岩手県遠野市では、東京圏からの移住を促進するため、最大100万円(子育て加算により増額あり)の移住支援金と、新卒学生を対象とした地方就職支援金を実施しています。本制度は、地方創生を目的とした国の支援を受け、都内大学からの新卒就職や社会人のUIJターンを経済面から強力にバックアップするものです。
この記事でわかること
- 移住支援金(最大100万円+加算)の受給要件と金額
- 地方就職支援金(新卒者向け交通費・移転費)の詳細
- 申請から受給までの具体的な5つのステップ
- 返還規定やよくある失敗を避けるための注意点
遠野市が実施する2つの主要な支援金制度
遠野市への移住を検討する際、対象者の属性(社会人か学生か)によって利用できる制度が異なります。令和7年度において中心となるのは『移住支援金』と『地方就職支援金』の2種類です。
1. 遠野市移住支援金事業(社会人・UIJターン向け)
東京一極集中の是正を目的に、東京23区に在住または通勤していた方が、遠野市に移住し、岩手県が指定する企業に就業、あるいは起業等をした場合に支給される支援金です。特に子育て世代への加算が手厚いのが特徴です。
2. 遠野市地方就職支援金事業(新卒学生向け)
東京都内に本部を置く大学のキャンパスに通う学生が、卒業後に遠野市内の企業へ就職し、移住する場合の活動費用を支援します。就職活動の交通費と、移住に伴う引越し費用が対象となります。
受給対象となる詳細な要件チェックリスト
各支援金には厳格な要件が設定されています。申請前に、以下のチェック項目に該当するか必ず確認してください。
共通の移住元要件
移住前の必須条件
- 社会人:直近10年間のうち通算5年以上、東京23区内に居住または東京圏(神奈川・千葉・埼玉)から23区へ通勤していたこと。
- 新卒生:東京都内に本部がある大学の東京圏内キャンパスに原則4年以上在学し、卒業すること。
- 直近1年以上、継続して居住・通勤している期間があること。
就業に関する要件
- マッチングサイトの利用:岩手県が運営するシゴトバクラシバいわて等の対象法人に就業すること。
- 雇用形態:週20時間以上の無期雇用契約であり、5年以上継続して勤務する意思があること。
- 経営者との関係:3親等以内の親族が代表者等を務める法人でないこと。
- テレワークの場合:自己の意思により移住し、移住先で移住前の業務を継続すること(社会人のみ)。
注意が必要な除外地域
東京圏内であっても、過疎地域自立促進特別措置法等に定める『条件不利地域』からの移住は、本制度の対象外となる場合があります。東京都であれば檜原村、奥多摩町、島嶼部などが該当します。
申請から支給までの5ステップ・フロー
補助金の申請はタイミングが非常に重要です。特に地方就職支援金の交通費は、内定後かつ卒業前に申請が可能です。
1
事前相談と内定獲得
遠野市内の企業に応募し、内定を得ます。この際、企業が移住支援金の対象法人であるかを確認しましょう。
2
遠野市への転入(引越し)
実際に遠野市へ住民票を移します。地方就職支援金の場合は、卒業後1年以内の転入が要件となります。
3
必要書類の準備
就業証明書、住民票、卒業証明書(学生)、振込先通帳の写し等を揃えます。
4
交付申請書の提出
遠野市観光交流課へ申請書を提出します。年度内の予算上限に達する前に早めの提出が推奨されます。
5
審査・交付決定・振込
市の審査を経て交付決定通知が届き、指定の口座に支援金が振り込まれます。
岩手県で併用・検討すべき関連支援制度
遠野市の支援金以外にも、岩手県全体で実施されている支援制度を組み合わせることで、移住初期の負担を大幅に軽減できます。
いわて産業人材奨学金返還支援制度
大学卒業後に県内企業(ものづくり・建設・IT等)に一定期間就業することを条件に、日本学生支援機構等の奨学金返還を県と企業が支援する制度です。2次募集は例年秋から翌年3月まで行われます。
いわてお試し居住体験事業
移住前に遠野での暮らしを体験したい方向けに、家電付きの県営住宅を月額10,000円程度の低廉な家賃で貸し出す事業です。子育て世代枠や担い手育成枠が用意されています。
起業・第二創業への支援(地方創生起業支援金)
地域課題の解決を目的にデジタル技術を活用して起業する場合、最大200万円の支援金が交付される可能性があります。移住後に自ら事業を立ち上げる方は必見です。
よくある質問(FAQ)
Q移住支援金を受け取った後、すぐに転出してしまったらどうなりますか?
返還義務が生じます。申請日から3年未満で転出した場合は全額、3年以上5年以内で転出した場合は半額の返還が請求されます。また、就業日から1年以内に退職した場合も原則として全額返還の対象です。
Q地方就職支援金はいつ申請すればいいですか?
交通費については内定後(卒業前)から申請可能です。移転費(引越し代)については、移住後かつ就業後に申請します。いずれも当該年度の2月14日が最終締め切りとなるため、早めの手続きを推奨します。
Q『子育て加算』の対象となる子供の条件は?
18歳未満の世帯員を帯同して移住した場合が対象です。令和7年度の規定では、お子さま1人につき100万円が加算されます。例えば、夫婦とお子さま2人の世帯であれば、100万円(基本)+200万円(加算)で計300万円となります。
Q公務員として採用された場合は対象になりますか?
原則として官公庁(公務員)への就業は対象外となります。ただし、第三セクターのうち地方公共団体から補助を受けている法人などは例外的に対象となる場合があります。詳細は個別に確認が必要です。
Q東京都内の大学に『通信制』で通っている場合は対象ですか?
地方就職支援金の場合、東京圏内のキャンパスに『通学』していることが要件の一つとされるため、通信制課程は原則として対象外となる可能性が高いです。通学の実態について、大学発行の証明書等で判断されます。
専門家活用のメリットと申請成功のノウハウ
補助金申請は、書類の不備一つで不採択や支給遅延が発生します。一般的に、以下の点に注意することで成功率が高まります。
採択に向けた重要ポイント
- 領収書の保管徹底:交通費や引越し費用の領収書は必ず原本を保管し、宛名や但し書きを正確に記載してもらってください。
- 早めの窓口相談:要件の解釈に迷った場合は、市役所の担当課に事前相談を行うことで、差し戻しのリスクを最小限に抑えられます。
- 専門家の活用:移住支援金に関連する起業支援金などを狙う場合は、中小企業診断士や行政書士等の専門家に事業計画の添削を依頼することも有効です。
遠野市への移住は、経済的なメリットだけでなく、豊かな自然環境と伝統文化に触れながら新しいキャリアを築く絶好の機会です。令和7年度の支援金制度を活用し、計画的かつ確実に移住プロセスを進めていきましょう。予算には限りがあるため、移住が決まったら早急に動くことが肝要です。
遠野市への移住・就職を検討中の方へ
制度の詳細や申請書のダウンロードは、遠野市公式サイトまたは岩手県移住定住ポータルサイトをご確認ください。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年4月)のものです。補助金の内容や予算状況は変更される場合がありますので、申請前に必ず遠野市観光交流課等の窓口で最新情報をご確認ください。