福岡県みやま市で農業を営む方や、地元の食材を活かした新商品を作りたいグループに朗報です。市内で採れた農産物を使って加工品を開発し、直売所などで販売する取り組みを支援する ‘農産物加工品開発推進事業’ が令和7年度も実施されます。補助額は最大15万円と小規模ですが、補助率が3分の2と高く、新しい挑戦の第一歩を後押ししてくれる非常に使い勝手の良い制度です。
この補助金の要点
みやま市内の農産物を使用した加工品開発から販売までの経費を、最大15万円まで補助します。個人農家だけでなく、地域で活動するグループや団体も対象となり、補助率も3分の2と手厚いのが特徴です。
みやま市が推進する農産物加工支援の背景
みやま市は、セロリやナス、イチゴといった全国的にも知られる農産物の宝庫です。しかし、近年の肥料代や燃料費の高騰は、多くの農家にとって大きな重荷となっています。こうした状況を打破し、農家が自ら価格を決定できる ‘強い農業’ を作るためには、単に収穫して出荷するだけでなく、付加価値を付ける ‘6次産業化’ が欠かせません。
令和7年度のみやま市当初予算案を見ても、農林水産業の振興は重点項目の一つに掲げられています。物価高騰の影響を受ける生産者の負担軽減を図りつつ、一方でこうした加工品開発を支援することで、地域経済の活性化を狙っているわけです。15万円という金額は、大型の機械を買うには足りないかもしれませんが、新商品のパッケージデザインを外注したり、試作品の材料を集めたり、小規模な調理器具を揃えたりするには十分な金額だと言えます。
補助金の詳細スペック:対象者と金額
この補助金が多くの人に選ばれている理由は、そのハードルの低さにあります。法人化していない個人農家であっても、みやま市内に住所があれば申請が可能です。さらに、地域の奥様グループや若手農家の集まりといった団体での申請も認められているため、仲間と一緒に知恵を出し合って商品開発に取り組むことができます。
補助上限額
15万円(補助率 2/3)
例えば、22万5,000円の事業計画を立てた場合、その3分の2にあたる15万円が市から補助されます。自己負担はわずか7万5,000円で済む計算です。これなら、失敗を恐れずに新しいアイデアを形にしてみようという勇気が湧いてくるのではないでしょうか。ただし、予算には限りがあるため、意欲のある方は早めの準備をおすすめします。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象者 | 市内に住所がある個人、グループ、団体 |
| 対象となる取り組み | 市内産農産物を使った加工品開発と直売所等での販売 |
| 補助率 | 事業費の3分の2以内 |
| 申請期間 | 令和7年4月1日から(予算終了まで) |
どのような事業が対象になるのか
単に ‘作って終わり’ ではなく、最終的に ‘直売所などで販売すること’ が条件に含まれている点に注目してください。これは、趣味の延長ではなく、しっかりとビジネスとして継続させてほしいという市の願いが込められています。具体的には、以下のようなケースが考えられます。
1. 特産品を活かした新ジャンルの商品開発
みやま市のセロリを使ったドレッシングや、規格外のナスを活用したレトルトカレー、イチゴをふんだんに使った高級ジャムなど、原材料の魅力を引き出す商品です。特に、これまでは廃棄していた部位を活用するような取り組みは、SDGsの観点からも高く評価されるでしょう。
2. 伝統の味を現代風にアレンジ
地域に伝わる漬物や保存食を、若い世代でも手に取りやすいパッケージに変更したり、現代の食卓に合う味付けに改良したりするプロジェクトです。令和3年から漬物製造にも営業許可が必要になりましたが、そうした法改正に対応するための施設改修や設備導入のきっかけとしても活用できます。
ポイント
加工品の製造を始める前には、必ず保健所へ相談に行きましょう。食品の種類によって必要な設備基準が異なるため、補助金で買った設備が実は基準を満たしていなかった、という悲劇を避けるためです。
申請から補助金受領までの流れ
初めて補助金を申請する方にとって、手続きは難しく感じるかもしれません。しかし、一つひとつのステップを順番に進めていけば大丈夫です。まずは農業振興課に相談することから始めましょう。
構想を練り、市役所へ事前相談
どんな農産物を使い、どこで売るのか。大まかなプランを持って農業振興課を訪ねます。ここで対象外になるリスクを減らせます。
事業計画書と申請書の作成・提出
見積書などを揃えて、正式に書類を提出します。補助金は後払いなので、資金繰りもこの段階で確認しておきましょう。
交付決定・事業のスタート
市から決定通知が届いたら、ようやく購入や発注が可能になります。通知の前に買ったものは対象外になるので要注意です。
実績報告書の提出
事業が終わったら、領収書や完成した商品の写真を添えて報告します。ここでの不備が多いと入金が遅れてしまいます。
補助金の確定・入金
報告書の内容が審査され、問題がなければ指定の口座に補助金が振り込まれます。
採択率を高めるための計画づくりのコツ
この補助金は比較的採択されやすい部類に入りますが、それでも事業計画が曖昧だと審査に時間がかかったり、差し戻されたりします。審査員(市の担当者など)に ‘この事業は街のためになる’ と思ってもらうことが大切です。具体的には以下の3点を意識してください。
一つ目は、みやま市産であることのメリットを強調することです。どこにでもあるような商品ではなく、’瀬高のナスだからこそ、この味が出る’ といった、地元ならではのストーリーを計画書に盛り込みましょう。二つ目は、具体的な販売先の確保です。’道の駅みやまに置いてもらう予定’ など、出口戦略がはっきりしていると、事業としての実現性が高く評価されます。
三つ目は、収支計画の現実味です。あまりに楽観的な売上予測ではなく、原価をしっかり計算し、どれくらい売れば利益が出て継続できるのかを数字で示すことが、専門家(中小企業診断士など)が見ても納得感のある計画になります。自分で書くのが難しい場合は、商工会のサポートを受けるのも一つの手です。
注意点
補助金の交付決定前に発注や購入を行った経費は、いかなる理由があっても補助対象になりません。業者への正式な発注は、必ず交付決定通知書を受け取ってからにしてください。
よくある質問(FAQ)
Q. 農業を本業としていない市民グループでも申請できますか?
A. はい、可能です。市内に住所がある方で構成されたグループであれば対象となります。地元の食材を活かした地域活性化のアイデアをぜひ形にしてください。
Q. キッチンカーでの販売を予定していますが、対象になりますか?
A. ‘直売所等での販売’ にはイベントや移動販売も含まれる場合がありますが、主たる目的がみやま市産農産物の加工品販売である必要があります。個別の判断になるため、事前に市役所へ相談しましょう。
Q. 既存の商品のラベルデザインだけを変更する場合でも使えますか?
A. 本事業は ‘開発推進’ が目的ですので、単なるラベルの貼り替えだけでなく、販路拡大や商品力の向上につながる明確な理由が求められます。リニューアルによって売上向上が見込める場合は対象となる可能性があります。
Q. パソコンやタブレットなどの備品購入は補助されますか?
A. 汎用性が高い(加工品開発以外にも使える)パソコンやタブレット、デジカメなどは、一般的に補助対象外となるケースがほとんどです。加工専用の調理器具や包装機、デザイン外注費などが優先されます。
Q. 申請から入金までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 申請後、約1ヶ月程度で交付決定が出ることが多いです。事業完了後の実績報告から入金までは、さらに1〜2ヶ月程度を見ておくと安心です。余裕を持ったスケジュールを立てましょう。
みやま市でさらに活用したい関連支援策
農産物加工以外にも、みやま市には魅力的な支援策がたくさんあります。例えば、令和7年度からは ‘プレミアム付き商品券’ の発行が予定されており、地元での消費意欲が高まる時期に合わせて新商品をリリースするのは非常に効果的です。また、ネット販売を強化したい場合は、別の補助金である ‘小規模事業者経営革新支援補助金’ などと組み合わせることも検討できるかもしれません。
さらに、農業の天敵であるイノシシなどへの対策として ‘有害鳥獣駆除対策事業’ の拡充も盛り込まれています。こうした複数の支援をパズルのように組み合わせることで、農業経営の安定化と新事業の成功率をぐっと引き上げることができます。市役所の各窓口は横の連携も取れていますので、一つの補助金だけでなく ‘他にも使える制度はないか’ と欲張って聞いてみるのが賢い申請者の立ち回りです。
まとめ
みやま市の農産物加工品開発推進事業は、地元の豊かな食材を新しい価値に変えたいと願う方々にとって、最高の追い風となる制度です。最大15万円という支援を足がかりに、直売所の人気商品を作り出すチャンスと言えるでしょう。まずは頭の中にあるアイデアを整理して、市役所の農業振興課を訪ねてみてください。あなたの挑戦が、みやま市の新しい名産品を生み出す第一歩になるはずです。
※本記事の情報は、みやま市令和7年度当初予算案および過去の実施要領に基づいて執筆しています。公募の詳細や要件は変更される可能性があるため、必ずみやま市公式サイトまたは農業振興課にて最新情報をご確認ください。