香川県内の介護現場で、外国人スタッフの力は今や欠かせない存在になっています。県では、外国人材の確保や定着を力強くバックアップするため、複数の補助金メニューを用意して事業者を支援しています。本記事では、現在公募中の『環境整備事業』や、上限額が撤廃され拡充された『留学生受入支援事業』を中心に、申請のポイントや注意点を詳しく解説します。
この補助金の要点
外国人介護人材の日本語学習や生活支援に要する経費の一部が補助されます。また、介護福祉士を目指す留学生への奨学金支援については、従来の上限額が撤廃され、より手厚い助成が受けられるようになりました。
香川県外国人介護人材支援の全体像
香川県が実施する外国人介護人材向けの支援は、大きく分けて二つの柱で構成されています。一つは、すでに働いている、あるいはこれから雇用する外国人材の『定着』や『受け入れ準備』を支援する『外国人介護人材受入促進事業』です。もう一つは、将来の介護福祉士候補となる留学生を学費面などで支える『外国人介護留学生受入支援事業』となります。
受入促進事業には三つのメニューがありますが、特に注目したいのが『受入施設等環境整備事業』です。これは、外国人スタッフが日本の生活や仕事に早く慣れるための学習支援や、コミュニケーションを円滑にするためのツール導入などを助ける仕組みです。一方で、海外現地での獲得強化や初期の雇用支援については、すでに予算上限に達している可能性があるため、申請前に県の担当部署へ相談することが欠かせません。
外国人介護人材受入施設等環境整備事業の概要
この事業では、外国人スタッフの負担を減らすための様々な取組が補助対象となります。例えば、介護福祉士の資格取得に向けた勉強のための外部講師を招いたり、日本語学習用のタブレット端末を購入したりする費用が挙げられます。さらに、日本での日常生活をサポートするための相談窓口の設置や、文化の違いを学ぶ研修なども対象に含まれるため、現場のニーズに合わせた活用が可能です。
補助上限額(留学生受入支援)
年額 20万円超(上限撤廃)
留学生受入支援事業の大きな変更点
介護福祉士を目指して来日する留学生をサポートする『香川県外国人介護留学生受入支援事業』が、より使いやすく進化しました。これまで設定されていた『留学生1人につき年額合計20万円』という一律の上限が撤廃されたのです。今後は交付要綱に定められた別表の上限額が適用されるため、今まで以上に充実した支援を留学生に提供できるようになりました。
補助の対象となるのは、日本語学校や介護福祉士養成施設にかかる入学金や学費だけではありません。家賃や食費、光熱水費といった毎日の生活に直結する経費も含まれます。ただし、この補助金を受けるためには、留学生が卒業後に香川県内の施設で3年間、介護福祉士として働くことが条件となります。もし、この期間を満たさずに離職してしまった場合は、補助金の返還が必要になるため、採用後のキャリアパスをしっかりと共有しておくことが大切です。
対象となる経費と活用事例
どのような経費が認められるのか、具体的なイメージを持つことが申請の第一歩です。受入施設等環境整備事業では、コミュニケーション支援として、翻訳機の購入や多言語対応の業務マニュアル作成費が対象となります。また、学習支援としては、通信講座の受講料や模擬試験の受験料なども幅広くカバーされています。
活用のヒント
新規入国した外国人材の居住場所を整える際の家具・家電、自転車の購入費用も『環境整備事業』の枠組みで申請できる場合があります。雇用支援事業の予算が終了している場合でも、こちらで対応できる可能性があるため、要綱を細かく確認しましょう。
| 事業メニュー | 主な補助対象内容 |
|---|---|
| 環境整備事業 | 日本語学習支援、資格取得支援、コミュニケーションツール導入、生活相談員の配置 |
| 留学生受入支援 | 養成校の入学金・授業料、日本語学校の学費、家賃・光熱費などの生活費 |
申請から交付までの5ステップ
手続きの多くはオンラインで行われます。香川県電子申請・届出システムを活用し、スムーズに進めていきましょう。
交付申請書の作成と提出
事業計画書や収支予算書を作成し、電子申請システムからアップロードします。見積書などの積算根拠も忘れずに添付してください。
交付決定の通知
県による審査後、交付決定通知書が届きます。原則として、この通知が届く前に支払った経費は補助対象外となるため注意が必要です。
事業の実施と支出
計画に基づいて備品を購入したり研修を実施したりします。領収書や送金記録はすべて大切に保管しておいてください。
実績報告書の提出
事業完了後、速やかに実績報告を行います。支払いを証明する書類の写しや、実施した内容がわかる写真・資料を添付します。
補助金の請求と受領
県から額の確定通知が届いたら、請求書を提出します。その後、指定した法人名義の口座に補助金が振り込まれます。
採択されやすくなるポイントと注意点
この補助金は予算の範囲内で交付されるため、早い者勝ちの側面があります。特に募集期間が短いメニューについては、事前の準備が合否を分けます。申請書を作成する際は、その取組がどのように外国人スタッフの定着やスキルアップにつながるのか、具体的かつ論理的に記載することを心がけてください。
また、審査の一部が外部委託されている点にも注目です。令和7年度の受入促進事業では、株式会社クリエアナブキ高松支店が審査事務を担当しています。問い合わせや修正指示が委託先から入る場合があるため、知らない番号からの連絡にも柔軟に対応できるよう、体制を整えておくのが賢明です。
注意点
実績報告時には、消費税の仕入控除税額についての報告が必要です。補助金で支払った経費にかかる消費税分が、後から還付される場合は、その分を県に返還しなければなりません。返還額が0円であっても報告書自体の提出は必須ですので、忘れないようにしましょう。
よくある質問
Q. 予算上限を超過したメニューは、もう一切申請できないのでしょうか?
A. 電子申請システムは停止されますが、県の担当窓口へ電話で相談することが推奨されています。他の申請の取り下げによる空き枠や、追加の予算措置がある可能性もゼロではないため、まずは相談してみるのが良いでしょう。
Q. 複数の施設を運営している場合、まとめて申請できますか?
A. メニューによって異なります。『獲得強化事業』は1法人につき1通ですが、『受入施設等環境整備事業』や『雇用支援事業』は1施設ごとに申請書を作成する必要があります。各事業のルールを正確に把握して手続きを進めてください。
Q. 留学生が卒業後に他県の施設へ就職してしまったらどうなりますか?
A. 香川県内の施設で3年間従事することが要件となっているため、原則として補助金の返還対象となります。留学生本人との合意形成や、返還が発生した場合の取り決めをあらかじめ書面で交わしておくことをおすすめします。
Q. 領収書が外国語で書かれている場合はどうすればいいですか?
A. 日本語訳を添付する必要があります。また、日本円に換算した金額とその根拠となる為替レートの資料も用意しなければなりません。県からの問い合わせに説明できるよう、整理しておきましょう。
Q. 申請した内容を途中で変更することは可能ですか?
A. 軽微な変更(実施月の微調整や20%以内の経費配分変更など)であれば手続き不要な場合もあります。しかし、事業の根幹に関わる変更については『変更交付申請書』の提出が必要です。勝手に進めず、まずは県に確認してください。
まとめ
香川県の外国人介護人材支援は、単なる資金援助に留まらず、現場の環境改善や将来の専門職育成を強力に後押しするものです。特に留学生支援の上限撤廃は、より質の高い人材を確保する絶好のチャンスと言えるでしょう。各メニューの締切や要件を正確に理解し、早めのアクションを起こすことが、人手不足解消への近道となります。不明点があれば躊躇せず県の担当部署や委託先に確認し、不備のない申請を目指しましょう。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は香川県公式サイトや交付要綱でご確認ください。