コロナ禍で事業継続のために融資を受けた延岡市内の事業者の皆様にとって、毎月の利子支払いは決して小さくない負担となっているはずです。延岡市では、宮崎県の『新型コロナウイルス感染症緊急対策貸付』を利用した方を対象に、支払った利子の一部を補填する独自の支援制度を設けています。この制度を賢く利用することで、実質的な金利負担を大幅に抑え、経営の安定化を図ることが可能です。
この補助金の要点
宮崎県が実施したコロナ対策融資を受けている延岡市内の事業者が対象です。年間で支払った利子のうち、年利1%分に相当する額がキャッシュバックされる仕組みとなっています。令和8年まで継続予定の事業ですが、年度ごとの申請手続きが必要となるため、忘れずに準備を進めましょう。
延岡市独自の利子補給事業とは
多くの事業者が、パンデミックの影響を乗り越えるために宮崎県の制度融資を活用されました。延岡市の『新型コロナウイルス感染症緊急対策貸付利子補給事業』は、その融資に伴う金利負担を市が肩代わりしてくれる、非常にありがたい制度です。宮崎県内でも、市町村単位でここまで手厚い補給を行うケースは限られており、延岡市で商売を営む大きなメリットの一つと言えるかもしれません。
この制度の最大の特徴は、対象となる融資を受けている事業者に対して、市から申請書類が送付される点にあります。とはいえ、住所変更や事業承継などで書類が手元に届かない可能性もゼロではありません。自分が対象かどうかを正確に把握しておくことは、資金繰りを管理する上で欠かせないステップとなります。
補助対象となる方の条件
まず前提として、宮崎県中小企業融資制度の『新型コロナウイルス感染症緊急対策貸付』を利用していることが絶対条件です。これ以外の一般的な商工業融資や、他県の融資制度は対象外となるため注意しましょう。また、延岡市内に主たる事業所を構えている中小企業者や個人事業主であることも求められます。市税の滞納がないことなども基本的な要件に含まれるため、日頃の納税管理もしっかりと行っておくことが大切です。
利子補給率
支払利子のうち年1.0%相当
利子補給の対象となる経費と金額の計算
補給の対象となるのは、毎年1月から12月までの間に、金融機関に対して実際に支払った利息の総額です。元本の返済分は含まれません。あくまで『利息』として銀行に支払った分が対象となります。計算式はシンプルで、融資利率のうち1%分を市が補助してくれます。もし融資利率が1%を下回っている場合は、その利率分がそのまま全額補助されるため、実質的な利息負担がゼロになる計算です。一方で、利率が1%を超えている場合でも、市からの補給は最大1%までとなります。残りの差分については事業者の自己負担となる点を理解しておきましょう。
具体的な補給額のイメージ
例えば、融資残高が1,000万円あり、利率が1.2%に設定されているケースを考えてみましょう。この場合、1年間で支払う利息は約12万円ほどになります。延岡市の制度を利用すれば、1%分である10万円が補給金として戻ってくるため、実質的な利息負担は2万円で済むことになります。これだけで年間10万円もの経費削減に繋がるわけですから、申請しない手はありません。小さな積み重ねが、数年後の内部留保に大きな差を生みます。
ポイント
金融機関から発行される『利息支払証明書』や『返済予定表』は、計算の根拠となる重要な書類です。申請時期になって慌てて探すことがないよう、専用のファイルを作って保管しておきましょう。ネットバンキングを利用している方は、データが一定期間で消えてしまう場合もあるため、定期的にPDFで保存しておくのが賢明です。
申請から入金までの流れ
延岡市の利子補給申請は、基本的には郵送や窓口での手続きとなります。手続き自体はそれほど複雑ではありませんが、いくつかのステップを正確に踏む必要があります。スムーズに受給するためにも、全体の流れを確認しておきましょう。
市からの通知・書類の受取
対象となる可能性のある事業者には、延岡市から申請書類一式が届きます。毎年1月頃に発送されることが多いので、郵便物をしっかりチェックしてください。
必要書類の準備と作成
同封された申請書に必要事項を記入します。あわせて、その年に支払った利息の額がわかる書類(金融機関の発行物)を用意しましょう。
書類の提出
延岡市役所の商業・駅まち振興課へ提出します。郵送でも受け付けていますが、心配な方は窓口で不備がないか見てもらうのが確実です。
審査と決定通知
市が内容を精査し、補助額を決定します。その後、自宅や事業所に決定通知書が届きます。
補給金の振り込み
指定した口座に市から利子補給金が振り込まれます。通帳の記帳を行い、正しく入金されているか確認して完了です。
申請のコツと採択を確実にするためのポイント
この利子補給は、要件を満たしていれば基本的に給付されるものですが、書類の不備で手続きが止まってしまうのは避けたいところです。特に、金融機関から受け取る証明書と申請書に記載する金額が1円でもズレていると、差し戻しの対象になります。焦らずに、ゆっくりと数字を確認しながら記入しましょう。また、振込先口座の通帳コピーは、店名や口座番号、名義がはっきりと見えるようにコピーを取ることが大切です。
提出期限についても注意が必要です。毎年2月末頃が締め切りとなる傾向がありますが、直前になると窓口が混み合ったり、郵送の遅延が起きたりする可能性もあります。1月の通知が届いたら、その週のうちに書類を揃えて投函してしまうくらいのスピード感が、不測の事態を防ぐ一番のコツです。また、法人の方は代表者印の押し忘れがないか、個人の方は本人確認書類が必要ないか、チェックリストを活用して再確認することをお勧めします。
注意点
利子補給金は『雑収入』として課税対象となります。確定申告の際には、計上漏れがないよう税理士さんに相談するか、自分でしっかりと帳簿につけておきましょう。また、融資を一括返済(繰り上げ返済)した場合は、その時点で補給の対象期間も終了となります。返済計画を変更した際は、速やかに市へ連絡することをお忘れなく。
よくある質問
Q. 延岡市外に本社があるのですが、延岡支店の分の利子補給は受けられますか?
A. 原則として、延岡市内に主たる事業所を有している必要があります。本社の所在地が他市町村にある場合は、対象外となる可能性が高いため、事前に商業・駅まち振興課へ詳細を確認されることをお勧めします。
Q. 以前に書類を出し忘れてしまいました。過去の分も遡って申請できますか?
A. この制度は年度ごとに予算が組まれており、各年度の申請期限が定められています。期限を過ぎた過去の期間分を遡って請求することは難しいため、必ず毎回の公募期間内に手続きを完了させるようにしましょう。
Q. 日本政策金融公庫の融資も対象になりますか?
A. いいえ、この事業はあくまで『宮崎県中小企業融資制度(県制度融資)』が対象です。公庫の融資は別枠の支援策となります。自分の融資がどの制度に基づいているか、返済予定表や契約書を今一度見直してみてください。
Q. 申請書類が届かない場合はどうすればいいですか?
A. 対象の融資を受けているはずなのに書類が届かない場合、発送のタイミングや住所情報の不一致などが考えられます。そのままにせず、延岡市役所の商業・駅まち振興課(0982-34-7841)へ直接電話で問い合わせてみましょう。
Q. 利子補給は何年間受けられますか?
A. 延岡市の基金事業の公表によれば、令和8年3月31日までが基金の終了時期となっています。ただし、融資の返済期間や予算の執行状況により変動する場合があるため、毎年の市の広報や公式サイトを注視しておくことが大切です。
これからの経営に向けた資金の有効活用
利子補給によって浮いた資金は、金額で見ればそれほど大きくないと感じるかもしれません。しかし、低金利で資金を確保しつつ、そのコストをさらに自治体が肩代わりしてくれるこの状況は、経営を攻めに転じさせる絶好の機会でもあります。浮いた利息分をデジタル化への投資や、新しい販路開拓の広告費、あるいは従業員の教育訓練費に充ててみてはいかがでしょうか。
補助金や助成金は、一度仕組みを理解してしまえば、それほど高い壁ではありません。延岡市は、他にも独自の創業支援や設備投資補助など、事業者を支える施策を数多く用意しています。この利子補給の申請をきっかけに、市役所の担当部署と繋がりを持ち、最新の支援情報を常にキャッチできる体制を整えておくことが、持続可能な経営への第一歩となります。
まとめ
延岡市の利子補給事業は、コロナ対策融資の負担を軽減する実効性の高い支援策です。最大1%の補給は、返済期間が長くなるほどその恩恵も大きくなります。申請書類が届いたら後回しにせず、早めに手続きを済ませましょう。こうした公的支援をフル活用し、強固な経営基盤を築いていくことが、これからの時代を生き抜く経営者の重要なスキルと言えます。
※本記事の情報は執筆時点のものです。制度の詳細や最新の申請期間については、必ず延岡市役所の公式サイトをご確認いただくか、窓口へお問い合わせください。