兵庫県丹波市では、市内の中小企業や個人事業主を対象に、従業員のワーク・ライフ・バランス推進を目的とした『令和7年度 仕事と家庭の両立支援休暇取得奨励金』を実施しています。本制度は、妊婦健診や子の看護、男性の育児参加などを支援する休暇制度を整え、実際に利用された事業所に対して一律10万円を交付するものです。深刻な人手不足が続く中、魅力ある職場づくりを通じて人材の定着と安定雇用を目指す経営者にとって、非常に有効な支援策となっています。
この記事でわかること
- 奨励金10万円を受給するための具体的な休暇制度の要件
- 対象となる中小企業・個人事業主の条件と注意点
- 併用可能な『女性活躍推進助成金』など関連支援制度の全体像
- 不備を防ぎ、確実に交付を受けるための申請5ステップ
丹波市独自の仕事と家庭の両立支援制度とは
近年、少子高齢化に伴う労働力人口の減少により、企業が優秀な人材を確保し続けるためには『働きやすさ』の向上が欠かせません。丹波市が実施する本奨励金は、法定以上の手厚い休暇制度を就業規則に定めることを奨励し、従業員が実際にそれを利用できる環境を整えた企業を評価する仕組みです。
対象となる4つの休暇制度
奨励金の対象となるのは、以下の休暇制度を『有給』として就業規則に規定し、従業員に取得させた場合です。
- 妊婦健診休暇: 妊娠中の従業員が保健指導や健康診査を受けるための休暇。
- 子の看護等休暇: 子どもの病気や怪我の看護、または予防接種や健康診断に付き添うための休暇。
- 配偶者出産休暇: 配偶者の出産前後に夫が取得できる休暇。
- 男性の育児目的休暇: 男性従業員が育児のために取得できる休暇。
奨励金額(定額)
100,000円
1事業所につき1回限り
申請対象者と主な要件
本奨励金は、丹波市内で事業を営む広範な事業主が対象となりますが、いくつかの重要な遵守事項があります。
必ず確認すべき申請資格
- 市内に本社、本店、または支店等を有する中小企業者・個人事業主であること。
- 市税の滞納がないこと。
- 風俗営業等の規制対象となる事業(一部除く)や政治・宗教団体でないこと。
- 対象の休暇を『有給』として就業規則等に明記し、労働基準監督署へ届け出ていること。
さらに活用したい!丹波市の併用可能助成金
丹波市では、休暇取得奨励金以外にも、ワーク・ライフ・バランスや女性活躍を推進する企業を支援するメニューが充実しています。これらを組み合わせることで、最大60万円規模の支援を受けることも可能です。
奨励金受給までの5ステップフロー
本奨励金は、単に休暇を取得させるだけでなく、事前の規則整備が必須となります。計画的に進めるための流れを確認しましょう。
1
就業規則の現状確認と設計
現在、自社の規則に『妊婦健診』『子の看護』等の休暇が有給として規定されているか確認します。未整備の場合は、対象となる休暇制度を新たに導入する検討を行います。
2
就業規則の変更と届出
対象休暇を有給とする旨を就業規則に明記し、労働基準監督署へ届け出ます。10人未満の事業所で届出義務がない場合でも、本奨励金の申請には規則の備え付けが必要です。
3
従業員による休暇の取得
実際に対象となる従業員が規定に基づき休暇を取得します。取得した事実を証明できるよう、出勤簿や休暇届などの書類を適切に保管しておくことが重要です。
4
申請書類の提出
休暇取得後、丹波市商工振興課へ申請書および必要書類(就業規則の写し、休暇取得を証明する書類等)を提出します。年度内の予算枠があるため、早めの申請を推奨します。
5
審査・交付
市役所にて審査が行われ、交付が決定されると指定の口座に奨励金が振り込まれます。
採択率を高める申請のコツと注意点
補助金や奨励金の申請において、最も多い失敗は『書類の不備』と『要件の誤認』です。特に以下のポイントに留意してください。
1. 就業規則の『有給』記載を厳密に
多くの企業で『子の看護休暇』などの規定自体はあっても、それが『無給』となっているケースが見受けられます。本奨励金の要件は『有給』としての規定です。変更時には必ず賃金が発生することを明記してください。
2. 専門家の活用を検討する
就業規則の変更や国の助成金との併用申請は、専門的な知識が必要です。丹波市では、社会保険労務士や弁護士への委託費用を一部補助する制度(最大15万円)も用意されています。自社で無理に進めず、プロの力を借りることで確実に受給を目指すことができます。
3. 市税の納付状況を確認
意外な落とし穴となるのが、市税の滞納です。申請時には滞納がない証明、あるいは確認への同意が必要です。事前に経理部門等と連携し、クリーンな状態で申請に臨みましょう。
よくある質問(FAQ)
Q男性従業員が育児目的休暇を取得した場合も対象になりますか?
はい、対象となります。男性の育児参画を促す『男性の育児目的休暇』や『配偶者出産休暇』を有給として導入・取得させることは、本奨励金の重要な対象項目の一つです。
Q個人事業主でも申請可能ですか?
可能です。丹波市内に事務所を構え、従業員を雇用している個人事業主であれば、中小企業と同様の要件で申請いただけます。
Q国の『両立支援等助成金』を既に受給していますが、併用できますか?
はい、併用可能です。むしろ丹波市には国の助成金受給者に上乗せして支援する『女性活躍推進のための両立支援助成金』もあり、これらを組み合わせることでより手厚い支援が受けられます。
Q過去に同じ奨励金を受けたことがありますが、再度申請できますか?
本奨励金は、原則として1事業所につき1回限りの交付となります。ただし、年度によって制度内容が更新される場合があるため、最新の募集要項をご確認ください。
Q有給休暇の日数に指定はありますか?
制度の種類によって異なりますが、一般的には所定の日数(例えば配偶者出産休暇なら1日以上など)の取得が必要です。詳細は丹波市が定める支給要件の細目をご確認ください。
丹波市の『仕事と家庭の両立支援休暇取得奨励金』は、10万円という支援額以上に、企業としての社会的信頼(働きやすさの証)を得られる点が大きなメリットです。人手不足時代において、育児や看護といったライフイベントを大切にする姿勢は、離職率の低下や求人募集時の強力なアピールポイントとなります。令和7年度の受付は2025年4月1日から開始されます。まずは社内の就業規則を確認し、不足している規定の整備から着手しましょう。複雑な手続きが不安な場合は、専門家支援制度の活用も視野に入れ、一歩先を行く職場環境づくりを実現してください。
申請の事前相談は丹波市商工振興課へ
「うちの規則で対象になる?」「併用できる助成金は?」など、不明点は早めに解決しましょう。
電話番号:0795-74-1464(商工振興課)
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年)のものです。補助金・奨励金の内容、要件、予算枠は変更される場合があります。また、審査の結果、不採択となる可能性もあります。申請にあたっては必ず丹波市の公式サイトや募集要項で最新情報をご確認ください。