長野県諏訪市で新しい技術開発に取り組む中小企業や個人事業主の皆さん、せっかく生み出した独自のアイデアをしっかりと保護できていますか。特許の取得は自社の技術を守る強力な盾になりますが、弁理士への報酬や特許庁への支払いなど、決して少なくない費用がネックになる場面も多いでしょう。そんな時に活用したいのが、諏訪市が提供している特許権取得のサポート制度です。本記事では、最大10万円まで経費を補填してくれるこの補助金について、申請の条件や対象となる費用の内訳を詳しく解説します。
この補助金の要点
長野県諏訪市内の事業者が、国内で特許権を新規取得した際にかかった経費の半分を支援する制度です。弁理士への依頼料や特許庁へ納める出願料・登録料などが対象となり、1事業者につき最大10万円が支給されます。平成31年4月以降に取得した権利が対象となるため、最近取得したばかりの方も要チェックの内容です。
諏訪市知的財産権取得支援事業補助金の概要
この制度は、諏訪市内で事業を営む方々が知財戦略を強化し、新たな開発やビジネスの創出に意欲的に取り組めるよう設計されました。補助金の名称は『知的財産権取得支援事業補助金』ですが、今回の募集における対象は『特許権』に限定されている点に注意が必要です。商標や意匠などは対象外となるため、自社の発明を権利化する際に利用することを前提に考えておきましょう。
特許を取得するためには、専門家である弁理士の力が欠かせません。しかし、書類の作成から特許庁への手続き代行まで依頼すると、数十万円単位の出費を覚悟しなければならないのが現実です。諏訪市はこの負担を軽減することで、地域産業の活性化を目指しています。特に、精密機械や電子機器などの製造業が集積する諏訪エリアにおいて、独自技術の権利化は競合他社との差別化を図るための最良の手段といえるでしょう。
補助上限額
10万円
対象となる事業者の条件
申請ができるのは、諏訪市内に拠点を置く中小企業者または個人事業主です。法人の場合は本店所在地が市内であること、個人の場合は市内で事業を営んでいることが基本となります。さらに重要なポイントは、平成31年4月1日以降に国内で新しく特許権を取得しているという点です。これから出願を計画している方はもちろん、すでに取得を完了して支払いも済んでいる場合でも、この日付以降の取得であれば申請の権利を有します。過去数年間の実績を一度振り返ってみることをおすすめします。
補助対象となる経費と補助率の詳細
補助率は対象経費の2分の1以内と決められています。上限が10万円なので、総額で20万円以上の経費が発生していれば、満額の10万円を受け取れる計算です。では、具体的にどのような費用が対象として認められるのでしょうか。まず代表的なものは、弁理士に手続きを依頼した際に支払う報酬です。特許出願の書類作成は非常に専門性が高く、プロに任せるケースが多いため、この費用が補助されるのは非常に助かります。次に、特許庁へ直接納付する各種手数料も対象に含まれます。出願料、審査請求料、審判請求料、そして最初の登録に必要な特許料などがこれに該当します。
注意点
全ての費用が補助されるわけではありません。例えば、特許権を維持し続けるための年金(維持費)や、出願前に行う先行技術調査の費用は対象外です。また、弁理士に支払った報酬のうち、源泉徴収所得税にあたる金額も差し引いて計算する必要があります。領収書や明細書を確認する際は、これらの項目を分けて把握しておきましょう。
| 項目 | 補助の可否 |
|---|---|
| 弁理士への手続依頼費用 | 対象(源泉税を除く) |
| 特許庁への出願料・審査請求料 | 対象 |
| 特許登録料(初回分) | 対象 |
| 先行技術調査の費用 | 対象外 |
| 特許権の維持管理費 | 対象外 |
申請から交付までの5ステップ
補助金を確実に受け取るためには、正しい手順で進める必要があります。この補助金は『特許権を取得した後』に申請する後払い方式です。どのような流れになるのか、順番に見ていきましょう。
特許権の新規取得
まずは国内において特許権を正式に取得してください。特許証が届き、登録が完了していることが条件となります。
必要書類の収集と準備
弁理士からの請求書や領収書、特許庁への納付が証明できる書類、取得した特許の内容がわかる資料を整理します。
諏訪市役所へ申請書を提出
所定の申請書に記入し、準備した添付書類とともに諏訪市の産業振興部門へ提出します。郵送や持参で受け付けています。
審査と交付決定
市が書類の内容を確認し、不備がなければ補助金の交付が決定されます。決定通知が自宅または事務所に届きます。
補助金の振込み
指定した金融機関の口座に、決定された金額が振り込まれます。これで全ての手続きが完了です。
申請のコツと採択に向けたアドバイス
この補助金は、新規事業の計画書などを競い合わせるタイプではなく、要件を満たして適切な書類を提出すれば受け取れる可能性が高い制度です。そのため、最も大切なのは『支出を証明するエビデンス』を漏れなく揃えることに尽きます。弁理士事務所からの明細書には、対象外となる先行調査費が含まれているケースも多いため、あらかじめ「補助金の申請に使うので、内訳を明確にしてほしい」と伝えておくとスムーズでしょう。
ポイント
もし海外への出願も考えている場合は、長野県が実施している『中小企業等海外出願支援事業』との併用も検討してください。諏訪市の補助金は国内特許がメインですが、海外展開を見据えた高額な出願費用には県や国の別枠の支援が適しています。自社のビジネス規模に合わせて、複数の支援策を組み合わせることが知財コストを抑える賢い方法です。
よくある質問
Q. 商標登録の費用も補助対象になりますか?
A. いいえ、今回の諏訪市の制度では『特許権』の取得に限定されています。商標や意匠、実用新案の登録にかかる費用は対象外となりますのでご注意ください。
Q. 昨年に特許を取得したのですが、今からでも間に合いますか?
A. はい、平成31年4月1日以降の取得であれば対象に含まれます。ただし、予算枠には限りがあるため、なるべく早めに申請を行うことをお勧めします。令和7年度の最終期限は2026年3月10日です。
Q. 個人事業主でも申請できますか?
A. はい、諏訪市内で事業を営んでいる個人事業主の方も対象となります。中小企業の定義に沿っていれば、業種を問わず申請が可能です。
Q. 補助金の10万円を超える経費がかかった場合はどうなりますか?
A. 補助される金額の上限が10万円と決まっています。例えば経費が30万円かかったとしても、支給されるのは上限の10万円までとなります。経費の半分(1/2)というルールも適用されるため、経費が16万円の場合は8万円の補助となります。
Q. 申請に必要な特許証はコピーでも大丈夫ですか?
A. 申請時には、特許の内容や権利者を証明できる書類の写しが必要です。詳細な必要書類については、諏訪市役所の公式サイトにある交付要綱を確認するか、担当窓口へ問い合わせてください。
まとめ
諏訪市の『知的財産権取得支援事業補助金』は、企業の技術的な強みを守るための強力なバックアップとなります。最大10万円という金額は、特許出願の全額を賄うには十分ではないかもしれませんが、特許庁への納付金や弁理士報酬の足しとしては非常に価値のあるものです。特に「平成31年4月以降に取得した特許」が対象となっているため、遡って活用できる点は見逃せません。まずは手元に保管されている特許関係の領収書を整理し、自分が対象になるかどうかを確認してみましょう。市内のものづくり文化を次世代へつなぐためにも、こうした制度を賢く利用して自社の価値を高めていってください。
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