小田原市内で高齢者福祉サービスを提供する事業者の皆様にとって、長引くエネルギー価格や食料品の値上がりは経営を圧迫する深刻な問題です。市はこの状況を重く受け止め、令和7年度においても運営継続を支援するための支援金を支給することを決定しました。この記事では、最大5万3,000円が支給される本支援金の対象範囲や申請方法について、専門家の視点から詳しく解説します。
この補助金の要点
小田原市内の高齢者施設が対象で、電気・ガス代や食材料費の高騰分を補填するための現金給付です。事業所の規模や種別に応じて支給額が決まっており、2026年1月7日から申請受付が始まります。
令和7年度高齢者施設等物価高騰対応支援金の全体像
現在の介護現場では、公定価格である介護報酬に物価高騰分を即座に転嫁することが難しく、多くの法人が自助努力だけでは限界に近い状態にあります。特に給食サービスを提供している入所施設や、送迎で多くの燃料を消費する通所介護事業所において、その影響は顕著です。今回の支援金は、こうした現場の負担を少しでも和らげ、サービスの質の維持と雇用の確保を目的として実施されます。
支援金の対象となるのは、小田原市内に所在し、介護保険法等に基づく指定を受けている高齢者施設等です。令和7年度の運営実態があることが前提となっており、申請期間は令和8年に入ってからの設定となっています。未来のスケジュールではありますが、今のうちから対象区分を確認し、予算計画に組み込んでおくことをお勧めします。
補助上限額(大規模事業所の場合)
53,000円
施設種別ごとの支給額について
今回の支援金は、事業所のサービス形態によって支給される金額が細かく分かれています。ご自身の事業所がどの区分に該当するか、あらかじめ確認しておくと事務作業がスムーズに進みます。主な区分は以下の通りです。
| 施設区分 | 支給単価・上限 |
|---|---|
| 大規模施設(通所介護等) | 53,000円 / 事業所 |
| 小規模施設(地域密着型通所等) | 31,000円 / 事業所 |
| 訪問系サービス(訪問介護等) | 21,000円 / 事業所 |
| 入所施設(特養・老健等) | 7,000円(※規定による) |
大規模施設には通所介護やリハビリテーションが含まれ、小規模施設には地域密着型の通所サービスなどが該当します。また、訪問介護や訪問看護といった在宅支援サービスも支援の対象に含まれている点が特徴です。入所施設については定員や規模に応じた算出方法が適用される可能性があるため、公募詳細が発表された際には最新の要領を必ず確認してください。
対象となる事業者と満たすべき条件
この支援金を受け取るためには、小田原市内で指定を受けた高齢者施設等を運営していることが大前提です。法人の形態は問いませんが、令和7年4月1日以前に指定を受け、申請時点においても事業を継続している必要があります。休止中の事業所や、既に廃止届を出している場合は対象外となるため注意が必要です。
また、本支援金は物価高騰の影響を受けていることを支給の趣旨としています。したがって、電気代やガス代、あるいは入所者への食事提供に係る材料費などの領収書や帳簿が適切に管理されていることが望ましいでしょう。個別の経費領収書の提出が必須でない場合でも、行政検査等で説明を求められた際に根拠を示せる状態にしておくのが法人としての正しい姿勢です。
注意点
他の類似した支援金(例えば障害福祉施設向けの支援金や、県の実施する特別高圧受電者支援金)と重複して受給できない項目があるかもしれません。複数のサービスを併設している法人は、按分方法や対象範囲を事前によく確認してください。
申請から支給までの5つのステップ
手続きは原則としてオンラインでの完結を目指しています。小田原市が導入している電子申請システムを活用するため、インターネット環境があれば事業所からいつでも申請が可能です。不備をなくし、一回で審査を通過するための手順を整理しました。
電子申請システムの利用者登録
e-kanagawa小田原市電子申請システムへアクセスし、未登録の場合は法人のアカウントを作成します。
必要書類のデータ化
振込先口座の通帳(表紙と見開き)や、事業所の指定証などのコピーをスキャンまたは撮影して準備します。
申請フォームへの入力
2026年1月7日の受付開始後、システムから施設名、所在地、代表者情報、口座情報等を入力します。
内容の最終確認と送信
特に入力ミスが多いのが「口座番号」と「カナ氏名」です。通帳の記載と一字一句違わないか確認してください。
審査完了および入金
市による審査が行われ、問題がなければ指定の口座に支援金が振り込まれます。通知書は大切に保管しましょう。
申請のコツと採択を確実にするためのポイント
この支援金は、条件を満たしていれば基本的に全ての事業所が受給できる性質のものです。いわゆる「コンペ形式」の補助金ではありませんので、書類の正確性さえ確保できれば恐れることはありません。しかし、現場でよくある失敗が「申請期限の失念」です。令和8年3月1日という年度末の多忙な時期に締め切りが設定されているため、気づいた時には終わっていたという事態を避けなければなりません。
また、複数の介護拠点を構える法人の場合、事業所ごとに申請が必要なのか、法人で一括申請できるのかを必ず確認してください。過去の傾向では事業所単位での入力が求められるケースが多く、拠点数が多いほど準備に時間を要します。担当部署をあらかじめ決めておき、各拠点から必要な書類を早めに収集する体制を整えておくのが成功の秘訣です。
ポイント
電子申請システムでは、途中で保存ができる機能があることが多いです。一度に全てを終わらせようとせず、隙間時間を見つけて基本情報だけでも入力しておくと心理的なハードルが下がりますよ。
よくある質問
Q. 令和7年度の途中で新規開設した事業所も対象になりますか?
A. 原則として、令和7年4月1日以前に指定を受けていることが条件とされることが多いですが、市が定める基準日時点での指定状況によって判断されます。開設時期が近い場合は個別に市の介護認定係へ相談することをお勧めします。
Q. どのような領収書を提出する必要がありますか?
A. この支援金は実費精算型ではなく、施設区分に基づいた一律支給(定額支給)の形式をとっています。そのため、電気代や食材費の個別の領収書を全件提出する必要はないのが一般的ですが、申請書の誓約事項に物価高騰の影響を受けている旨のチェックが必要になります。
Q. 支給されたお金の使い道に制限はありますか?
A. 事業所の運営に係る経費であれば幅広く活用いただけます。主な用途は高騰した光熱費や食材料費の補填ですが、従業員の労働環境改善や消耗品の購入に充てることも、広い意味での運営継続支援に合致すると考えられます。
Q. 電子申請がどうしても苦手なのですが、郵送は可能ですか?
A. 小田原市では原則として「e-kanagawa」による電子申請を推奨しています。事務の効率化と早期支給のため、まずはデジタルの活用をご検討ください。どうしても困難な事情がある場合は、事前に高齢介護課へ相談してみるのが良いでしょう。
Q. 複数のサービス(例:通所介護と訪問介護)を一つの事業所番号で行っている場合は?
A. 事業所番号が同一であっても、サービス種別ごとに支給額が定められているため、それぞれの区分に従って算出、あるいは主たるサービス区分で申請することになります。詳しい按分ルールについては支給要綱の別表を確認してください。
まとめ
小田原市の令和7年度高齢者施設等物価高騰対応支援金は、厳しい経営環境にある介護現場にとって心強い後押しとなります。最大5万3,000円という金額は、一つの事業所にとって決して小さくない助けになるはずです。申請期間は2026年1月7日から3月1日までと短いため、今からスケジュール帳にメモを残しておき、準備を整えておきましょう。適正な申請を行い、安定した施設運営の維持に繋げていただければ幸いです。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は小田原市公式サイトや公式公募ページで必ずご確認ください。