長野県 / 厚生労働省(長野労働局)の詳細情報
【長野県】中小企業向け最大600万円!賃上げ環境整備支援事業の申請ガイド(2025年)
補助金詳細
Details補助金概要
Overview長野県では、中小企業の持続的な賃上げ環境を整備するため、生産性向上に資する設備投資や人材育成を行う事業者を強力にバックアップする『賃上げ環境整備支援事業』を実施しています。国の業務改善助成金との連携や県独自の補助メニューにより、最大600万円規模の支援を受けることが可能です。
この記事でわかること
- 長野県独自の4つの補助金メニューと対象者の違い
- 最大600万円におよぶ国の業務改善助成金との併用方法
- パソコンやスマートフォン、車両が対象となる特例要件
- 採択率を高めるための生産性向上計画の立て方と注意点
賃上げ環境整備支援事業の全体像と4つのメニュー
本事業は、長野県内の中小企業が『賃上げ』と『生産性向上』を同時に実現することを目的としています。事業者の状況に合わせて、以下の4つの補助メニューが用意されています。国の助成金の対象外となるケースでも、県独自の枠組みで救済される仕組みが整っているのが最大の特徴です。
1. 賃上げ環境整備促進補助金(基本型)
国の『業務改善助成金』の対象から外れてしまう事業者を主な対象としています。具体的には、引上げ前の事業場内最低賃金が1,061円以上1,112円未満の事業者が、30円以上の賃上げと設備投資を行う場合に活用できます。
2. 中小企業賃上げ・生産性向上サポート補助金(上乗せ補助)
国の『業務改善助成金』の支給決定を受けた事業者に対し、さらに県が上乗せで補助を行うメニューです。令和7年度の第3期以降に国へ申請した事業者が対象となります。
3. 中小企業賃上げ・生産性向上サポート補助金(経過措置分)
令和7年10月の最低賃金引上げに伴い賃上げを行ったものの、国の助成金申請期限に間に合わなかった事業者のための救済措置です。生産性向上のための取組経費を県が補助します。
4. 賃上げ環境整備促進補助金(人材育成追加型)
上記の補助金(基本型または上乗せ補助)を申請している事業者が、追加で労働者に対してスキルアップ等の人材育成に取り組む場合の経費を補助します。
重要:申請前の注意点
- 補助金の対象となるのは、原則として交付決定後に実施(発注・契約)する取組です。
- 労働者(従業員)がいない事業所は対象外となります。
- 事業場内最低賃金を引き上げた実績(就業規則等の改定)が必要です。
補助金額と助成率の仕組み
本事業の要となる『業務改善助成金』および県の上乗せ補助では、引き上げる賃金額と対象人数によって上限額が変動します。また、事業場の規模や現在の賃金水準によって助成率が決まります。
業務改善助成金(国)最大上限
600万円
助成率(最大)
9/10
| 現在の最低賃金水準 | 適用される助成率 |
|---|---|
| 940円未満 | 9/10(10/10になる特例あり) |
| 940円以上990円未満 | 4/5(生産性向上要件を満たせば9/10) |
| 990円以上 | 3/4(生産性向上要件を満たせば4/5) |
補助対象となる設備投資・経費の具体例
本補助金の最大の特徴は、一般的な補助金では認められにくい『汎用性の高い機器』も、一定の条件(特例事業者)を満たせば対象となる点です。
通常対象となる生産性向上設備
- POSレジシステム導入による在庫管理の効率化
- 自動洗車機や調理機器の導入による労働時間の短縮
- 顧客管理システム(CRM)の導入
- 専門家による経営コンサルティング、マニュアル作成経費
特例事業者(物価高騰等要件)のメリット
最近の原材料費高騰等により利益率が3%以上低下している事業者は、以下の経費も対象になります:
- PC、スマートフォン、タブレットの新規導入
- 貨物自動車(トラック等)の購入
- 定員7人以上または200万円以下の乗用自動車
申請から受給までの5ステップ
失敗しないための申請ノウハウと採択のポイント
補助金申請において最も多い失敗は、書類の不備やスケジュールの誤認です。特に本事業は国の会計年度が絡むため、期限管理が非常に厳格です。
1. 生産性向上の根拠を明確にする
単に『最新のパソコンが欲しい』ではなく、『このソフトウェアを導入することで、これまで月間20時間かかっていた経理業務が5時間に短縮され、その余力を営業活動に充てることで売上〇%向上を目指す』といった具体的なストーリーが必要です。
2. 専門家(商工会議所等)をフル活用する
伊那商工会議所などの経営支援機関では、申請書類のブラッシュアップや事業計画の策定を無料でサポートしています。自力で申請するよりも不備のリスクを大幅に減らすことができます。
よくある失敗パターン
- 交付決定前に設備を購入してしまい、対象外となる
- 賃上げしたはずが、計算ミスで最低賃金を下回っていた
- クレジットカード支払いで、口座引き落とし日が事業完了期限を過ぎてしまった
よくある質問(FAQ)
賃上げは企業にとって負担増となる側面もありますが、本補助金を活用して生産性を向上させることで、人材確保と収益改善を同時に進める絶好の機会となります。特に長野県の手厚い上乗せ支援がある今の時期に、中長期的な設備投資を検討されることを強くお勧めします。まずは、最寄りの商工会議所や労働局へ相談の一歩を踏み出しましょう。
申請に関するお問い合わせはこちら
長野県産業労働部 労働雇用課 または 管轄の都道府県労働局まで
免責事項: 本記事の情報は2025年11月時点のものです。補助金・助成金の要件や金額は情勢により変更される場合があります。申請にあたっては、必ず長野県公式サイトおよび厚生労働省の最新の公募要領を確認してください。