北海道の食を世界へ広めるチャンスです。札幌市、小樽市、函館市に拠点を持つ食関連事業者の海外展開を支援する『食の海外展開チャレンジ支援補助金』の公募が開始されました。展示会出展やテストマーケティング、外国語ホームページ制作など、幅広い活動に最大50万円が補助されます。
この記事でわかること
- 補助金の対象となる事業者の詳細な条件
- 3つの補助メニューとそれぞれの補助上限額
- 旅費や翻訳費など、対象となる経費の範囲
- 採択率を高めるための申請書類作成のポイント
食の海外展開チャレンジ支援補助金の概要
本補助金は、札幌食と観光国際実行委員会が実施する支援事業です。北海道産の食品輸出や、飲食店の海外進出を検討している、あるいは既に取り組んでいる事業者が対象となります。特に、札幌・小樽・函館という道内主要3都市に拠点を持つ中小企業に特化した支援となっているのが特徴です。
補助対象者となるための必須要件
申請にあたっては、以下のすべての条件を満たす必要があります。特に地域要件には注意が必要です。
- 地域拠点要件: 北海道内に本社・本店があり、かつ札幌市、小樽市、函館市のいずれかに営業所等の拠点があること。(または、札幌商工会議所、札幌物産協会の会員であること)
- 事業者区分: 中小企業基本法に定める中小企業者または個人事業主(開業済み)であること。
- 事業内容: 道産食品の輸出や飲食店の海外出店に取り組んでいる、または予定していること。
- その他: 市税の滞納がないこと、暴力団関係者でないこと、過去に同一年度内の交付を受けていないこと。
みなし大企業の除外規定
資本金の2分の1以上が同一の大企業に所有されている場合や、役員の過半数が大企業の役職員で占められている『みなし大企業』は補助対象外となります。グループ企業の構成を事前にご確認ください。
選べる3つの補助メニューと対象経費
事業の目的に合わせて、以下の3つのメニューから選択、あるいは組み合わせて申請することが可能です。
各メニューの詳細と注意点
メニュー1:海外市場における現地調査・テストマーケティング
飲食店が海外出店を検討する際、現地のニーズを調査するための経費を補助します。航空運賃や宿泊費に加え、現地の消費者を対象としたテストマーケティングの会場代、輸送費、通訳費などが含まれます。
注意:旅費のみの申請は不可
本メニューでは『テストマーケティングの実施』が必須要件です。単なる視察旅行と見なされる経費は対象になりませんので、具体的な調査計画を立てる必要があります。
メニュー2:外国語資料・動画・自社ホームページの制作
海外バイヤー向けのパンフレット、インバウンド向けメニュー表、海外向けプロモーション動画の制作などが対象です。翻訳費用も含まれます。
外注先の地域制限にご注意
制作業務を外注する場合、外注先は北海道内に本社を有する企業に限られます。都心部や海外の制作会社への依頼は補助対象外となる可能性があるため、事前に必ずご確認ください。
メニュー3:商談会・展示会等への出展
海外で開催される展示会はもちろん、国内で開催される海外展開向けの展示会(輸出商談会など)も対象です。小間代や装飾費のほか、海外展示会の場合は1名分の旅費も補助されます。
申請から補助金受取までの5ステップ
本補助金は予算がなくなり次第終了となる『先着順』に近い性質を持っています。早めの準備が肝心です。
1
事前相談と書類準備
交付申請書、事業計画書、役員名簿、市税の納税証明書(原本)などを揃えます。
2
交付申請の提出
2026年1月30日までに事務局へ提出します。メール送付の場合、容量制限(4MB)に注意してください。
3
審査・交付決定
実行委員会にて内容が審査され、問題がなければ交付決定通知が届きます。ここから事業開始です。
4
事業実施と実績報告
2026年2月27日までに事業を完了させ、14日以内に実績報告書と領収書等の証拠書類を提出します。
5
補助金額の確定と入金
報告内容の確認後、確定通知が届きます。その後、請求書を提出することで指定口座に補助金が振り込まれます。
採択率を高める申請書の書き方とノウハウ
補助金の審査では、単に『海外に行きたい』という希望ではなく、『なぜその市場なのか』『その活動が将来の売上にどう繋がるのか』という具体性が求められます。
成功のポイント:ストーリーの構築
自社の製品・サービスの強みを再確認し、ターゲットとする国・地域の市場動向と合致していることを説明してください。例えば、ヘルシー志向の高まりに合わせて道産の無添加食品を展開するなど、客観的なデータや動向を盛り込むと評価が高まります。
よくある失敗パターンと対策
- 経費の対象外項目が含まれている: 消費税、振込手数料、食費、交際費などは補助対象外です。これらを事業計画に含めてしまうと、事務局から修正を求められたり、補助対象となる実質的な金額が目減りしたりします。
- 数値目標が曖昧: 『認知度を上げたい』といった抽象的な目標ではなく、『バイヤー30社と名刺交換し、うち3社と継続的な商談に入る』など、具体的な数値目標を設定しましょう。
- 証拠書類の不足: 補助金は後払いです。領収書だけでなく、振込受取書や、制作物の成果物写真、展示会での写真などが必須となります。実施中にこまめに記録を残すことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q札幌市に本社があるが、店舗は千歳市にある場合は対象になりますか?
要件として、札幌・小樽・函館のいずれかに『拠点』があることが求められます。本社が札幌市であれば、店舗が別の場所であっても、その拠点を活用して海外展開を行う場合は対象となる可能性が高いです。詳細は事務局へご確認ください。
Q以前に別の補助金を使って展示会に出展しましたが、併用は可能ですか?
全く同じ事業(同じ展示会への出展など)に対して、他の公的な補助金と重複して受給することはできません。別の事業であれば可能ですが、同一年度内に本補助金の交付を既に受けている場合は対象外となります。
Q実績報告で、かかった経費が下限額を下回った場合はどうなりますか?
募集要領によれば、実績報告時の経費に基づいて算定された補助金額が下限額を下回った場合、下限額が支払われるのではなく、実績に基づいた額が交付されます。ただし、申請時の計画が大幅に縮小された場合は、交付決定そのものに影響する可能性があるため注意が必要です。
Q翻訳は自分でできますが、翻訳料を自分に支払う形で計上できますか?
いいえ、自社スタッフの人件費や自社で行う作業は補助対象外です。外部の専門業者(道内に本社がある企業)に発注し、支払いを行った経費のみが対象となります。
Q海外展示会に複数名で参加する場合、全員の旅費が補助されますか?
いいえ、旅費(航空運賃・宿泊費)の補助は『1名分』に限定されています。2名以上の参加であっても、補助されるのは1名分のみとなりますのでご注意ください。
専門家活用のメリット
補助金申請は、事業計画の作成や実績報告など、多くの事務作業を伴います。本業に集中しながら確実に採択を目指すためには、専門家の活用も有効な選択肢です。
- 採択率の向上: 審査のポイントを熟知した専門家が計画作成を支援することで、採択の可能性が高まります。
- 不備のリスク回避: 納税証明書や領収書の不備は補助金が支払われない原因になります。これらをチェックし、確実に受け取れるようサポートを受けられます。
- 海外戦略のアドバイス: 単なる書類作成だけでなく、現地の市場調査会社や道内の制作会社の選定など、実務面のアドバイスを受けられる場合もあります。
食の海外展開チャレンジ支援補助金は、北海道の豊かな食文化を世界に発信するための強力な武器となります。札幌・小樽・函館を拠点に、次の一歩を踏み出したい事業者の皆様は、ぜひこの機会を逃さず申請をご検討ください。まずは要綱を確認し、自社の計画がどのメニューに該当するかを整理することから始めましょう。
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免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年)のものです。補助金の内容や公募期間は予算の執行状況等により変更される場合があります。申請にあたっては、必ず札幌食と観光国際実行委員会の公式サイトにて最新の募集要領および交付要綱をご確認ください。