物価やエネルギー価格の高騰が続く中、高齢者福祉施設の経営を維持するための支援策が宮城県から発表されました。この補助金は、光熱費や食材費といった運営に欠かせないコストの増加分を補填するために交付されるものです。国の交付金を活用した制度であり、要件を満たす多くの施設が対象となります。返済の必要がない支援金ですので、経営の安定化に向けて確実に申請しておきたいところですね。この記事では、具体的な補助額や申請の手順、注意すべきポイントを専門家の視点で詳しく解説していきます。
この補助金の要点
仙台市を除く宮城県内の高齢者施設が対象であり、入所施設の場合は定員1人あたり最大3万円が支給されます。申請期間が約1ヶ月間と非常に短いため、早急にExcel形式の書類を準備してメールで提出する必要があるでしょう。領収書の提出は不要ですが、後日の調査に備えて5年間の証憑保管が義務付けられている点に注意が必要です。
補助金の概要と対象となる施設
今回の補助金は、エネルギー価格や食品価格の上昇によって負担が増している高齢者施設を直接支援する目的で設立されました。対象となるのは、宮城県内に所在する施設ですが、仙台市内の事業所については別途市独自の支援があるため、今回の県の枠組みからは除外されています。また、市町村が直接運営している施設や指定管理施設も対象外となるため、自社の施設が該当するかどうかを事前に確認しておくことが大切です。
補助対象となる基準日は、原則として令和7年5月1日時点での状況が基準となります。ただし、令和7年5月2日以降に新たに指定を受けた事業所についても、6月1日までに事業を開始していれば対象に含まれる仕組みです。最終的に令和8年3月31日時点で事業を継続していることが条件ですので、年度途中で廃止や休止の予定がある場合は慎重な判断が求められるでしょう。対象経費としては、施設の運営に関わる電気代やガス代、ガソリン代、さらには入居者への食事提供に必要な食材購入費などが幅広く認められています。
補助上限額(入所系施設の場合)
定員1人あたり 30,000円
施設区分ごとの補助単価一覧
支給される金額は、施設のサービス種別と定員数によって細かく分かれています。ご自身の施設がどの区分に該当するのか、以下の表で確認してみましょう。定員数に単価を掛け合わせた金額が、そのまま補助金の申請額になるという分かりやすい計算方法が採用されています。
| 施設区分 | 対象サービス例 | 補助単価 |
|---|---|---|
| 入所系(A) | 特別養護老人ホーム、老健、養護・軽費老人ホーム等 | 30,000円 / 定員 |
| 入所系(B) | グループホーム、有料老人ホーム、サ高住等 | 15,000円 / 定員 |
| 通所・複合系 | デイサービス、通所リハ、小規模多機能型等 | 20,500円 / 定員 |
申請の具体的な流れと手続き方法
申請の手続きは、基本的にインターネットを介した電子メールでの受付となります。郵送での提出は、メール環境が整っていないなどのやむを得ない事情がある場合に限られるため、原則としてパソコンからデータを送信する準備を進めてください。また、複数の事業所を運営している法人の場合は、法人でまとめて1つの申請書を作成するルールです。ただし、拠点が広範囲に分かれている場合などは、拠点ごとに申請することも認められています。それでは、具体的な5つのステップを確認していきましょう。
様式のダウンロードとマニュアルの確認
宮城県の公式ウェブサイトから、専用のExcel様式と申請マニュアルを取得します。令和7年度版であることを必ず確認しましょう。
申請データの作成
Excelファイルに法人情報や施設ごとの定員数を入力します。自動計算機能を活用し、金額に誤りがないか二重にチェックしてください。
振込口座確認書類の準備
補助金の振込先となる口座の通帳コピーをスキャンしてPDFファイルにします。店番号や口座番号、名義が鮮明に見えるように撮影してください。
電子メールでの送信
指定されたアドレスへメールを送ります。件名にはルールに則った法人名を記載し、ExcelファイルはPDF化せずにそのまま添付するのが重要です。
受付完了メールの確認と入金待ち
事務局から受付完了の自動返信メールが届きます。不備がなければ、申請の翌月末を目安に補助金が振り込まれます。
注意点
今回の申請で最も注意すべきは、ExcelファイルをPDFに変換しないことです。県側でデータを集計処理するため、必ずExcel形式(.xlsx)のまま送信してください。また、メールの件名にも指定の書式があるため、マニュアルを見落とさないように気をつけましょう。
申請を成功させるためのコツとポイント
この補助金は審査で採否が決まる競争倍率の高いものではなく、要件を満たしていれば原則として受け取ることができる支援金です。そのため、最大のコツは不備なく期限内に提出することに尽きます。特に定員数のカウントについては、ケアレスミスが起きやすい部分です。運営規定上の定員数と、実際に算定の基礎となる数字が一致しているか、担当者以外のスタッフによるダブルチェックを実施することをお勧めします。また、複数の事業所を運営している場合は、サービス種別ごとに異なる単価が正しく適用されているかどうかも重要な確認事項です。
ポイント
申請時点では領収書などの添付は不要ですが、これは審査がないわけではありません。5年間の保管義務があり、県の調査が入った際に提示できないと返還を命じられるリスクがあります。光熱費の検針票や食材費の請求書などは、年度ごとに整理してすぐ取り出せるようにしておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. 仙台市内の事業所は本当に申請できないのでしょうか?
A. はい、今回の宮城県の事業からは対象外となります。仙台市は独自に同様の物価高騰対策補助金を実施しているため、市のウェブサイトで詳細を確認して手続きを行うようにしてください。
Q. 申請時に領収書をスキャンして送る必要はありますか?
A. 提出は不要です。申請書への数値入力だけで手続きは完了します。ただし、5年間の保管義務が定められているため、破棄せずにファイリングしておくことが必要不可欠です。
Q. 令和7年7月に開所したばかりの施設は対象になりますか?
A. 原則として令和7年6月1日までに事業を開始している施設が対象となります。残念ながら、それ以降に新設された施設は今回の補助金の対象には含まれません。
Q. 申請書をメールで送ったあと、届いたかどうか電話で確認してもいいですか?
A. 事務局からは、到着確認の電話は控えるよう通知されています。送信後に自動送信される受付完了メールを必ず確認してください。不備がある場合のみ、県から連絡が来る運用となっています。
Q. 複数の拠点がある場合、法人の本部の口座に一括で振り込まれますか?
A. 法人単位で申請する場合は、指定した1つの口座に合算して振り込まれます。拠点ごとに分けて振り込みを希望する場合は、拠点ごとに申請書を分けて提出する方法を検討してください。
まとめ
今回の物価高騰対策補助金は、高齢者施設にとって非常に使い勝手の良い制度です。定員数に応じた定額支給であり、複雑な領収書の照合も申請時点では不要なため、事務負担も比較的軽いのが特徴と言えます。しかし、申請期間が令和8年1月5日から2月6日までと、わずか1ヶ月間しかありません。この期間を逃すと一切受け取ることができなくなってしまうため、今のうちから定員数の確認や口座書類の準備を進めておくことを強く推奨します。経営の基盤をより強固なものにするために、ぜひこの支援策を有効に活用してください。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は宮城県の公式サイトでご確認ください。