流山市で事業を営む皆様にとって、就職困難者の雇用は地域貢献とともに、貴重な戦力を確保する大きな一歩になります。しかし、雇用に伴う人件費の負担は決して小さくありません。そこで活用したいのが、国の特定求職者雇用開発助成金の受給が終わった後、流山市から独自に支給される’雇用促進奨励金’です。この記事では、最大36万円の支給を受けられるこの制度の活用術を、申請者目線で徹底的に解説します。
この補助金の要点
国の助成金(特開金)が終了した翌月から最大2年間、市から月額最大1.5万円の支援が継続します。対象は流山市内に住む60歳以上の方や障害者、ひとり親などで、雇用を継続するほどメリットが大きくなる仕組みが特徴です。
流山市雇用促進奨励金とはどのような制度か
この奨励金は、流山市内に住む就職が特に困難な方々を雇用し、長期間にわたって雇用を維持している事業主を応援するために設けられました。一般的な雇用助成金は雇い入れのタイミングで支給されることが多いのですが、この制度のユニークな点は、国の特定求職者雇用開発助成金、通称’特開金’の支給期間が終わってからスタートする点にあります。国の支援が切れた後の、最も定着が重要となる時期に市が並走してくれるという、非常に心強いサポート体制といえるでしょう。
対象となるのは、60歳以上のシニア層や障害をお持ちの方、あるいは母子家庭の母や父子家庭の父といった方々です。流山市内に住所があることが条件となるため、地域雇用を促進する役割も果たしています。実は、千葉県内の他市、例えば市川市や白井市などでも同様の雇用促進奨励金が存在しますが、流山市のように国の助成金と完全にリンクさせた形で継続雇用を評価する仕組みは、計画的な雇用維持を考える経営者にとって非常に分かりやすい設計になっています。
気になる支給額と期間を具体例でシミュレーション
支給される金額は、対象となる労働者に支払われた各月の賃金の30パーセントが基本となります。ただし、1人あたりの上限額は月額15,000円と決まっており、多くのケースではこの上限額が適用されることになるはずです。支給期間については、一般の対象者であれば1年間ですが、障害者を雇用している場合には2年間という長期にわたる支援が受けられます。具体的にどれくらいの金額が手元に残るのか、3つのパターンで見ていきましょう。
障害者を2年間雇用した場合の最大受給額
360,000円
ケース1:ひとり親世帯の母を雇用した場合
月給24万円で母子家庭のお母さんを雇用したとしましょう。まず、国の助成金が1年間支給されますが、それが終了した翌月から市の奨励金が始まります。月給の30パーセントは72,000円ですが、上限が15,000円のため、毎月15,000円が支給されます。これを12ヶ月間継続すると、合計で18万円の奨励金を受け取ることができます。年度をまたぐ場合でも、月数に応じてしっかりと計算されるため安心してください。
ケース2:60歳以上のシニア層が途中で退職した場合
次に、月給45,000円の短時間勤務で60歳以上の方を雇用し、残念ながら奨励金の支給期間中に退職してしまったケースを考えます。この場合、賃金の30パーセントは13,500円となり、上限の15,000円を下回るため、13,500円が月額の支給額になります。もし8ヶ月で退職したとすれば、13,500円に8を掛けた108,000円が支給対象です。退職した月の分は対象外になりますが、その前月までは日割りではなく月単位で計算されるというルールを覚えておくと良いでしょう。
ケース3:障害者を雇用し2年間継続した場合
最も手厚い支援を受けられるのが障害者雇用のケースです。月給12万円であれば、30パーセントは36,000円ですが、やはり上限の15,000円が適用されます。障害者の場合は支給期間が2年間に延長されるため、15,000円を24ヶ月分、つまり合計で36万円を受給できる計算になります。これだけの金額があれば、職場環境の整備や補助器具の購入費用、あるいは教育訓練のためのコストとしても十分に活用できるのではないでしょうか。
対象となる経費と事業主の必須条件
この制度で最も重要なのは、対象となる労働者が’流山市内に居住していること’と、雇い入れの際に’ハローワークなどの紹介を経ていること’です。最近では民間の求人サイトを利用される企業も増えていますが、本奨励金や国の特開金を受けるためには、公共職業安定所、つまりハローワークを介した正規の手続きが必須となります。まずは求人を出す段階で、助成金の活用を視野に入れた窓口選択が必要になるでしょう。
また、事業主側の条件として、雇用保険の適切な加入はもちろんのこと、賃金台帳や出勤簿といった帳簿類がしっかりと整備されていることが求められます。これは当たり前のことのように思えますが、残業代の計算や休日出勤の記録が曖昧だと、審査の段階で不備を指摘される原因になります。さらに、流山市の税金を完納していることも絶対条件ですので、申請前に納税状況を確認しておくことを強くお勧めします。
注意点
国の特定求職者雇用開発助成金を申請していることが大前提です。国への申請を行った時点で、流山市の商工振興課にも’将来的に市の奨励金を利用したい’という旨を事前に伝えておきましょう。この一言が、後のスムーズな申請へと繋がります。
申請から受給までの5つのステップ
ハローワーク経由での雇用
まずは流山市内に住む対象者を、ハローワーク等の紹介を通じて雇用します。この時、国の特定求職者雇用開発助成金の対象になるかを窓口で確認してください。
国の助成金を完走させる
特開金の支給期間(通常1年間、障害者は最大3年間)の間、適切に雇用を継続し、国からの支給をすべて受け終える必要があります。
市への交付申請書の提出
国の助成期間が終わったら、流山市の商工振興課へ交付申請書を提出します。賃金台帳や国の支給決定通知書の写しなど、準備する書類は多めですので早めに整理しておきましょう。
雇用実績報告と審査
市が書類をチェックし、対象労働者の出勤状況や給与の支払い実績を確認します。不明点があれば電話や窓口でヒアリングが行われることもあります。
奨励金の振り込み
無事に審査を通過すれば、指定した口座に奨励金が振り込まれます。基本的には年度ごとに申請と交付が行われる形になります。
採択されやすくするための申請のコツ
この奨励金は、予算の範囲内で交付されるものですが、要件をすべて満たしていれば基本的には交付される仕組みです。それだけに、’書類の不備で足踏みをしないこと’が最大のコツといえます。特に注意したいのが、国の支給決定通知書の管理です。国の助成金は支給まで時間がかかることが多いため、通知書が届いたらすぐにスキャンして保管しておく習慣をつけてください。数年前の書類を引っ張り出すのは大変ですが、これがないと市の申請は進みません。
また、労働時間の管理にも気を配りましょう。市川市の事例を見ても分かる通り、週30時間以上の勤務(重度障害者は20時間以上)といったラインが多くの自治体で指標になっています。流山市の場合も、国の特開金の受給資格を維持し続けることが条件ですので、勝手な判断で労働時間を減らしたり、雇用形態を大きく変更したりしないよう注意が必要です。もし変更が必要になった場合は、事前に市やハローワークに相談するのが賢明な判断といえるでしょう。
ポイント
申請書類には’納税状況確認承諾書’が含まれます。これは市が直接、事業主の納税状況を照会することに同意する書類です。法人の市民税だけでなく、固定資産税なども含めて滞納がないか、経理担当者と連携してチェックしておきましょう。
よくある質問
Q. 他市に住んでいる人を雇用した場合も対象になりますか?
A. 残念ながら対象外です。この奨励金は流山市民の雇用を促進することを目的としているため、雇い入れ時点で流山市内に住民登録があることが必須条件となります。
Q. 国の助成金をもらわずに、市の奨励金だけを申請することはできますか?
A. できません。制度の設計上、国の特定求職者雇用開発助成金の受給資格決定を受けていることが条件となっています。まずは国の制度をクリアすることが第一歩です。
Q. 複数の人を雇用している場合、全員分を合算して申請できますか?
A. はい、可能です。対象労働者1人ひとりについて上限15,000円が適用されますので、雇用人数が多いほど事業所への総支給額は大きくなります。
Q. 会社の住所が市外にあるのですが、事業所が流山市内にあれば申請できますか?
A. 市内の事業所において雇用していれば対象となります。ただし、市税を完納していることなどの条件があるため、流山市内に事業所登録があり、そこで納税義務が生じている必要があります。
Q. 対象者が途中で休職した期間はどうなりますか?
A. 奨励金は実際に支払われた賃金に基づいて計算されます。休職等で賃金の支払いがなかった月については、支給の対象外となります。
まとめ
流山市雇用促進奨励金は、国の助成金が終わった後の’空白期間’を埋めてくれる素晴らしい制度です。特に障害者雇用の場合は2年間で最大36万円という決して無視できない金額が支給されます。申請には国の決定通知書や正確な賃金台帳が必要ですので、日頃からの書類管理を徹底しておきましょう。流山市の発展を支える人材を、市の支援を受けながら大切に育てていってくださいね。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新の情報や詳細な要件については、流山市経済振興部商工振興課の公式サイトをご確認ください。