石川県金沢市では、東京圏からの移住を促進し、地域の人手不足を解消するため、最大100万円(単身者の場合は60万円)を支給する『移住支援金』制度を実施しています。さらに、18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合には、子供一人につき100万円が加算されるなど、子育て世帯にとっても非常に手厚い支援内容となっています。本記事では、2025年度(令和7年度)の最新要件から申請書類の準備、よくある落とし穴までを詳しく解説します。
この記事でわかること
- 金沢市移住支援金の最新の支給額と加算条件
- 申請対象となるための詳細な居住・就業・起業要件
- スムーズに受給するための申請ステップと必要書類
- 受給後に後悔しないための返還規定と注意点
金沢市移住支援金の概要と2025年度の変更点
金沢市移住支援金は、石川県と金沢市が共同で実施する事業です。単なる移住促進だけでなく、地域の担い手確保を目的としているため、就業や起業といった『仕事』に関する要件が厳密に定められています。2025年度(令和7年度)も継続して公募が行われており、特に18歳未満の子供を連れて移住する世帯への加算額が大きく設定されているのが特徴です。
支給金額の詳細:世帯と単身での違い
18歳未満の子育て世帯への強力な加算
18歳未満の世帯員(子供など)を帯同して移住する場合、子供一人につき100万円が加算されます。例えば、夫婦と子供二人の4人家族で移住した場合、100万円(基本額)+200万円(加算額)=合計300万円が支給される計算となります。
申請対象となるための『3つの必須要件』
支援金を受給するためには、移住元に関する要件、移住先に関する要件、そして就業または起業に関する要件のすべてを満たす必要があります。
1. 移住元(東京圏)での実績要件
住民票を金沢市に移す直前の期間において、以下のいずれかに該当する必要があります。
- 直近10年間のうち、通算5年以上『東京23区』に在住、または東京圏(条件不利地域を除く)に在住し東京23区内へ通勤していたこと。
- 直近1年以上、連続して東京23区に在住または通勤していたこと(住民票を移す3ヶ月前までを対象期間に含めることが可能)。
- 東京圏の大学等へ通学し、東京23区内の企業へ就職した場合は、その通学期間も加算対象となります。
注意:東京圏の条件不利地域とは?
東京都(奥多摩町、檜原村、離島など)、埼玉県(秩父市、横瀬町など)、千葉県(館山市、南房総市など)、神奈川県(山北町、箱根町など)の一部地域は『条件不利地域』に該当し、ここからの移住は原則対象外となります。自身の居住地や通勤先が対象かどうか、事前に必ず確認しましょう。
2. 金沢市への転入に関する要件
- 金沢市に転入後1年以内に申請を行うこと。
- 申請後、5年以上継続して金沢市に居住する意思があること。
- 石川県が行う移住支援事業の趣旨を理解し、地域の活動に協力する意欲があること。
3. 就業・テレワーク・起業の選択要件
移住後の活動形態に応じて、以下のいずれかを満たす必要があります。
申請までの5ステップ:スムーズな受給の流れ
1
事前相談の実施
移住前または移住直後に、金沢市商工労働課(移住サポートデスク)へ連絡し、自身の経歴や就業先が要件を満たしているか確認します。
2
金沢市への転入・住民登録
実際に金沢市へ転居し、区役所等で転入手続きを行います。ここから1年以内に申請する必要があります。
3
就業実績の確保
対象企業での勤務を開始します。就業後、企業から『就業証明書』を取得する必要があるため、早めに職場へ相談しておくとスムーズです。
4
書類作成・提出
申請書、誓約書、戸籍の附票、納税証明書など多岐にわたる書類を揃え、窓口へ提出します。郵送または持参となります。
5
審査・交付決定・振込
市が書類を審査し、適当と認められれば交付決定通知が届きます。その後、指定の口座に支援金が振り込まれます。
準備すべき申請書類チェックリスト
申請書類は非常に多く、取得に時間がかかるものもあります。余裕を持って準備しましょう。
- □ 金沢市移住支援金交付申請書兼実績報告書(様式第1号)
- □ 個人情報の取扱いに関する同意書
- □ 移住支援金の交付申請に関する誓約書
- □ 写真付き身分証明書の写し(運転免許証やマイナンバーカード等)
- □ 移住元の居住地を確認できる書類(戸籍の附票の写しなど、直近5年間の履歴がわかるもの)
- □ 東京23区内での就労を証明する書類(離職票、退職証明書、源泉徴収票など)
- □ 就業証明書(市指定の様式で勤務先が記入したもの)
- □ 移住前の市町村税の納税証明書(滞納がないことの証明)
知っておくべき『返還規定』:お金を返さなければならないケース
以下の場合は、原則として全額返還となります
- 虚偽の申請や不正な手段で受給した場合。
- 申請日から3年未満で石川県外(金沢市外を含む場合あり)へ転出した場合。
- 申請日から1年以内に、要件を満たした職を自己都合で辞めた場合。
- 起業支援金の交付決定を取り消された場合。
また、申請日から3年以上5年以内に転出した場合には、支給額の『半額』を返還する義務が生じます。あくまでも長期間の定住を前提とした制度であることを忘れないようにしましょう。
よくある質問(FAQ)
Qフリーランスや個人事業主でも対象になりますか?
移住元で5年以上事業を継続しており、金沢市へ転入後も引き続きその事業を継続する場合(テレワーク要件)や、新たに石川県で起業し『起業支援金』の交付決定を受けた場合には対象となる可能性があります。就労実績の証明方法が異なりますので、事前に窓口へご相談ください。
Q単身で移住した後、すぐに結婚して家族が増えた場合は加算されますか?
支援金の額は『申請時点』の世帯状況で判断されます。申請時に世帯員として一緒に金沢市に居住していれば世帯としての額(100万円)が適用されますが、申請後に家族が増えた場合、遡っての加算は行われません。
Q予算がなくなると受付終了になりますか?
はい。本事業は石川県と金沢市の予算の範囲内で実施されるため、年度の途中で予算に達した場合は、申請期間内であっても受付を終了することがあります。移住の計画が決まり次第、早めに相談・申請することをお勧めします。
Q派遣社員として働く場合は対象ですか?
原則として、マッチングサイトに掲載されている企業に『直接雇用』されることが条件となります。派遣就業や転勤を伴う雇用形態は対象外となることが多いため、就業証明書を提出する前に必ず確認が必要です。
Q過去に移住支援金をもらったことがありますが、もう一度申請できますか?
いいえ。本支援金は一人につき生涯一度限りの制度です。過去に他自治体で同様の支援金を受給したことがある場合は対象外となります。
成功するためのポイントと申請のアドバイス
金沢市移住支援金の申請を成功させるためには、単に書類を出すだけでなく、以下の点に留意することが重要です。
『イシカワノオト』を徹底活用する
就業要件を満たすためには、石川県が運営する求人サイト『イシカワノオト』に掲載されている求人に応募することが必須です。サイト内では『移住支援金対象』というタグが付いている求人を検索できるため、仕事探しの段階からこのタグを意識して活動することが大切です。
書類の不備を防ぐためのセカンドチェック
移住支援金の審査は非常に厳格です。特に『移住元での居住期間』や『就労期間』を証明する書類において、1日でも期間が足りなかったり、証明が途切れていたりすると不採択になるリスクがあります。戸籍の附票や履歴事項全部証明書などは、最新のものを取得し、自身の経歴と完全に一致しているか確認しましょう。
金沢市移住支援金は、新生活をスタートさせるための大きな力となる制度です。特に子育て世帯には非常に手厚い内容となっていますが、要件の複雑さや予算の制約、返還規定など、注意すべき点も多くあります。まずは金沢市移住サポートデスクへ早めに相談し、確実な準備を進めることが成功の秘訣です。伝統と革新が息づく金沢での新しい暮らしを、この支援金と共に実現しましょう。
金沢市移住サポートデスクへのお問い合わせ
制度の詳細確認や事前相談は、金沢市商工労働課(076-220-2193)まで。申請をお考えの方は、まずは電話またはメールでの相談から始めましょう。
免責事項: 本記事の情報は2025年度の公募要領に基づき作成されています。補助金の詳細な要件や受付状況は変更される可能性があるため、申請前に必ず金沢市の公式ウェブサイトをご確認いただくか、窓口へ直接お問い合わせください。