市税の滞納 → 対策: 申請者本人だけでなく、共有名義人なども含め、市税の滞納がないか事前に確認・完納しておきましょう。
- 5年以内の処分 → 対策: 補助金受領後5年以内に売却や取り壊しを行うと、補助金の返還を求められる場合があります。転勤などの可能性がある場合は注意が必要です。
必要書類チェックリスト
活用事例・想定シーン
戸建住宅(新築)
補助金 20万円
子育て世帯がZEHを新築。国の「子育てエコホーム支援事業(80万円)」と甲斐市の補助金(20万円)を併用し、合計100万円の補助を獲得。
LCCM住宅(新築)
補助金 80万円
環境意識の高い施主がLCCM住宅を選択。国のLCCM住宅整備推進事業(最大140万円)に加え、市の80万円を受給し、初期コストを大幅に削減。
集合住宅(購入)
補助金 60万円
市内のZEH-M(ゼッチマンション)を購入した世帯。マンション購入費用の一部として60万円の補助を受け、新生活の家具家電購入費に充当。
よくある質問(FAQ)
Q
国の補助金と併用できますか?
はい、併用可能です。むしろ、本補助金の要件の一つに「国の補助事業により補助金の交付を受けている住宅」が含まれているため、国の補助金(ZEH支援事業など)との併用が前提の設計となっています。ただし、国側の補助金によっては自治体補助金との併用に関する規定がある場合があるため、念のため確認してください。
Q
申請はいつ行えばよいですか?
原則として、住宅の事業完了日(または引渡し日)の翌日から1年以内に申請します。ただし、本補助金は予算上限に達し次第終了となり、また今年度で制度自体が終了するため、完成後は可能な限り速やかに申請してください。令和8年2月27日が最終期限です。
Q
建築中に予算がなくなりそうです。予約はできますか?
公式には「予約」という制度は明記されていませんが、「現在建築中又は建築予定で令和8年3月末までに完成予定の補助対象住宅は、令和7年12月26日までに必ず相談してください」との案内があります。この事前相談を行うことで、予算枠の調整や確保について案内を受けられる可能性があります。
Q
ZEHとLCCM住宅の違いは何ですか?
ZEHは「住んでいる間のエネルギー収支をゼロにする家」ですが、LCCM住宅はさらに進んで「建設時・居住時・解体時のトータルでのCO2収支をマイナスにする家」です。LCCMの方がより高い環境性能を求められるため、補助金額も高く設定されています。
Q
中古住宅を購入してリフォームした場合も対象ですか?
本補助金は主に「建築(新築)」または「購入(建売等の取得)」を対象としており、リフォーム単体での記述はありません。ただし、ZEH水準への改修で国の補助金を受け、かつ要件を満たす場合は対象となる可能性もゼロではありませんが、基本的には新築・購入向けです。詳細は脱炭素社会推進課へお問い合わせください。
まとめ
甲斐市省エネルギー住宅等普及促進事業費補助金は、ZEHで20万円、LCCM住宅で80万円を受け取れる非常に魅力的な制度です。国の補助金との併用が可能で、家づくりのコストダウンに大きく貢献します。しかし、今年度での終了が決定しており、予算も残り少なくなっています。
これから甲斐市で家を建てる方、現在建築中の方は、令和7年12月26日までの事前相談を忘れずに行い、確実に補助金を受け取れるよう準備を進めてください。
この補助金の申請をお考えの方へ
ZEH・LCCM住宅の認定や申請手続きは専門知識が必要です。まずは信頼できる工務店や専門家にご相談ください。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(令和7年11月17日更新情報に基づく)のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず甲斐市公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。