千葉県流山市では、2050年のカーボンニュートラル実現を目指し、国(環境省)の地域脱炭素移行・再エネ推進交付金を活用した『流山市地域脱炭素重点対策加速化事業費補助金』を実施します。個人住宅から民間事業者まで幅広く対象となり、太陽光発電設備や蓄電池、EV(電気自動車)の導入に対して最大110万円の支援が行われる、市域全体の脱炭素化を強力に後押しする大型の補助制度です。
この記事でわかること
- 流山市が実施する地域脱炭素補助金の対象設備と上限額
- 個人・事業者が申請できる具体的な補助メニューの詳細
- 令和7年度(2025年度)の申請期間と手続きの全体像
- 採択を確実にし、失敗を防ぐための申請ノウハウ
流山市地域脱炭素重点対策加速化事業の背景と目的
流山市は、都心から一番近い森のまちとして発展を続け、過去には人口増加率が6年連続全国1位となるなど、急速な都市化を遂げてきました。この人口増加は地域の活力となる一方で、温室効果ガス排出量の増加という課題も生んでいます。2022年度の排出量は2013年度実績と比較して110%と増加傾向にあり、特に『民生家庭』『民生業務』『運輸』の3部門での削減が急務となっています。
このような背景から、流山市は環境省の『重点対策加速化事業』に採択されました。これは、全国の自治体の中でも特に意欲的な計画を持つ地域が選ばれるもので、国からの交付金を活用することで、従来の市単独補助金よりも手厚い支援が可能となっています。流山市はこの交付金を活用し、2030年度までに温室効果ガス排出量を50%削減(2013年度比)するという高い目標を掲げ、市民や事業者の皆様とともに脱炭素社会の構築を目指しています。
脱炭素と地域課題の解決(レジリエンス強化)
本事業は単なる環境対策にとどまりません。太陽光発電や蓄電池の導入を促進することで、災害発生時の停電対策など、地域の『レジリエンス(防災力)』を強化することも大きな目的としています。自宅や事業所で作った電気を貯めて使う仕組みを作ることは、家計や経営の負担軽減(電気代削減)と、非常時の安心を同時に実現する取り組みです。
補助対象設備と補助金額の詳細
本補助金は、申請者の属性(個人または事業者)によって対象となる設備が異なります。それぞれのメニューを確認し、最適な設備導入を検討しましょう。
【個人向け】主な対象設備
個人住宅における脱炭素化を支援するためのメニューです。新築・既築を問わず活用が可能です。
【事業者向け】主な対象設備
市内事業所等の脱炭素化を促進するためのメニューです。経営コストの削減とESG経営の推進に寄与します。
補助金活用の注意点
- 補助金の交付決定を受ける前に着手した事業は、原則として対象外となります。必ず『申請→交付決定→発注・着工』の順序を守ってください。
- 各設備には国や市が定める技術的な基準(JIS規格、自家消費率の規定等)があります。導入予定の設備が基準を満たしているか、事前にメーカーや施工業者に確認が必要です。
- 予算には上限があり、受付期間内であっても予算に達し次第、終了となる場合があります。
令和7年度(2025年度)の申請スケジュール
令和7年度の申請期間は以下の通り予定されています。準備期間を考慮し、早めに検討を開始しましょう。
申請受付期間
令和7年11月7日(金) 〜 令和8年2月27日(金)
※予算の状況により期間が短縮される可能性があります。最新の情報は流山市公式ホームページをご確認ください。
補助金申請の5ステップ(How To)
1
事前相談・見積依頼
導入したい設備について、施工業者や販売店から見積書を取得します。この際、補助金の要件(自家消費型であること等)を満たしているか、業者側にも確認を依頼しましょう。
2
交付申請書の提出
必要書類を揃え、流山市環境政策課へ提出します。書類不備があると受理されないため、チェックリスト等で入念に確認を行います。
3
交付決定・着手
市から交付決定通知書が届いた後、正式に発注・着工となります。この通知前に着手すると補助金が受けられませんので注意してください。
4
実績報告
工事・導入が完了し、代金の支払いを済ませたら、実績報告書を提出します。施工前後の写真や領収書、電力会社との接続同意を証明する書類などが必要です。
5
補助金の交付
市による書類審査および必要に応じた現地確認を経て、指定の口座に補助金が振り込まれます。
補助金申請を成功させるためのノウハウ
1. 専門家や信頼できる施工業者の選定
補助金申請、特に事業者の大規模な太陽光導入などでは、技術的な計算や二酸化炭素削減量の予測など、専門的な知識が求められます。実績豊富な施工業者や、補助金申請支援の経験があるコンサルタントをパートナーに選ぶことで、不備による不採択リスクを大幅に下げることができます。また、流山市の『脱炭素貢献パートナー制度』に登録している市内事業者など、地域密着型の専門家に相談することも一つの手です。
2. 写真撮影の徹底
多くの場合、実績報告において『施工前』と『施工後』の比較写真が必須となります。施工前の写真を撮り忘れると、最悪の場合、補助金が交付されないケースもあります。工事開始前に必ず、同一のアングルから設備設置予定場所を撮影しておくよう、業者にも徹底させてください。
3. 他の補助制度との併用確認
一般的に、国の他の補助金と、この交付金(元が国の交付金であるもの)を重複して受けることはできません。ただし、県単独の補助金であれば併用が可能なケースもあります。例えば、千葉県が実施する住宅用省エネ設備補助金との関係など、事前に流山市の担当窓口に確認しておくことで、最大限の支援を受けられる可能性があります。
成功のポイント:早めの準備と情報収集
本補助金は、令和7年度から数年にわたって実施される予定ですが、各年度の予算には限りがあります。年度の後半になると予算が枯渇する恐れがあるため、第4四半期(1月〜3月)に工事を完了させる予定であっても、早めに申請を行うことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q賃貸住宅やアパートのオーナーでも申請できますか?
はい、事業者向けのメニューとして、アパートやマンション、あるいは事業所などへ太陽光発電設備等を導入する場合も補助対象となる可能性があります。ただし、自家消費率等の要件があるため、事前に詳細な事業計画の確認が必要です。
Q中古の設備を導入しても補助金は出ますか?
一般的に、この交付金を活用した補助金では『新品(未使用品)』であることが条件となります。中古品の購入は対象外となることが多いため、必ず新品での見積もりを取得してください。
Q太陽光パネルを設置して、全ての電気を売りたい(全量売電)のですが?
本補助金は『脱炭素化』と『自家消費』を主目的としているため、全量売電を目的とした設備設置は原則として対象外です。一定割合以上を建物内で消費(自家消費)し、余った分を売電する形式(余剰売電)である必要があります。
Q申請してから振り込まれるまで、どのくらいの期間がかかりますか?
実績報告の提出から審査、振り込み完了までは、概ね1〜2ヶ月程度が目安です。ただし、年度末などは実績報告が集中するため、さらに時間がかかる場合もあります。
Q市外の業者に頼んでも補助金はもらえますか?
補助金の要件としては市内業者であることに限定されていない場合が多いですが、流山市では地域経済の活性化やアフターフォローの観点から、市内業者への依頼を推奨しています。一部、加点要素や上乗せ補助がある場合は市内業者限定となることもあるため、要領を確認してください。
まとめ:流山市で脱炭素への第一歩を
流山市地域脱炭素重点対策加速化事業費補助金は、個人や事業者が主体となって環境負荷を減らしつつ、経済的なメリットも享受できる非常に貴重な支援制度です。太陽光発電や蓄電池、高効率な断熱改修は、これからの住宅・ビジネスの標準となっていくでしょう。最大110万円という手厚い補助を賢く活用し、持続可能な流山市の未来を共に築いていきましょう。まずは専門業者への見積もりや、市役所環境政策課への事前相談から始めてみてください。
流山市 環境政策課へのお問い合わせ
申請に関する詳細や必要書類の確認は、流山市環境政策課(平和台1丁目1番地の1)まで直接お問い合わせください。専用のウェブフォームや電話での相談も受け付けています。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年)のものです。流山市の補助金内容や予算状況は変更される場合があります。また、申請要件の詳細は各年度の募集要領に準じます。申請を行う際は、必ず流山市の公式サイトにて最新の募集要領およびQ&Aを確認し、不明点は窓口へ直接問い合わせてください。