本事業は、グローバルサウス諸国の課題解決を通じて当該地域の成長力を取り込み、日本の経済安全保障の確保と国内産業の活性化を目指す大型補助金です。日本企業がグローバルサウス諸国で行う大規模な実証事業に対し、1件あたり最大40億円、補助率最大2/3の極めて手厚い支援が行われます。
この記事でわかること
- 最大40億円の補助金を受けられる対象事業の要件
- GX・DX・経済安全保障の3つの重点分野と具体的な類型
- 二次公募のスケジュールと申請における重要ポイント
- 採択率を高めるための実証計画の策定ノウハウ
グローバルサウス未来志向型共創等事業の目的と背景
急速な経済成長を遂げるグローバルサウス諸国(アジア、アフリカ、中南米等の新興国・途上国)は、将来的な巨大市場として注目される一方、インフラ整備、環境問題、デジタル化の遅れなど多様な社会課題を抱えています。本補助金は、日本企業が持つ高度な技術やシステムをこれらの地域で実証し、現地の課題解決(社会実装)を図ると同時に、日本国内へのイノベーション還流(リバースイノベーション)や、サプライチェーンの強靭化を実現することを目的としています。
特に現在募集が行われている『大型実証(非ASEAN加盟国)』枠は、1案件あたりの補助下限額が5億円超に設定されており、国家規模のプロジェクトや広域インフラへの展開を想定した非常に規模の大きい支援策となっています。
補助金額・補助率の概要
併用禁止および返還規定に関する注意点
- 他の国庫補助金(政府系機関からの支援金含む)との併用は認められません。
- 事業終了後、補助事業の要件を満たさなくなった場合や、不正が発覚した場合は補助金の返還を求められることがあります。
- 補助金額の下限が5億円に設定されているため、小規模なプロジェクトは対象外となります。
対象となる事業分野と事業類型
本補助金では、以下の3つの重点分野における事業を募集しています。いずれも、日本の強みを活かしつつグローバルサウス諸国の成長に寄与することが求められます。
1. GX分野(グリーントランスフォーメーション)
化石燃料からクリーンエネルギーへの転換、CO2排出削減に直結するプロジェクトが対象です。例えば、再生可能エネルギーインフラの構築、高効率な省エネ技術の導入、水素・アンモニア関連技術の実証などが含まれます。
2. DX分野(デジタルトランスフォーメーション)
デジタル技術を活用してビジネスモデルの変革や社会課題の解決を図る事業です。医療・ヘルスケア、防災・気候変動、農業、物流などの領域にデジタルを掛け合わせることで、現地の利便性向上や生産性拡大を目指します。
3. 経済安保分野(経済安全保障)
特定重要物資の供給網確保や、日本の経済安保に資する重要技術の確立に関わる案件です。サプライチェーンの多角化や強靭化に寄与する実証事業が強く推奨されます。
3つの採択類型
申請時には、以下のいずれか(または複数)に該当する必要があります:
- 類型1(共創型):現地でのデータ・知見を日本に還流させ、新たなイノベーションを創出する事業
- 類型2(海外展開型):高度技術の商業化により、現地でのデファクトスタンダードを獲得する事業
- 類型3(SC強靭化型):輸入依存度の高い物資の供給構造を多角化し、サプライチェーンを強化する事業
公募スケジュールと申請方法
現在、二次公募の受付が行われています。大型プロジェクトとなるため、準備には相応の期間が必要となります。締め切り直前はサーバーの混雑が予想されるため、余裕を持った申請を強くお勧めします。
1
公募開始
2025年12月18日(木)より二次公募の受付を開始しました。
2
GビズIDの取得
Jグランツによる電子申請には『GビズIDプライムアカウント』が必須です。取得には数週間かかる場合があります。
3
申請書類の作成
募集要領に基づき、事業計画書、収支計画、現地の提携先との協力関係を示す資料等を準備します。
4
電子申請の実施
2026年1月23日(金)12:00【必着】です。全てのファイルをアップロード完了する必要があります。
5
採択審査・交付決定
審査委員による評価を経て採択事業が決定。交付決定後に本格的な事業開始となります。
採択率を向上させるためのポイントと専門家活用のメリット
本補助金は非常に高額であるため、審査も極めて厳格に行われます。一般的に、以下の要素が明確であるプロジェクトが採択されやすい傾向にあります。
成功へのチェックリスト
- 現地課題の具体性:グローバルサウス諸国のどの課題を、なぜ自社の技術で解決できるのかが明確か。
- 事業の継続性:補助期間終了後、どのように収益化し自立的に事業を継続させるかのロードマップがあるか。
- 体制の盤石さ:現地の政府機関や企業、研究機関との連携体制(コンソーシアム)が構築されているか。
- 日本への還元:その事業が日本の経済成長や安全保障にどう貢献するかが定量的・論理的に説明されているか。
また、大規模な海外実証では「現地の法規制」「外貨送金のリスク」「知財保護」など、技術以外の障壁が多く存在します。これらに対するリスクヘッジ案を事業計画に盛り込むことが不可欠です。補助金コンサルタントや海外展開支援の専門家を活用することで、公募要領の意図を汲み取った高品質な計画書の作成が可能となります。
よくある質問(FAQ)
QASEAN諸国での事業は対象になりますか?
本枠(非ASEAN加盟国)では、ASEAN加盟国での事業は対象外です。ASEAN諸国を対象とする場合は、別途設置されている「大型実証 ASEAN加盟国」枠の特設サイトをご確認ください。
Q補助下限額5億円超に届かない場合は申請できませんか?
「大型実証」枠では5億円超の予算規模が必須となります。これに満たない比較的小規模なプロジェクトについては「小規模実証・FS事業」枠が別途用意されていますので、そちらの検討をお勧めします。
Q共同申請(コンソーシアム)での応募は可能ですか?
可能です。むしろ大型実証においては、複数の企業や大学等が連携するコンソーシアム形態が一般的です。ただし、中小企業向けの2/3補助率の適用を受けるには、幹事法人および共同申請者のすべてが中小企業である必要があります。
Qウクライナ復興支援もこの枠組みに含まれますか?
グローバルサウス未来志向型共創等事業の中には「ウクライナ復興支援・中東欧諸国等連携強化」という独立した事業が存在します。目的は異なりますが、広義の同シリーズ事業として位置づけられています。公募期間等が異なるため注意が必要です。
Q圧縮記帳は適用できますか?
本補助金における圧縮記帳等の考え方については、事務局から別途資料が公開されています。税務上の処理は非常に重要ですので、必ず最新の「圧縮記帳等の考え方について」という資料を確認し、顧問税理士等と相談の上で計画を立ててください。
グローバルサウス未来志向型共創等事業補助金は、日本企業が世界の成長センターである新興国・途上国へ進出し、国際的な競争力を高めるための強力な武器となります。40億円という破格の補助額は、一企業の努力だけでは難しい大規模な海外実証を後押しするものです。二次公募の締め切りは2026年1月23日。この機会を逃さず、世界に資する革新的な事業計画を練り上げてください。
公募要領・詳細情報の確認はこちら
最新の募集要領および申請様式は公式サイトからダウンロード可能です。締め切り時間厳守で準備を進めてください。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年12月)のものです。補助金の内容、対象国、募集期間等は変更される場合があります。また、ウクライナ復興支援など一部終了している公募情報も含まれます。申請にあたっては、必ず経済産業省および事務局(グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金事務局)の公式サイトで最新情報をご確認ください。