東京都内で介護サービスを運営する皆様にとって、止まらないガソリン価格の高騰は経営を圧迫する深刻な問題です。都では、利用者の送迎や居宅への訪問に欠かせない車両の燃料費を支援するため、1台あたり月額最大1,700円の支援金を交付しています。令和7年度の10月から12月分に関する申請が始まっていますので、対象となる事業所は忘れずに手続きを進めましょう。
この補助金の要点
東京都内の通所・訪問系介護サービス事業所が対象で、送迎や訪問に使用する車両のガソリン・軽油代が支援されます。事前申請の締め切りは令和8年1月23日までとなっており、事前の手続きが必須です。
支援金の概要と支給対象の仕組み
今回の支援金は、原油価格の高騰という厳しい状況下でも、安定的に介護サービスを提供し続ける事業所を支えるのが目的です。具体的には、令和7年10月1日から12月31日までの3ヶ月間に使用した車両の燃料費が対象になります。ただし、すべての事業所が対象というわけではなく、東京都内に開設されている民間の事業所に限定されている点に注意が必要です。
支給される金額は、提供しているサービスの種類によって異なります。デイサービスなどの通所系サービスであれば1台あたり月額1,700円、ホームヘルプなどの訪問系サービスであれば1台あたり月額900円が支給されます。補助率は10分の10ですので、基準額がそのまま手元に届く仕組みです。3ヶ月分をまとめて申請することになるため、通所系なら1台で5,100円、訪問系なら2,700円の支援が受けられる計算ですね。
1台あたりの月額支給額
| 通所系(通所介護・リハなど) | 1,700円 |
| 訪問系(訪問介護・看護など) | 900円 |
対象となる具体的なサービス一覧
対象となる事業所は、介護保険法に基づき東京都の指定を受けていることが前提です。通所系であれば、通所介護や通所リハビリテーションのほか、ショートステイ(短期入所生活介護・療養介護)も含まれます。一方で、訪問系では訪問介護や訪問入浴、訪問看護、リハビリテーションに加え、居宅介護支援や居宅療養管理指導も支援の対象に入っています。
注意点
地域密着型サービス(地域密着型通所介護など)や介護予防サービス、および地方公共団体が直接運営している事業所は対象外です。また、あくまで自動四輪車が対象のため、原付バイクや電気自動車などは含まれないことを覚えておきましょう。
支援対象となる車両と経費の条件
この支援金を受け取るためには、燃料の種類や車両の用途にも明確なルールがあります。まず、燃料はガソリンと軽油に限られています。最近普及が進んでいる電気自動車や、水素燃料車などは今のところ対象になっていません。そして車両は、軽自動車以上の自動四輪車であることが条件です。訪問介護などでよく使われるスクーターや三輪バイク、ミニカーなどは残念ながら対象から外れてしまいます。
現場でよくある質問として、車両の名義についても触れておきましょう。必ずしも事業所名義の車である必要はありません。職員個人の車を送迎や訪問に使用しており、その燃料代を事業所側がしっかりと負担しているのであれば、支援金の申請が可能です。委託業者が運行している車両であっても、燃料費の実費を事業所が支払っている場合は対象になります。ただし、こうしたケースでは車検証の写しに加えて、委託契約書や燃料費負担を証明する書類の保管が求められるため、今のうちから準備を整えておくのが賢明です。
ポイント:車両台数の数え方
台数の基準日は令和7年10月1日です。この日時点で事業所がサービスに使用している台数で申請します。10月2日以降に増やした分はカウントできませんが、途中で廃車した車両がある場合は、その使用期間分だけを日割り計算のような形で除いて申請する必要があります。
申請から受取までの5ステップ
手続きの流れは、少し特殊な二段階方式になっています。いきなり本申請ができるわけではないので、スケジュールの管理には十分注意してください。オンライン申請のjGrants(Jグランツ)を活用するとスムーズですが、郵送での対応も受け付けています。
LoGoフォームで事前申請
令和8年1月23日までに、指定のWEBフォームから基本情報を入力します。これが最初の入り口になります。
事務局から申請書類の発行
事前申請の内容に基づき、事務局から個別の交付申請書類が発行されます。内容に間違いがないかチェックしましょう。
jGrantsまたは郵送で本申請
発行された書類に必要事項を添えて提出します。郵送の場合は印鑑証明書の原本が必要になるため早めの取得を推奨します。
審査と交付決定通知
事務局で書類の不備がないか審査されます。問題がなければ交付決定通知が届きます。
支援金の振込
指定した口座に支援金が振り込まれます。10-12月分に関しては、実績報告が不要になったことで以前より簡略化されています。
申請のコツと見落としがちなポイント
申請をスムーズに進める最大のコツは、書類の整合性を保つことです。例えば、複数の事業所を一括で管理している法人の場合、事業所番号ごとに申請を分ける必要があります。同一法人でまとめて申請したくなる気持ちも分かりますが、事務局側では事業所番号ベースで管理しているため、このルールを無視すると差し戻しの原因になってしまいます。
また、他自治体から同様の燃料費支援を受けている場合は特に注意してください。同じ経費を対象にした補助金を重複して受け取ることはできません。区市町村レベルで独自の燃料費助成を行っているケースもあり、どちらか一方しか選べないことがほとんどです。ただし、対象経費を限定しない「経営支援金」のような定額給付であれば、今回の都の支援金と併用できる可能性もあります。迷ったときは、自治体の窓口や事務局に確認するのが一番の近道です。
最後に、郵送での申請を考えている方は印鑑証明書の扱いに気をつけてください。代表印を押印した書類とともに原本を添える必要がありますが、同一法人で複数事業所の分を一度に送るなら、原本1部とコピーの組み合わせで認められる特例があります。封筒1通ごとに原本を1枚入れる必要はないので、コストを抑える工夫も大切ですね。
よくある質問にお答えします
Q. みなし指定を受けている事業所も対象になりますか?
A. はい、対象になります。みなし指定であっても、今回指定されている事業種別であれば、自動車を使ってサービスを提供している実態があれば申請可能です。
Q. 職員個人の車を使う場合、何か特別な書類が必要ですか?
A. 車検証の写しが必要です。さらに、事業所が燃料費を負担していることを証明する資料(領収書や精算書など)をいつでも提出できるよう、社内で適切に保管しておく必要があります。
Q. 1台の車を複数の事業所で共有している場合はどうなりますか?
A. その場合は、最も使用頻度が高い事業所1つに絞って申請してください。重複しての申請は認められないので注意が必要です。
Q. 事業期間中に車を買い換えた場合はどうすればいいですか?
A. あくまで基準日(10月1日)時点での台数がベースになります。事業期間中に追加で購入した分を上乗せして申請することはできないため、10月1日時点の状態を正しく報告してください。
Q. 電気自動車(EV)が対象外なのはなぜですか?
A. 本事業はガソリンや軽油の価格高騰に対する緊急対策として実施されているためです。電気代の高騰については別の支援策が検討されることが多いため、今回の燃料費支援には含まれていません。
まとめ
まとめ
東京都の介護サービス事業所燃料費高騰緊急対策支援金は、物価高に苦しむ現場を直接的に支えてくれる貴重な制度です。通所系なら月1,700円、訪問系なら月900円と、1台あたりの額は決して大きくないかもしれませんが、車両台数の多い事業所にとっては大きな助けになります。令和8年1月23日の事前申請締め切りを逃すと、その後の本申請に進むことができません。書類の不備や名義の確認など、事前の準備をしっかり整えて、確実に受領できるようにしましょう。安定した介護サービスの継続のために、ぜひこの支援金を有効に活用してください。
※本記事の情報は執筆時点のものです。最新情報は東京都の公式サイトや事務局の案内をご確認ください。