大阪府堺市で、環境に優しいマイホームを建てようと考えている方にとって、見逃せない制度が動き出しました。住宅の断熱性能を高め、太陽光発電などでエネルギーを創り出す’ZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)’の取得に対し、市が独自の費用補助を行っています。この制度は、住宅が完成して引き渡しを受けた後に申請する’事後申請’方式を採用しているため、すでに着工している方や完成を控えている方でも、条件さえ合えば受給できるチャンスがあります。今回は、専門家の視点から、最大20万円を手にするためのポイントを詳しく解説していきます。
この補助金の要点
堺市内でZEH住宅を新築・購入した個人や法人が対象で、一律10万円が支給されます。さらに、施工や販売を堺市内の事業者が行っている場合は、補助額が倍の20万円に増額されるのが大きな特徴です。先着順で予算がなくなり次第終了するため、早めの準備が欠かせません。
堺市ZEH支援事業の概要とメリット
この補助金は、地球温暖化の原因となる温室効果ガスの排出を抑えるため、堺市が積極的に推進している環境施策の一つです。ZEHを導入すると、毎月の光熱費を大幅に抑えられるだけでなく、災害時の停電にも強い住まいになります。堺市は、こうした高機能な住宅を増やすことで、2050年のカーボンニュートラル実現を目指しているわけですね。利用する側からすれば、住宅ローンの負担を少しでも軽減できる貴重な現金給付といえるでしょう。
補助金額に大きな差が出る’市内事業者’の定義
注目すべきは、契約先の事業者によって補助額が変わる点です。一般的には10万円の補助ですが、ハウスメーカーや工務店が’堺市内に本店を置く事業者’である場合、受け取れる金額は20万円まで跳ね上がります。これは地元の経済活性化を意図した仕組みであり、これから業者を選定する方にとっては、市内業者を選ぶ強力な動機付けになるはずです。契約書を交わす前に、相手企業が堺市に本店登記されているか、登記事項証明書などで確認しておくのが賢明でしょう。
補助上限額(市内事業者利用の場合)
200,000円
※通常は一律10万円
申請対象となる住宅と事業者の条件
全ての新築住宅が対象になるわけではなく、経済産業省が定めるZEHの定義を満たした上で、堺市独自の追加要件をクリアする必要があります。具体的には、再生可能エネルギーを除いた設計一次エネルギー消費量が、基準値から25パーセント以上削減されていなければなりません。省エネ性能が非常に高い住宅であることが求められている証拠ですね。
さらに、以下の3つの選択要件のうち、2つ以上を導入していることが必須となります。一つ目は、外皮平均熱貫流率(UA値)が0.5以下という高い断熱性能。二つ目は、太陽光発電などの発電量や設備の制御ができるHEMS(ホーム・エネルギー・マネジメント・システム)の導入。三つ目は、電気自動車への充電や住宅への給電ができるV2H設備等の設置です。これらを組み合わせて、未来基準の住まいを実現することが受給の条件となっています。
中古住宅は対象外
残念ながら、中古のZEH住宅を購入した場合はこの補助金を受けられません。新築の注文住宅、または新築の建売住宅のみが対象です。また、店舗などとの併用住宅の場合は、登記内容や居住面積によって扱いが異なるため、事前に窓口への相談をおすすめします。
申請に必要な書類と手続きの流れ
事後申請という名前の通り、住宅の引き渡しが完了してから書類を提出します。対象となる引き渡し期間は2025年2月1日から2026年1月31日までです。申請の受付は2025年6月24日から開始されますが、注意したいのは’先着順’という点です。堺市の予算額は2,800万円と決まっており、他のスマートハウス関連補助金と同じ枠を奪い合う形になるため、引き渡しを受けたら一刻も早く書類を揃えて送付するのが鉄則といえます。
| 主な提出書類 | 内容のポイント |
|---|---|
| BELS評価書の写し | ZEH基準を満たしている証明として必須。 |
| 領収書の写し | 設備費用だけでなく、工事費が含まれているもの。 |
| 完成後の建物外観写真 | カラー写真で、周囲の風景が入っていることが条件。 |
| 引渡証明書の写し | 引き渡し日が期間内であることを確認します。 |
確実に採択されるための実践アドバイス
申請をスムーズに進めるには、あらかじめ施工会社であるハウスメーカーとの連携を密にしておくことが不可欠です。特に’太陽光パネルの設置写真’や’パワーコンディショナの型番写真’などは、竣工後に自分たちで撮影するのが難しい場所にある場合も少なくありません。足場があるうちに、あるいは引き渡し前の点検時に、必要書類に使えるクオリティの写真を撮ってもらうよう依頼しておきましょう。
ポイント
写真は’ただ写っていれば良い’わけではありません。堺市のマニュアルでは、建物全体が写り、なおかつ周囲の建物や風景が見えることが求められています。アップすぎる写真や、どこで撮ったか判別できない写真は不備とされる可能性があるため、撮影例をしっかり確認した上で用意することが大切です。
申請の5ステップ:受給までの流れ
住宅の引き渡しと代金支払い
工事を完了させ、ハウスメーカーから鍵と書類を受け取ります。領収書は必ず保管してください。
申請書類の作成と写真撮影
市のホームページから様式をダウンロードし、必要事項を記入します。BELS評価書や系統連系の書類も準備しましょう。
書類の送付(郵送のみ)
書留郵便など、到着日が記録される方法で堺市役所へ送ります。窓口への持ち込みは受け付けていません。
交付決定の通知
審査が終わると、市から交付決定通知書が届きます。不備がある場合は修正の連絡が入ります。
補助金の請求と入金
請求書を返送してから約1ヶ月程度で、指定した口座に補助金が振り込まれます。
よくある質問(FAQ)
Q. 住宅ローン減税や国の補助金と併用することは可能ですか?
A. はい、基本的には可能です。国が実施している’子育てエコホーム支援事業’などとの併用も制限されていません。ただし、他の制度側で併用不可とされているケースが稀にあるため、念のためハウスメーカーへ確認を取るのが確実です。
Q. 法人として所有する賃貸用戸建て住宅でも申請できますか?
A. 可能です。ただし、法人の場合は申請様式が異なり、事前にお問い合わせが必要というルールがあります。役員情報届出書などの追加書類も必要になるため、準備を始める前に一度環境エネルギー課へ連絡を入れておきましょう。
Q. 太陽光パネルだけの設置ですが対象になりますか?
A. 太陽光パネルのみでは対象になりません。あくまで’ZEH住宅’としての基準を満たしていることが条件です。太陽光発電単体での補助を希望される場合は、別途実施されている’堺市スマートハウス化支援事業補助金’を検討してください。
Q. 先着順とのことですが、予算残額を確認する方法はありますか?
A. 堺市の公式ホームページで、予算の執行状況が随時更新されています。申請前には必ずチェックし、残額が少なくなっている場合は速やかに投函できるよう準備を進めてください。
Q. 領収書を紛失してしまったのですが、代わりの書類はありますか?
A. 口座振込の記録や住宅ローンの実行履歴などを証明する’領収等証明書’という専用の様式が用意されています。支払いの事実が公的に証明できれば、領収書そのものがなくても認められる場合があります。
まとめ
堺市ZEH支援事業は、これから新しい生活を始める市民を力強く後押ししてくれる制度です。特に堺市内の施工会社を選んだ際の20万円という補助額は非常に魅力的ですし、事後申請なので建築中の不安も少なくて済みます。しかし、予算が他の事業と共通であり、無くなり次第打ち切りになるという’スピード勝負’の側面も忘れてはいけません。引き渡しを受けたらすぐに書類を送れるよう、今からハウスメーカーと一緒に提出書類のチェックリストを作成しておくことをおすすめします。環境に優しく、家計にも優しい理想のマイホームづくりを、この補助金とともに成功させてください。
※本記事の情報は執筆時点(2025年6月)のものです。申請にあたっては必ず堺市の最新の公募要領を確認してください。