石川県内で事業承継を検討している中小企業・小規模事業者の皆様へ。令和7年度(2025年度)も「事業承継円滑化補助金」の公募が開始されました。本補助金は、M&Aや親族内承継に伴う専門家への相談・委託費用を最大50万円まで支援する制度です。事業承継は法務・税務・財務など高度な専門知識を要するため、専門家の活用が成功の鍵となります。本記事では、石川県の制度詳細に加え、参考情報として東京都や兵庫県など他地域の支援事例も交えながら、申請のポイントを徹底解説します。
この記事でわかること
- 石川県事業承継円滑化補助金の対象経費と補助率
- 申請から交付決定、実績報告までの具体的なスケジュール
- 採択されるための事業計画書作成のコツ
- 他自治体(東京・兵庫・佐賀)の事例との比較による制度の特徴
この補助金の概要・ポイント
「令和7年度事業承継円滑化補助金」は、公益財団法人石川県産業創出支援機構(ISICO)が実施する制度です。県内企業が持つ優れた技術やノウハウの散逸を防ぎ、次世代への円滑な引き継ぎを支援することを目的としています。特に、第三者承継(M&A)や親族内承継においてネックとなりやすい「専門家への依頼費用」を軽減できる点が大きな特徴です。
この補助金の重要ポイント
- 補助上限額: 50万円
- 補助率: 小規模事業者 2/3、中小企業 1/2
- 対象者: 石川県内の中小企業者(譲渡側・譲受側)
- 公募期間: 令和7年5月12日~令和8年1月31日(随時受付)
本制度は予算の上限に達し次第終了となる「随時受付」方式です。事業承継のタイミングは待ったなしのケースも多いため、早めの計画策定と申請が推奨されます。
対象者・申請要件の詳細
対象となる事業者
補助対象となるのは、以下の要件をすべて満たす事業者です。譲渡側(売り手)と譲受側(買い手・後継者)の双方が対象となり得ますが、石川県内での事業継続が前提となります。
事業実施期間の要件
本補助金では、以下の期間要件を満たす必要があります。特に「事業承継の完了期限」が決まっている点にご注意ください。
- 専門家業務の完了: 令和7年4月1日以降に依頼し、完了すること。
- 事業承継の完了: 令和7年4月1日から令和8年2月28日までの間に完了すること。
補助金額・補助率の詳細
補助金額は一律ではなく、事業規模(小規模事業者か中小企業か)によって補助率が異なります。小規模事業者の方が手厚い支援を受けられる設計となっています。
補助対象経費の詳細
対象となる専門家経費
本補助金は「専門家の活用経費」に特化しています。親族内承継か第三者承継(M&A)かによって、対象となる経費の内容が異なります。
経費に関する注意事項
- 契約書や請求書等の宛名は申請者名と同一である必要があります。
- 令和7年4月1日以降に発生し、完了した経費のみが対象です。
- 成功報酬型の仲介手数料も対象となりますが、補助上限(50万円)を超えた分は自己負担となります。
【参考】他自治体の事業承継支援との比較
事業承継支援は全国的な課題であり、各自治体が独自の補助金制度を設けています。ここでは、東京都、兵庫県、佐賀県の令和7年度の事例を紹介します。石川県の制度と比較することで、それぞれの地域特性や支援の厚さを理解する参考にしてください。
東京都:事業承継支援助成金(令和7年度 第2回)
補助上限:200万円(下限20万円)
補助率:2/3以内(小規模企業の企業価値算定は10/10)
特徴:M&A仲介費用だけでなく、企業価値算定やセルフ・デューデリジェンス、後継者育成のための研修費用なども対象。支援メニューが「Aタイプ(第三者譲渡)」「Bタイプ(後継者承継)」などに細分化されており、規模が大きいのが特徴です。
兵庫県:事業継続支援事業(令和7年度)
補助上限:最大400万円(複数メニュー合計)
補助率:1/2以内
特徴:専門家経費だけでなく、「店舗賃借料(最大100万円)」「建物改修費(最大200万円)」「設備導入費」など、事業承継後の経営基盤強化に直結するハード面の支援が充実している点がユニークです。
佐賀県:中小企業事業承継円滑化支援事業費補助金
補助上限:100万円
補助率:1/2
特徴:「売上確保のための新商品開発」や「生産性向上のための設備投資」を支援。事業承継を契機とした「第二創業」や「経営革新」を後押しする内容となっています。
比較まとめ:石川県の制度は「専門家活用」に特化しており、手続きが比較的シンプルで使いやすいのが特徴です。一方、兵庫県や佐賀県は設備投資なども対象としており、東京都は金額規模が大きい傾向にあります。自社の所在地や目的に合わせて、最適な制度を確認しましょう。
申請から採択までの流れ
石川県の事業承継円滑化補助金は、申請前に支援機関(商工会・商工会議所等)からの確認書取得が必要です。計画的な準備が求められます。
1
事前相談・確認書の発行依頼
石川県事業承継・引継ぎ支援センターや最寄りの商工会・商工会議所に相談し、「支援機関からの確認書(第3号様式)」の発行を受けます。
2
交付申請書の提出
必要書類(申請書、事業計画書、確認書、見積書等)を揃え、ISICO事務局へ原則電子メールで提出します。
3
審査・交付決定
事務局による審査を経て、交付決定通知書が送付されます。これ以降、正式に事業を開始できます(事前着手の場合は規定を確認)。
4
事業実施・承継完了
専門家による支援を受け、令和8年2月28日までに事業承継(登記変更や契約締結)を完了させます。
5
実績報告・補助金交付
事業完了後1ヶ月以内に実績報告書を提出。検査合格後、補助金額が確定し、指定口座に振り込まれます。
採択されるためのポイント・コツ
事業承継補助金は、単に「引き継ぐ」だけでなく、引き継いだ後の事業継続性や発展性が重視されます。
審査で高評価を得るポイント
- 事業承継計画の具体性
「いつ」「誰に」「どのように」引き継ぐかが明確であり、スケジュールに無理がないことが重要です。 - 承継後の経営ビジョン
後継者が事業をどのように発展させるか、雇用の維持や地域経済への貢献度が具体的に描かれていると評価が高まります。 - 専門家選定の妥当性
依頼する専門家がその分野(M&A、税務、法務)で十分な実績を持っているか、見積額が適正かどうかも見られます。相見積もりを取ることをお勧めします。
よくある失敗・注意点
- 期限内に承継が完了しない → 対策: 登記や契約には予想以上の時間がかかります。余裕を持ったスケジュールを組みましょう。
- 必要書類の不備 → 対策: 特に「支援機関からの確認書」は発行に時間がかかる場合があるため、早めに相談に行きましょう。
- 対象外経費の混入 → 対策: 顧問契約料や成功報酬の一部など、補助対象外となる経費が含まれていないか、公募要領を熟読して確認しましょう。
必要書類チェックリスト
よくある質問(FAQ)
Q
申請は郵送でも可能ですか?
原則として電子メールでの提出が推奨されていますが、電子メールでの提出が難しい場合は郵送や持参も可能です。郵送先は石川県産業創出支援機構(ISICO)の経営支援課となります。
Q
能登半島地震の影響で書類が揃わない場合はどうすればよいですか?
令和6年能登半島地震の影響により、確認書の取得や必要書類の準備が難しい場合は、柔軟に対応される可能性があります。まずは事務局(ISICO)までご相談ください。
Q
個人事業主でも申請できますか?
はい、可能です。石川県内に主たる事業所を有する個人事業主も対象となります。また、事業を引き継ぐ創業予定者も対象に含まれます。
Q
補助金はいつ支払われますか?
補助金は「精算払い」です。事業完了後に実績報告書を提出し、検査で確定通知を受けた後、請求書を提出することで支払われます。事前に資金を用意しておく必要があります。
Q
他県の補助金と併用はできますか?
同一の経費に対して、国や他の自治体の補助金を重複して受給することは原則できません。ただし、対象経費が明確に区分されている場合は可能なケースもありますので、詳細は事務局へお問い合わせください。
まとめ
石川県の「令和7年度事業承継円滑化補助金」は、事業承継にかかる専門家コストを最大50万円まで軽減できる貴重な支援制度です。特に小規模事業者は2/3という高い補助率が適用されるため、M&Aや親族内承継を進める大きな後押しとなります。申請期限は令和8年1月31日までですが、予算がなくなり次第終了となるため、早めの行動が重要です。
事業承継は企業の存続だけでなく、地域の雇用や技術を守るためにも不可欠です。本補助金を活用し、円滑なバトンタッチを実現させてください。
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免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年5月)のものです。補助金の内容は変更される場合がありますので、申請前に必ず公式サイトで最新情報をご確認ください。本記事の情報に基づいて行った申請の結果について、当サイトは一切の責任を負いません。