東京都では、エネルギー価格や物価の高騰により経営環境が厳しさを増している医療機関や障害者福祉施設を支援するため、物価高騰緊急対策支援金を支給しています。令和7年度においては、対象期間が2025年12月31日まで延長され、過去に申請を行わなかった施設への新規受付も実施されます。本記事では、対象範囲、支給額の計算方法、申請のスケジュールについて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 医療機関と障害者施設それぞれの支給対象期間と延長の詳細
- 施設区分ごとの基準単価と支給額の算出シミュレーション
- Jグランツ(電子申請)と書面申請の具体的な手続きフロー
- 令和8年1月に設定された最終申請期限と実績報告の注意点
- 審査を円滑に進めるための必要書類とよくある不備対策
1. 令和7年度 東京都物価高騰緊急対策支援金の概要
東京都は、国の新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金を活用し、エネルギー価格の高騰による負担を軽減するための緊急対策を継続しています。特に医療機関や障害者施設は、利用者に価格転嫁することが困難なサービス特性があるため、公的な支援が不可欠となっています。
対象期間の延長(3か月分追加)
当初は令和7年9月30日までを対象期間としていましたが、昨今の物価動向を鑑み、令和7年12月31日まで3か月分を延長して実施することが決定しました。これにより、合計9か月分の支援が受けられることになります。
重要:過去に未申請の施設への新規受付
- 従来の期限までに申請を行わなかった医療機関等も、今回改めて新規申請を行うことが可能です。
- 既に交付申請済みの施設は、延長期間分(10月~12月)の追加手続きが必要となります。
2. 支給対象となる事業者と施設区分
本支援金は、東京都内に所在する医療機関、歯科診療所、助産所、施術所、歯科技工所、および各種障害福祉サービス事業所が対象です。ただし、東京都が直接開設している病院や診療所、および国・地方公共団体が設置する一部の施設は除外されます。
医療機関等の対象範囲
障害者施設等の対象範囲
障害者施設等は、サービス形態(入所・通所・訪問・相談)に応じて区分されます。生活介護、就労継続支援(A型・B型)、グループホーム、放課後等デイサービスなどが広く対象に含まれます。
3. 支援金・補助金の基準単価と支給額
支給額は、施設の種類や規模(病床数や定員数)に基づいて算出されます。令和7年4月から12月までの9か月分に対応した改定後の単価が適用されます。
医療機関等の支給単価(9か月分合計)
無床診療所・歯科診療所(1施設あたり)
117,000円
病院および有床診療所の場合は、さらに以下の「入院患者数に応じた加算」が行われます。
- 基本額:117,000円
- 光熱費加算:21,000円 × 許可病床数
- 食材費加算:15円 × 延べ入院患者数(実績値)
障害者施設等の支給単価(9か月分合計)
障害者施設等の補助額は、入所・通所の場合は定員数に基づき、訪問・相談系は定額で設定されています。なお、燃料費・光熱費の実支出額が上限となる場合があります。
4. 申請スケジュールと重要期限
申請スケジュールは、施設区分および申請方法(Jグランツまたは書面)により細かく分かれています。特に、令和8年(2026年)1月の最終期限を逃すと受給できなくなるため注意が必要です。
【医療機関等】Jグランツ申請のスケジュール
- 交付申請受付(延長分・新規): 2025年10月1日 ~ 10月31日
- 実績報告書提出期限: 2026年1月23日(金曜日)
- 精算報告書提出期限: 2026年2月27日(金曜日)
- 支援金支給時期: 2026年3月以降(順次)
【障害者施設等】申請スケジュール
- 新規Web事前申込(未申請施設): 2025年11月4日 ~ 11月28日
- 本申請・実績報告受付: 2026年1月5日 ~ 1月23日(厳守)
- 補助金支給時期: 2026年5月下旬予定
期限超過による失格に注意
締切後の申請や、実績報告の遅延は一切認められません。特に書面申請の場合は、消印有効日を必ず確認し、余裕を持って郵送してください。
5. 申請方法と具体的な手続きステップ
本支援金の手続きは、デジタル庁の「Jグランツ」を活用した電子申請が推奨されています。郵送による書面申請も可能ですが、事前申込フォームからの入力が必要となるなど手順が異なります。
1
GビズIDの取得(電子申請のみ)
Jグランツ申請には「gBizIDプライム」のアカウントが必須です。取得には2~3週間程度かかるため、未取得の場合は早急に手続きを開始してください。
2
交付申請書の作成と提出
Jグランツまたは専用のWebフォームから、施設情報、病床数、延べ入院患者数の見込み(病院等の場合)などを入力して申請します。
3
交付決定と概算払(該当施設のみ)
事務局での審査後、交付決定通知が届きます。病院や有床診療所については、決定額の約7割が概算払として先行支給される場合があります。
4
実績報告書の提出
令和8年1月までに、実際の入院患者数や経費の実支出額を報告します。この報告に基づき、最終的な支援金額が確定します。
5
額の確定と精算
確定した金額と概算払額の差額が精算され、最終的な支給が行われます。精算報告書の提出も忘れずに行ってください。
6. 採択を確実にするための申請のコツと注意点
補助金や支援金の申請では、形式的な不備による差し戻しや却下が最も多い失敗パターンです。以下のポイントを事前に確認しておくことで、審査をスムーズに通過させることができます。
1. 振込口座名義の正確な入力
通帳のコピーと、申請時に入力した「カナ名義」が完全に一致している必要があります。法人の種類(シャ、ザイなど)の略称の有無についても、通帳の記載通りに入力してください。
2. 許可病床数と休棟の取り扱い
医療機関の場合、許可病床数から「休棟中の病床」を除いて申請する必要があります。実績報告時に数値が乖離していると、返還を求められる可能性もあるため、正確な実態を把握して入力してください。
専門家活用とデジタル化のメリット
顧問税理士や行政書士に書類の確認を依頼することで、不備を未然に防ぐことができます。また、Jグランツでの申請は郵送コストがかからず、過去の申請情報を引用できるため、事務負担の軽減に大きく寄与します。
7. よくある質問(FAQ)
Q令和6年度に申請したのですが、令和7年度分も自動的に支給されますか?
いいえ。令和7年度分として、改めて交付申請または延長に伴う再申請の手続きが必要です。自動更新はされませんのでご注意ください。
Q対象期間中に施設を廃止・休止した場合はどうなりますか?
2025年10月1日以降に廃止・休止した場合は、延長前の金額(3分の2相当)の支給となります。廃止時期によって支給額が変動するため、詳細はコールセンターへご相談ください。
Q印鑑証明書はいつのものが必要ですか?
書面申請の場合、発行から3か月以内の原本が必要です。Jグランツ(電子申請)の場合は、GビズIDによる認証を行うため、印鑑証明書の提出は原則不要です。
Q障害者施設の「燃料費」の対象は何ですか?
送迎車両のガソリン代や、施設の暖房用の灯油代などが含まれます。ただし、法人の他事業と共用している場合は、按分計算が必要になる場合があります。
Q個人事業主でも申請できますか?
はい。対象となる医療機関や施術所を開設している個人事業主の方も申請可能です。その際、印鑑証明書の代わりに市町村発行の印鑑登録証明書を使用してください。
本支援金は、物価高騰に直面する事業者の皆様を支えるための重要な制度です。対象期間が2025年12月末まで延長され、支給総額も増額されています。申請期限は令和8年1月23日となっておりますので、必要書類の準備や実績データの集計を早めに進め、確実に受給できるように準備してください。
最新情報の確認と申請手続きはこちら
東京都の公式ホームページおよび「東京都障害者サービス情報」にて、最新の要綱と様式が公開されています。不備のない申請を心がけましょう。
免責事項: 本記事の情報は作成時点(2025年10月)のものです。支援金の詳細な要件やスケジュールは、社会情勢や予算状況により変更される場合があります。申請にあたっては、必ず東京都の公式サイトや各事務局からの通知を確認してください。