栃木県小山市では、2025年度(令和7年度)より、中小企業が国際的な脱炭素指標である’SBT認定’を取得するための費用を最大100万円補助する事業を開始します。世界的にサプライチェーンの脱炭素化が求められる中、認定取得を通じて企業の信頼性を高め、競争力を強化したい市内事業者にとって極めて有益な制度です。
この記事でわかること
- 小山市中小企業SBT認定取得支援事業補助金の基本概要
- 補助対象となる経費の内容と最大100万円の活用方法
- 申請から交付決定、実績報告までの具体的なステップ
- 併せて活用したい小山市のISO取得や販路開拓支援制度
SBT認定取得が中小企業に求められる背景
SBT(Science Based Targets)とは、パリ協定が求める「世界の平均気温上昇を産業革命前と比べて1.5度に抑える」という目標に向け、企業が設定する科学的根拠に基づいた温室効果ガス排出削減目標のことです。かつては大手企業中心の取り組みでしたが、現在は「Scope3」と呼ばれるサプライチェーン全体の排出量削減が重視されており、大手企業の取引先である中小企業にもSBT水準の目標設定が強く求められるようになっています。
中小企業がSBT認定を取得する3つのメリット
- 大手企業との取引継続・新規受注における優位性の確保
- 脱炭素経営によるエネルギーコストの削減と生産性向上
- 金融機関からのグリーン融資や低利融資の受けやすさ向上
小山市中小企業SBT認定取得支援事業補助金の詳細
補助対象者と要件
本補助金の対象となるのは、小山市内に事業所を有し、事業を営む中小企業者および個人事業主です。一般的に、市税の滞納がないことや、暴力団関係者でないことなどの基本的要件が求められます。特に2025年度からの新設事業であるため、最新の公募要領を確認することが重要です。
補助金額と補助率
中小企業向けSBT認定は、通常版に比べて簡略化された手続きが可能ですが、それでも排出量の算定や認定機関への申請には専門的な知識が必要となります。本補助金は、それらの費用を強力にバックアップします。
補助対象経費(委託費)
補助の対象となる主な経費は、SBT認定取得に直接要する「委託費」です。具体的には以下の内容が含まれることが一般的です。
申請から補助金受取までの5ステップ
1
事前準備・専門家の選定
自社の温室効果ガス排出量(Scope1,2)の把握を開始し、認定取得をサポートするコンサルタントを選定します。
2
交付申請書の提出
小山市の工業振興課へ交付申請書を提出します。この際、事業計画書や見積書の写しが必要となります。
3
事業実施(SBT申請・認定)
交付決定通知を受けた後、コンサルティングを受けながらSBT事務局へ申請を行い、認定を取得します。
4
実績報告書の提出
認定取得後、領収書や認定を証明する書類を添えて小山市に実績報告を行います。
5
補助金の交付
市による内容の確定審査後、指定の口座に補助金が振り込まれます。
小山市の併用検討すべき他の中小企業支援制度
小山市ではSBT認定以外にも、企業の経営基盤を強化するための多様な補助金制度を設けています。脱炭素経営とあわせて、DX化や知財戦略に活用できる制度を確認しましょう。
ISO等認証取得支援補助金
環境ISO(ISO14001)や品質ISO(ISO9001)、Haccp認証の取得を支援します。SBT認定とあわせてISO14001を取得することで、社内の環境管理体制がより強固になります。
- 補助率:対象経費の30%以内
- 上限額:150万円
- 対象:市内に1年以上事業所を有する中小企業
産業財産権取得支援事業補助金
特許権、実用新案権、意匠権、商標権の取得を支援します。新製品開発を行う際の知財保護に有効です。
- 補助率:1/2以内
- 上限額:40万円
- 対象:市内に1年以上事業所を有する中小企業
中小企業販路開拓事業助成金
展示会への出展費用を助成します。オンライン展示会も対象となっており、SBT認定を取得した「環境配慮型企業」としてのPRの場に活用できます。
- 上限額:国内・オンライン30万円、国外50万円
- 補助率:1/3以内
申請時の重要注意点
- 原則として、事業着手(契約・発注)前に交付申請を行い、交付決定を受ける必要があります。
- 同一の事業内容で、国や県など他の機関から重複して補助金を受けることはできません。
- 市税の完納証明書など、公的な証明書類の準備には時間がかかる場合があるため、早めの準備を推奨します。
よくある質問(FAQ)
Q個人事業主でも申請できますか?
はい、小山市内に事業所を有し、適切に事業を営んでいる個人事業主の方も補助対象となります。
QSBT認定の取得にはどのくらいの期間がかかりますか?
中小企業版SBTの場合、申請から認定まで一般的に数週間から数ヶ月程度を要します。年度内の補助金受給を目指す場合は、余裕を持ったスケジュールが必要です。
Q認定が取れなかった場合、補助金はどうなりますか?
原則として、認定の取得が補助金交付の条件となります。認定に至らなかった場合、補助金は支払われませんので、専門家のサポートを受けて確実な申請を行うことを推奨します。
Qどのような費用が補助対象外ですか?
自社で算定を行う場合の従業員の人件費、汎用性の高いPC・ソフトウェア購入費、認定後の維持管理費用などは一般的に対象外です。
Q数年前に取得した認定の更新費用は対象ですか?
本補助金は「新規取得」を主眼としている場合が多いため、更新費用の可否については小山市工業振興課へ直接確認が必要です。
専門家を活用するメリット
SBT認定の申請には、エネルギー消費量から二酸化炭素排出量を算出する緻密な計算が求められます。特にScope2の算出における排出係数の選定や、将来の削減シナリオの策定は、専門知識がないと困難です。本補助金を活用して外部コンサルタントを導入することで、正確な算定が可能になるだけでなく、認定取得後の実効性のある削減アクションプランの策定までをスムーズに進めることができます。
小山市中小企業SBT認定取得支援事業補助金は、脱炭素経営への第一歩を支援する非常に強力な制度です。2025年度からの開始に備え、早めに自社の排出量把握やパートナーとなる専門家の選定を進め、国際基準の認定を通じた持続可能な経営を実現しましょう。
小山市工業振興課へのお問い合わせ
詳細な要件や申請書類のダウンロードは、小山市公式ホームページの産業・中小企業支援ページをご確認ください。担当窓口への事前相談も随時受け付けられています。
免責事項: 本記事の情報は2025年4月1日時点の公募予定情報を基に作成されています。補助金の詳細な内容、要件、期間は変更される場合がありますので、申請前には必ず小山市の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。