福島県浜通り地域12市町村を舞台に、アートやデザインの力を活用して新たな関係人口を創出する『令和7年度 地域経済政策推進事業費補助金(ハマコネ)』の公募が開始されました。日本全国の事業者や芸術家が対象となり、最大2,000万円(特例で5,000万円程度)という高額な支援に加え、補助率5分の4という極めて手厚い条件が特徴です。本記事では、申請に必須となる事前の参加表明から、採択を勝ち取るためのポイントまでを徹底解説します。
この記事でわかること
- 最大2,000万円、補助率5分の4という破格の支援内容
- 福島県12市町村(浜通り地域等)における事業展開の要件
- 申請前に必須となる『参加表明』の期限と手続き方法
- 事務局によるアーティスト紹介や伴走支援などの強力なサポート体制
- 採択されやすい事業計画書作成のヒントと注意点
1. ハマコネ(HAMA CONNECTED)の概要と目的
本事業は、東京電力福島第一原子力発電所の事故に伴い避難指示等の対象となった福島県浜通り地域等12市町村(田村市、南相馬市、川俣町、広野町、楢葉町、富岡町、川内村、大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村)の復興と発展を目的としています。単なる一時的なイベント支援ではなく、映像や芸術文化を通じて地域外の人々が継続的に関わる『関係人口』の創出を目指す自律的な事業を強力にバックアップします。
対象となる12市町村の詳細
本補助金の対象エリアは以下の12自治体です。事業の主たる活動場所はこれらの地域内である必要がありますが、事務局との協議により地域外での活動(国内外問わず)が認められるケースもあります。
- 田村市、南相馬市、川俣町
- 広野町、楢葉町、富岡町、川内村
- 大熊町、双葉町、浪江町、葛尾村、飯舘村
2. 補助金額と補助率:5分の4という異例の手厚さ
一般的な補助金の補助率は2分の1から3分の2程度であることが多い中、ハマコネは『補助率5分の4(80%)』という非常に高い水準に設定されています。これにより、事業者は自己負担を抑えつつ、質の高いクリエイティブな挑戦を行うことが可能です。
ここがポイント!
下限額は原則100万円ですが、事業効果が高いと判断されれば100万円未満の申請も採択される可能性があります。また、極めて重要かつ大規模なプロジェクトについては、1件に限り5,000万円程度の支援が行われる可能性も示唆されています。
3. 補助対象者と対象事業の要件
対象となる申請者
12市町村内に拠点がある事業者はもちろん、日本全国の法人(企業、NPO、一般社団法人等)、任意団体、個人事業主、グループでの応募が可能です。
- 法人(営利・非営利を問わず)
- 任意団体(決算書等で収支状況が確認できること)
- 個人・グループ(一定の所得があり、確定申告を行っていること)
『アーティスト等』の広範な定義
本補助金で協働するアーティスト等の範囲は非常に広く、いわゆる現代アート作家だけでなく、以下のような専門家も含まれます。
画家、彫刻家、音楽家、作詞家、演劇作家、俳優、料理人、書道家、建築家、WEBクリエイター、写真家、デザイナー、クリエイター等
4. 対象事業の具体例:どのようなプロジェクトが求められるか
採択されるためには、アートやデザインを単なる『装飾』として使うのではなく、地域の魅力発信や課題解決に結びつける視点が不可欠です。
5. スケジュールと申請の重要ステップ
【最重要】参加表明を忘れると申請できません
本補助金は、本申請の数日前に締め切られる『参加表明』が必須条件です。参加表明がない場合、いかなる理由があっても本申請書類は受理されませんので、まず最初に手続きを行ってください。
1
参加表明の完了(2025年6月5日 17:00締切)
公式WEBサイトのフォームから、団体名や連絡先を入力して送信します。
2
申請書類の作成・提出(2025年6月9日 17:00締切)
事業計画書や収支予算書などの必要書類一式をメールで事務局へ送信します。
3
審査・交付決定(2025年6月下旬予定)
書類審査(必要に応じてヒアリング)を経て、採択者が決定され、交付決定通知が行われます。
4
補助事業の実施
交付決定後に発注・契約を行い、事業を実施します。期間は2026年2月27日までです。
5
実績報告と補助金の入金
事業終了後に実績報告書を提出。事務局による確定検査を経て補助金が支払われます。
6. 採択率を高めるための3つのポイント
審査では、単なるアイデアの面白さだけでなく、『持続可能性』と『地域への深い関わり』が厳しくチェックされます。以下のポイントを意識して事業計画を練りましょう。
① 補助期間終了後のビジョンを明確にする
補助金が出る期間(令和7年度内)だけ活動して終わり、という事業は評価されません。2年目以降、どのように自走して事業を継続させるのか、どのようにして継続的なファン(関係人口)を定着させるのかを具体的に記載しましょう。
② 地域コミュニティとの連携体制
外部からアーティストが来て勝手に作品を作って帰る、という形では地域の理解は得られません。現地の自治体、商店街、住民組織などとどのようにコミュニケーションを取り、巻き込んでいくのかという『実施体制』の具体性が重要です。
③ クリエイティブの質の担保
『映像・芸術文化』を冠する事業である以上、アウトプットの質も問われます。過去の実績や、どのような専門家(アーティスト等)と協働するのかを明示し、プロジェクトの実現可能性と魅力をアピールしてください。
事務局によるマッチング支援を活用しよう!
『地域で何かしたいけれど、適したアーティストが身近にいない』という場合でも、採択後に事務局から専門人材やアーティストの紹介を受けることが可能です。まずは志の高い事業計画を立てることが重要です。
7. よくある質問(FAQ)
Q12市町村以外に本社がある企業でも応募できますか?
はい、可能です。日本全国の事業者が対象です。ただし、事業自体は対象の12市町村と深く関わるものである必要があります。
Q収益が発生するビジネスモデルでも申請できますか?
可能です。むしろ自律的な継続性が重視されるため、収益化の計画は歓迎されます。ただし、補助事業期間中に発生した利益(収益から経費を引いた額)については、補助金額から減額される場合があります。
Q既に開始しているプロジェクトの経費を遡って請求できますか?
できません。交付決定日以降に発注・契約した経費のみが対象となります。事前着手は認められませんのでご注意ください。
Q『ハマカルアートプロジェクト』との違いは何ですか?
ハマカルは主にアーティストや学生の『滞在制作(レジデンス)』を支援する性格が強いのに対し、ハマコネはより広くアートを活用した『事業・ビジネス』を支援するものです。施設の整備や新商品開発など、中長期的な経済活動への展開が期待されるのがハマコネの特徴です。
Q補助金はいつ支払われますか?
原則として、事業完了後の『後払い』となります。実績報告書を提出し、金額が確定した後に振り込まれます。事業実施期間中の資金繰りについては、あらかじめ検討しておく必要があります。
8. 補助対象となる経費・ならない経費
補助対象経費は、原則として『税抜金額』で積算します。何が認められ、何が認められないのか、代表的なものを把握しておきましょう。
主な補助対象経費
- 人件費(補助事業に従事するスタッフ等の費用、経理担当者の計上も可)
- 謝金(外部アーティスト、専門家への協力依頼費用)
- 旅費(事業実施に必要な交通費、宿泊費)
- 備品費(1点5万円以上の機械・装置、設備等の購入・制作費)
- 外注費・委託費(事業の一部を第三者に委託する費用)
- 広報費(パンフレット作成、WEBサイト制作、広告宣伝費等)
補助対象とならない経費の例
- 消費税および地方消費税
- 事務所の賃借料、光熱水費等の経常的な管理経費
- 汎用性の高い備品(PC、スマートフォン、タブレット、事務用用品等)
- 接待費、飲食代(打合せ時の茶菓子代等を含む)
- 自社サービスや自社在庫を利用した際の経費(原価計上の特例あり)
まとめ:福島浜通りの未来をクリエイティブに描くチャンス
『ハマコネ』は、単なる資金支援の枠を超え、福島県12市町村という特別な場所で、アーティストと事業者が手を取り合い、新しい時代のまちづくりに挑戦するためのプラットフォームです。補助率5分の4、最大2,000万円という条件は、攻めの姿勢で事業を拡大したい方にとって大きな後押しとなるはずです。2025年6月5日の参加表明締切に向けて、まずは第一歩を踏み出しましょう。
公募説明会と詳細確認はこちら
公式WEBサイトより公募要領をダウンロードし、最新の情報を確認してください。オンライン説明会(5月16日)への参加も推奨されています。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年5月)のものです。補助金の内容やスケジュールは変更される場合がありますので、申請前に必ず事務局の公式サイトで最新の公募要領をご確認ください。