長崎県内で介護や障害福祉サービスを運営する事業者の皆様にとって、エネルギー価格や食料品の高騰は経営を圧迫する大きな課題です。こうした状況を支えるため、長崎県では直接的な支援金の給付と、将来の設備投資に向けた補助事業の二柱で支援を動かしています。今回の記事では、今すぐ申請が必要な緊急支援金と、予算確保のために欠かせない事前調査の二つについて、申請者が迷いやすいポイントを整理して解説します。
この補助金の要点
光熱費や食材料費の負担を軽減する緊急支援金は、入所1名あたり最大11,000円、訪問・通所系は事業所ごとに定額が支給されます。さらに、エアコンや災害備蓄品の購入補助を受けるには、令和8年1月16日までの事前調査への回答が必須条件となるため、早急な対応が求められます。
長崎県が実施する二つの支援策とは
現在、長崎県が窓口となって進めている支援策は大きく分けて二種類存在します。一つは、すでにかかってしまっている光熱費や食材料費のコスト増を補填するための『物価高騰緊急支援金』です。こちらは入所系、訪問系、通所系といったサービス種別ごとに支給額が決まっており、申請することで直接口座へ現金が振り込まれます。
もう一つが、将来的に必要となる設備や備品の購入をバックアップする『サービス継続支援事業』の事前要望調査です。こちらは現時点で現金を給付するものではありませんが、県が予算を確保するための重要なプロセスとなります。この調査で回答しなかった法人は、のちに補助金の本申請が始まった際に、対象外となってしまう恐れがあるため、注意深く内容をチェックしなければなりません。
物価高騰緊急支援金の支給対象と金額の詳細
まず、多くの事業者が対象となる緊急支援金の内容を深掘りしてみましょう。対象となるのは、長崎県内で申請日時点で施設を運営しており、今後も事業を継続する意思がある社会福祉法人等です。残念ながら、すでに休止や廃止をしている施設、あるいは令和7年度中にその予定がある場合は対象から外れてしまいます。
サービス種別ごとの支給単価
支給額は、サービス形態によって計算方法が変わる仕組みを採用しています。入所系サービスであれば、定員1人あたり光熱費分として4,000円、食材料費分として7,000円、合計で最大11,000円が支給される計算です。ただし、一部の介護老人福祉施設などは食材料費分が別途支援となる場合があるため、案内をよく確認してください。
| 区分 | 光熱費分 | 食材料費分 |
|---|---|---|
| 入所系施設 | 定員1人あたり4,000円 | 定員1人あたり7,000円 |
| 訪問系事業所 | 1事業所あたり21,000円 | 対象外 |
| 通所系事業所 | 1事業所あたり59,000円 | 定員1人あたり2,000円 |
小規模多機能型居宅介護や複合型サービスについては、少し特殊な計算を必要とします。光熱費分は1事業所あたり59,000円、食材料費分は登録定員数に2,000円を掛けた金額で申請するルールになっています。ご自身の施設がどの区分に当てはまるのか、定員数は何名なのかを、申請前に改めて整理しておくと手続きがスムーズに進みます。
設備・備品購入を助けるサービス継続支援事業の事前調査
こちらは緊急支援金とは別の、将来の設備投資に向けた重要なステップです。国の経済対策の一環として、物価上昇の中でもサービスを継続できるよう、必要な備品の購入費用を補助する事業が計画されています。補助の対象となる経費は非常に幅広く、現場の環境改善に役立つものが揃っています。
具体的には、訪問や送迎の移動経費、ネッククーラーや熱中症対策ウォッチといったスタッフの安全を守る備品のほか、施設内の暑さ対策として業務用スポットエアコンやサーキュレーター、断熱カーテンなども検討の対象に入ります。さらに、災害時に備えたポータブル発電機や蓄電池、飲料水、食料品の備蓄費用も含まれるため、この機会に防災体制を整えるのも賢い選択といえます。
注意点
この事前調査への回答期限は令和8年1月16日金曜日までと非常に短く設定されています。予算が限られているため、調査に参加しなかった法人はのちに補助金を受けられなくなる可能性が高いです。少しでも補助金の活用を考えているなら、まずは意向を示すために回答を済ませてください。
支援金を確実に受け取るための申請ステップ
緊急支援金の申請は、基本的にオンラインの電子申請システムで行います。郵送での申請は、特別な事情がない限り受け付けられないため、パソコン操作に慣れた担当者が進めることをおすすめします。以下に大まかな流れをまとめました。
必要書類の準備
申請書(様式第1号)のエクセルファイルに入力し、振込先口座がわかる通帳の写しを用意します。表紙と見開きの両方を忘れずにスキャンしてください。
電子申請システムへのアクセス
長崎県長寿社会課の指定フォームへアクセスし、利用者登録をするか、登録せずにそのまま申し込むボタンから進みます。
データの入力と送信
施設名や定員数、振込先口座情報などを正確に入力し、用意したファイルをアップロードして送信を完了させます。
県による審査
提出された書類に不備がないか審査されます。修正が必要な場合は連絡が来ることがあるため、連絡先は必ずつながるものを記載しましょう。
入金確認
決定通知書などは発送されないため、申請書に記載した口座へ入金があるかをご自身で確認することになります。
採択に向けたポイントと申請のコツ
この支援金は予算がある限り支給されるものですが、不備があると入金が大幅に遅れる原因になります。特に同一法人が複数の施設を経営している場合は、必ず法人内の施設をまとめて一つの申請で行う必要があります。施設ごとにバラバラに申請してしまうと、審査の手間が増えるだけでなく、差し戻しの対象となってしまうため注意が必要です。
ポイント
振込先口座は原則として法人名義の口座に限られます。もし何らかの事情で異なる名義の口座に振り込みを希望する場合は、委任状が必要になります。また、医療機関等としてすでに別の支援金を受けている定員分については重複受給ができないため、計算から除外しなければなりません。
よくある質問
Q. 障害者福祉施設も同じフォームから申請できますか?
A. 高齢者施設と障害者施設では長崎県の担当課が異なります。高齢者施設等は長寿社会課、障害者施設等は障害福祉課のそれぞれの電子申請システムから手続きを行う必要があります。窓口を間違えないよう、URLをよく確認してアクセスしてください。
Q. 定員数はいつの時点のものを記載すればいいですか?
A. 申請日時点で指定を受けている定員数を記載します。また、サービス継続支援事業の事前調査においては、訪問介護の回数などは令和7年4月から9月の平均値を用いるなど、調査ごとに指定された算出方法があるため、各様式の手引を読み込んでおくと安心です。
Q. 郵送やメールでの申請は本当に認められませんか?
A. 長崎県としては電子申請を原則としています。どうしてもシステムを利用できないやむを得ない事情がある場合に限り、事前に問い合わせ先へ連絡した上で、郵送による対応が相談できる仕組みです。基本的にはオンラインでの入力を推奨します。
Q. サービス継続支援の事前調査に回答しないとどうなりますか?
A. 県は調査結果をもとに予算規模を決定するため、要望を出していなかった事業所は、後日の本申請時に補助が受けられない可能性があります。現時点で具体的な購入品が決まっていなくても、活用の意向があるなら概算でも回答しておくことが重要です。
Q. 入金はいつ頃になりますか?
A. 申請があったものから順次審査が進められ、支払いの手続きが行われます。入金時期についての個別の問い合わせは遠慮してほしいとのアナウンスが県から出ているため、通帳の記帳などでこまめに確認するのが最も確実な方法です。
まとめ
長崎県の介護・障害福祉施設向けの支援は、日々のコストをカバーする緊急支援金と、将来の備えを助ける継続支援事業の二段構えとなっています。緊急支援金の申請期限である令和8年2月6日だけでなく、設備投資の事前調査期限である令和8年1月16日も目前に迫っています。日々の業務でお忙しい中かとは存じますが、大切な運営資金を確保するために、まずは対象サービスの確認と、早めのオンライン申請を心がけてください。不明点がある場合は、長崎県長寿社会課の施設・介護サービス班へ早めに相談することをおすすめします。
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