東京都は、災害時における社会福祉施設等の機能維持と利用者の安全確保を目的として、非常用電源設備等の導入費用を支援する補助事業を実施します。本制度は入所・通所・訪問・相談系など、都内のほぼ全ての社会福祉施設が対象となり、最大500万円(基準額)の補助を受けることが可能です。令和7年度の第1回申請は6月20日より開始されます。
この記事でわかること
- 補助対象となる社会福祉施設の具体的な範囲と必須要件
- 非常用電源、蓄電池、V2Hなど補助対象機器と助成上限額
- 令和7年度の申請スケジュールと第2回公募の見通し
- 申請に不可欠なBCP(事業継続計画)策定のポイント
- 実績報告から補助金交付までの具体的な手続きフロー
東京都社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業の概要
本事業は、首都直下地震等の大規模災害に備え、電力が遮断された際にも高齢者や障害者、児童などの要配慮者が利用する施設の機能を継続させることを目的としています。昨今の激甚化する自然災害を背景に、東京都独自の戦略である『2050東京戦略』の一環として、都市の強靭化を推進する重要な取組です。
特に小規模な施設でも利用しやすいよう、可搬型の蓄電池や車両接続型の電源設備なども補助対象に含まれており、施設の規模や特性に応じた柔軟な設備投資が可能となっています。
補助対象となる施設の種類と条件
本補助金の最大の特徴は、対象となる施設の幅広さにあります。都知事または都内区市町村長の指定を受けた施設であれば、入所系だけでなく、通所・訪問・相談系などの全ての社会福祉施設等が対象となります。
重要:申請のための必須要件
- 実績報告時までにBCP(事業継続計画)を策定していること
- 昨年度(令和6年度)に本事業の補助を受けていないこと
- 都内において事業を実施している施設であること
補助対象機器と補助基準額の詳細
導入する機器の種類によって、補助の基準額が細かく設定されています。補助率は一律4分の3となっており、自己負担を抑えながら高機能な防災設備を導入できる仕組みです。
※補助額は、補助基準額と実際の整備費用のいずれか少ない額に補助率(3/4)を乗じた金額となります(1円未満切り捨て)。設置に係る工事費が含まれる機器と、本体購入費のみが対象の機器があるため、事前の見積確認が重要です。
申請スケジュールと募集期間
令和7年度の事業は、現時点で第2回までの公募が予定されています。予算には限りがあるため、整備を検討されている施設は早めの準備を推奨します。
令和7年度 申請期間
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第1回公募:令和7年6月20日(金)~令和7年7月31日(木)
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第2回公募:令和7年8月25日(月)より受付開始予定
※第2回からは電子申請システム(jGrants)の利用も開始される予定です。
申請から補助金受領までの5ステップ
補助金の申請は、単に書類を提出するだけでなく、事前の計画策定や実績報告など、一連の流れを理解しておく必要があります。以下に主要なステップをまとめました。
1
導入計画の策定と見積取得
自施設の非常時に必要な電力容量を算出し、最適な機器を選定します。専門業者から相見積もりを取得し、補助基準額と比較検討を行います。
2
交付申請書の提出
受付期間内に東京都の指定ホームページ(またはjGrants)から申請します。必要書類が不足していると審査が遅れるため、チェックリストの活用を推奨します。
3
交付決定と機器の発注・設置
東京都から「交付決定通知書」が届いた後に、正式に機器を発注します。決定前に発注した経費は補助対象外となる場合があるため、順序を遵守してください。
4
BCPの策定完了と実績報告
機器の設置完了後、代金の支払いを済ませます。この時点でBCP(事業継続計画)が策定されている必要があります。領収書や設置写真、BCPの写しを添えて実績報告を行います。
5
補助金の交付(入金)
報告内容が適正であると認められると、指定の口座に補助金が振り込まれます。補助金受領後も、法定耐用年数期間内は適切な保守管理と財産処分制限の遵守が求められます。
採択率を高める申請のポイントとBCPの重要性
本補助金は要件を満たせば採択される可能性が高い制度ですが、最も高いハードルとなるのが「BCP(事業継続計画)の策定」です。BCPは、単に「計画書を作る」ことだけが目的ではなく、災害時に職員がどう動くかを具体的にシミュレーションしたものである必要があります。
補助金活用を成功させるアドバイス
補助金で購入した機器を「宝の持ち腐れ」にしないために、以下の3点を意識してください。
- 平時の訓練:年に数回、実際に非常用電源を起動し、必要なコンセントに接続する訓練を行いましょう。
- 保守点検:蓄電池の寿命や燃料の劣化を確認し、いざという時に動かないリスクを排除します。
- 周知:非常用電源の保管場所と使用方法を、夜勤スタッフを含む全職員で共有してください。
専門家活用のメリット
BCPの策定や複雑な交付申請手続きに不安がある場合は、行政書士や防災コンサルタント等の専門家を活用することも一つの手段です。適切な助言を受けることで、補助対象経費の仕分けミスや書類不備による不採択リスクを大幅に軽減でき、かつ実効性の高い防災体制を構築することが可能になります。
よくある質問(FAQ)
Q通所介護(デイサービス)でも申請できますか?
はい、可能です。本補助金は入所系だけでなく、通所、訪問、相談系など全ての社会福祉施設等が対象に含まれています。ただし、都内区市町村長等の指定を受けていることが条件となります。
Q昨年度(令和6年度)に可搬型蓄電池を購入しましたが、今年はV2Hを申請できますか?
いいえ、できません。昨年度の本事業により補助を受けている施設は、今年度は申請対象外となります。未導入の系列施設等であれば申請は可能です。
QBCPはいつまでに完成させる必要がありますか?
実績報告時までです。交付申請の段階で未完成であっても、機器の設置後に提出する実績報告書にBCPの写しを添付できれば問題ありません。
Q補助基準額を超える機器を購入した場合はどうなりますか?
補助金は「補助基準額」を上限として算出されます。例えば非常用電源設備で600万円の機器を購入した場合でも、基準額の500万円に補助率3/4を乗じた375万円が補助上限となります。超過分は全額自己負担です。
Q第2回公募はいつからですか?
令和7年8月25日(月)から開始される予定です。第2回からは従来の申請方法に加え、デジタル庁の電子申請システムjGrantsも利用可能になる見込みです。
問い合わせ先と詳細情報の確認方法
本事業に関する詳細なマニュアルや申請書類の様式は、東京都が設置する公式ホームページよりダウンロード可能です。不明点については専用のコールセンターで相談を受け付けています。
東京都社会福祉施設等への非常用電源等の整備促進事業コールセンター
- 電話番号:0120-843-658
- 受付時間:9:00~18:00(土・日・祝・年末年始を除く)
- 開設期間:令和7年6月20日~令和8年3月27日まで
大規模災害発生時、社会福祉施設は地域のセーフティネットとして極めて重要な役割を担います。本補助金を活用して非常用電源設備を整備することは、利用者の命を守るだけでなく、施設スタッフの不安解消や施設運営の信頼性向上にも直結します。公募期間が限定されているため、まずは自施設の防災計画(BCP)の見直しと、必要な設備の見積取得から着手されることをお勧めいたします。
申請準備はお早めに
詳細な募集要項や様式のダウンロードは東京都の公式サイトをご確認ください。予算に達し次第終了となる可能性があるため、早めの申請が重要です。
免責事項: 本記事の情報は令和7年度の公募予告および過去の実績に基づき作成されたものです。補助金の内容、要件、スケジュール等は東京都の判断により変更される場合があります。申請にあたっては必ず最新の公募要領および公式サイトの情報をご確認ください。また、本補助金の採択を保証するものではありません。