長野県内の塩尻市、飯綱町、下諏訪町、駒ヶ根市を含む各自治体では、東京圏、愛知県、大阪府からの移住者を対象に、最大100万円(単身60万円)に加え、子育て世帯には18歳未満の子供一人につき最大100万円を加算する強力な移住支援制度を実施しています。本補助金は、地域の担い手不足解消と移住促進を目的としており、就業、テレワーク、創業など幅広いキャリア選択に対応しているのが特徴です。
この記事でわかること
- 移住支援金の最大支給額と加算金の仕組み
- 対象となる移住元の地域と居住・就労期間の条件
- 就業・専門人材・テレワーク・関係人口・創業の5つの申請パターン
- 失敗しないための申請フローと返還リスクを避ける注意点
UIJターン就業・創業移住支援事業補助金の概要
本事業は、長野県と県内各市町村(塩尻市、飯綱町、下諏訪町、駒ヶ根市等)が共同で実施する移住支援制度です。大都市圏から長野県内へ移住し、県が指定するマッチングサイトに掲載された企業への就業や、専門人材としての就職、あるいは現在の業務を継続するテレワーク、さらには地域課題を解決する創業を行う方に対して、移住に伴う経済的負担を軽減するための支援金を支給します。
支給金額の詳細
支援金の額は世帯構成によって異なります。特に子育て世帯への支援が手厚くなっており、2025年度においても継続して高い加算額が維持されています。
世帯加算の例(2人以上の世帯)
夫婦と18歳未満のお子様2人で移住した場合:
基本100万円 + 加算200万円(100万円×2人)= 合計300万円
※自治体(駒ヶ根市等)により加算額の算定基準が異なる場合があるため、必ず各自治体の最新要綱を確認してください。
申請の対象となる必須要件(移住元・移住先)
本補助金を受けるためには、まず『どこから移住したか』と『移住後の居住意志』についての厳しい基準をクリアする必要があります。
1. 移住元に関する要件(10年5年ルール)
以下の2点をいずれも満たす必要があります。
- 通算期間要件:住民票を移す直前の10年間のうち、通算して5年以上、東京圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県)、愛知県、または大阪府に在住し、かつ雇用保険の被保険者として就労していたこと。
- 直近期間要件:住民票を移す直前に、連続して1年以上、上記の対象地域に在住し、かつ就労していたこと(3か月以内の空白期間は連続とみなされる場合があります)。
学生期間の通算特例
東京圏等の大学等へ通学し、卒業後に現地の企業に就職した場合は、大学等への通学期間も上記の『5年以上』の就労期間に通算することが可能です。これにより、若年層のUターン移住者も対象になりやすくなっています。
2. 移住先(長野県内自治体)に関する要件
移住先の市町村において、以下の条件を満たす必要があります。
5つの申請ルート:就業・創業の要件詳細
移住支援金を受け取るには、移住後の『仕事』について以下のいずれかの要件を満たす必要があります。
(1) 一般就業(マッチングサイト経由)
長野県が運営する求人情報サイト『信州で働こう!』等に、移住支援金の対象として掲載されている求人に応募し、採用される必要があります。
- 週20時間以上の無期雇用契約であること。
- 3親等以内の親族が経営する企業ではないこと。
- 5年以上継続して勤務する意思があること。
(2) 専門人材ルート
内閣府が実施する『プロフェッショナル人材事業』または『先導的人材マッチング事業』を利用して就業した場合です。主に高い専門性を持つマネジメント層や技術職が対象となります。
(3) テレワークルート
移住前の業務を引き続きフルリモートで行う方が対象です。
- 自己の意思により移住すること(会社命令の転勤等は対象外)。
- 移住先を生活の本拠とし、移住前の業務を継続すること。
- デジタル田園都市国家構想交付金等の資金提供を企業側から受けていないこと。
(4) 関係人口ルート
特定の市町村と深い関わりを持つ方が、一定の基準を満たす企業(職場いきいきアドバンスカンパニー認証企業等)に就職する場合です。関係人口の定義は自治体ごとに異なりますが、一般的に以下が該当します。
- 過去にその市町村に通学・通勤・居住したことがある。
- ふるさと納税の寄附実績がある。
- 二地域居住や地域活動の参画実績がある。
(5) 創業ルート
長野県の『ソーシャル・ビジネス創業支援金』の交付決定を受けている必要があります。移住と起業を同時に行う方が対象で、地域課題の解決に資する事業が求められます。
失敗しないための申請5ステップ
本補助金は予算に限りがあるため、移住後の早い段階での相談が推奨されます。以下のステップに従って進めてください。
1
事前相談(移住前・転入直後)
移住先の市町村窓口(地域づくり課、産業振興課等)に連絡し、自身の経歴が対象になるか確認します。
2
就業・創業の開始
マッチングサイト経由での就職や、テレワークでの業務、創業支援金の交付決定などの実績を作ります。
3
交付申請書の提出
転入後1年以内かつ就職後3か月以上経過したタイミングで、必要書類を揃えて窓口へ提出します。
4
審査・交付決定
市町村による審査が行われ、交付決定通知が届きます。その後、指定の口座へ支援金が振り込まれます。
5
定期的な報告・定住
申請から5年間は市内に居住・就労を継続する必要があります。1年ごとに就業証明の提出を求められる場合があります。
注意!返還の対象となるケース
返還規定の厳格化
受給後、以下のいずれかに該当した場合は支援金の返還を求められます。計画的な移住が必要です。
- 全額返還:申請から3年未満で市外に転出した場合。または申請から1年以内に就業先を離職した場合。
- 半額返還:申請から3年以上5年以内で市外に転出した場合。
- その他:創業支援金の交付決定を取り消された場合や、虚偽の申請が発覚した場合。
よくある質問(FAQ)
Q移住前に仕事を辞めてしまった場合、就労期間のカウントはどうなりますか?
住民票を移す直前の3か月以内の離職期間であれば、連続して就労していたものとみなされます。それを超える空白期間がある場合は、要件を満たさない可能性があるため、お早めに窓口へご相談ください。
Qテレワークの場合、週に何回か東京の本社に出勤しても大丈夫ですか?
原則として『本市を生活の本拠とし、移住前の業務を継続する』ことが条件です。恒常的に週の大半を東京等で過ごす場合は認められないことがあります。目安として週20時間以上を移住先でテレワークしていることが求められます。
Q18歳未満の子供がいる場合、加算金はいつもらえますか?
基本の支援金(100万円)と同時に申請・受給します。申請日において、18歳未満であること、かつ申請者と同一世帯で移住していることが条件です。年度末の年齢制限(4月1日時点等)については自治体ごとの規定を確認してください。
Qパートやアルバイトとしての就業でも対象になりますか?
原則として『週20時間以上の無期雇用契約』が必要です。雇用形態が正社員でなくても、期間の定めのない契約であり、社会保険等の要件を満たしていれば対象となる場合があります。ただし、季節労働や短期契約は対象外です。
Q移住支援金を受け取った後、会社を転職したらどうなりますか?
1年以内に離職した場合は全額返還の対象となります。1年経過後の転職であれば、引き続き当該市内に居住し、かつ地域課題の解決に資するような再就職であれば返還を免除されるケースもありますが、非常に個別性が高いため必ず事前に市役所へ相談してください。
専門家からのアドバイス:採択されるためのポイント
確実な受給のために
本補助金は申請書類が多岐にわたります。特に『移住元の就労証明(雇用保険の被保険者期間証明)』の取得に時間がかかるケースが多く見られます。前職の企業へ証明書の発行を依頼する必要があるため、移住が決まった段階で早めに準備を進めましょう。また、マッチングサイト経由の就業の場合、採用された後に企業側から『就業証明書』を書いてもらう必要があるため、勤務先との円滑なコミュニケーションも重要です。
長野県への移住は、生活コストの削減だけでなく、豊かな自然環境での子育てや、新たなキャリアへの挑戦など、多くのメリットがあります。UIJターン就業・創業移住支援金は、その第一歩を支える強力な制度です。2025年度も予算枠には限りがあるため、移住を検討されている方は、まず希望する自治体の窓口へ『事前相談』を行うことから始めてください。
長野県内各自治体へのお問い合わせ
塩尻市地域づくり課、飯綱町人口増推進室、下諏訪町産業振興課、駒ヶ根市企画振興課など、移住先自治体の専門窓口へお気軽にご相談ください。
免責事項: 本記事の情報は2025年4月1日時点の要綱内容に基づき作成しています。補助金の予算状況や要件は自治体により随時変更される可能性があります。申請にあたっては、必ず各自治体の公式ウェブサイトを確認するか、直接担当窓口へ最新の情報をお問い合わせください。