兵庫県内で貨物運送業を営む皆様にとって、燃料価格の高止まりは経営を圧迫する深刻な問題ではないでしょうか。こうした厳しい状況を支えるため、兵庫県ではトラック1台につき8,000円を支給する『公共交通等事業者燃料油価格高騰対策一時支援金』の公募を開始しました。この支援金は、国の交付金を活用した一時的な措置であり、県内に営業所を持つ多くの運送事業者が対象となります。申請期間が限られているため、制度の内容を正しく理解し、早めに準備を進めることが大切です。
この補助金の要点
兵庫県内に営業所を持つ一般貨物自動車運送事業者が対象で、トラック1台あたり8,000円が定額支給されます。令和8年1月5日から2月20日までが申請期間となっており、郵送またはメールで手続きを行う流れです。トラック協会への加入・非加入を問わず、条件を満たすすべての事業者が活用できる支援制度です。
兵庫県による燃油高騰対策一時支援金の概要
今回の支援金は、長引く燃料価格の高騰によって大きな影響を受けている公共交通や物流の基盤を守ることが目的です。運送業界では、いわゆる『2024年問題』への対応でコストが増大する中、燃料費の負担がさらに経営を圧迫しているケースが少なくありません。兵庫県はこうした状況を重く受け止め、事業継続を後押しするために現金給付による直接的な支援を決定しました。
支給の基準となるのは、令和7年9月30日時点で兵庫県内の営業所に配置されている車両の数です。1台あたり8,000円という金額は、小規模な事業者から中堅企業まで、保有車両数に応じた公平な支援となるよう設定されました。なお、この事業は一般社団法人兵庫県トラック協会が事務局を担っていますが、協会の会員ではない事業者であっても申請を拒まれることはありません。公平な支援制度ですので、要件に合致するなら積極的に活用すべきでしょう。
トラック1台あたりの支給額
8,000円
対象となる事業者の詳細条件
まず、最も重要な条件は『兵庫県内に営業所を有していること』です。たとえ本社が県外にあっても、県内の営業所に登録されている車両であれば対象に含まれます。事業形態としては、貨物自動車運送事業法に基づく『一般貨物自動車運送事業』を経営していることが求められます。一方で、特定貨物自動車運送事業などは対象から外れるため注意が必要でしょう。
また、事業の継続性も厳しくチェックされます。令和7年9月末時点で事業を行っているだけでなく、令和8年3月末まで事業を継続する意思があることが交付の前提です。加えて、資本金の規模にも制限が設けられています。資本金または出資総額が10億円以上の大規模な法人は対象外となりますが、多くの地場運送会社であればこの枠内に収まるはずです。従業員数についても、資本金の定めがない場合は2,000人以下という基準が設けられています。
対象車両と除外される車両の判別
支援金の計算対象となるのは、原則としてエンジン(原動機)を搭載した走行可能なトラックです。しかし、運送会社が保有するすべての車両がカウントされるわけではありません。間違えて申請してしまうと、後の審査で修正を求められたり、過払い金の返還が必要になったりするため、事前の確認が不可欠です。
注意が必要な除外車両
以下の車両は、保有していても支援金の対象外となります。
・被牽引車(トレーラーの台車部分など、エンジンを持たないもの)
・霊柩車や一般廃棄物収集運搬車など、特定の用途のみに使用される車両
・車検切れや休車手続きを行っている車両
これらは走行による燃料消費を前提とした支援の趣旨にそぐわないため、除外されています。
具体例を挙げると、トラクターヘッドはエンジンがあるため対象になりますが、後ろに連結するシャーシ(被牽引車)は対象外です。また、一般貨物運送の許可を持っていても、実際の業務がゴミ収集(一般廃棄物)に特化している車両などはカウントできません。申請時には車検証の写しや車両一覧表と照らし合わせながら、正確な台数を把握することが求められます。
申請手続きの具体的なステップ
申請の手続きは、事務的な負担を軽減するために非常にシンプルに設計されています。インターネットが苦手な方でも郵送で対応できますし、スピーディーに済ませたい方はメールでの送付も可能です。準備から入金までの流れを順番に見ていきましょう。
必要書類のダウンロードと作成
兵庫県トラック協会のホームページから『交付申請書兼請求書』をダウンロードします。エクセル版とPDF版が用意されているので、使いやすい方を選んでください。
車両数の確認と記入
令和7年9月30日時点の配置車両数を記入します。前述した除外車両を含めないよう、台帳や車検証をしっかり確認しましょう。
振込先口座情報の用意
支援金を受け取るための通帳の写しなど、口座番号や名義が正しくわかる書類を準備します。法人の場合は法人名義の口座が必要です。
書類の提出
作成した書類を兵庫県トラック協会へ送付します。郵送の場合は『申請書在中』と朱書きし、メールの場合は指定のアドレスに添付して送信してください。
審査と入金
事務局で内容が確認されると、指定の口座に支援金が振り込まれます。振り込みをもって交付決定の通知となります。
申請を成功させるためのポイントと採択のコツ
この支援金は、要件さえ満たしていれば基本的には誰でも受け取れるものです。それだけに、書類の不備による『差し戻し』を避けることが一番の近道といえます。特に、振込先口座の名義が申請者名と完全に一致しているか、フリガナまで含めて再確認してください。よくあるミスとして、法人名の前後に付く『カブシキガイシャ』を省略してしまい、入金エラーが発生するケースが見受けられます。
次に注意したいのが、令和8年3月末までの継続意思です。この支援金は事後のチェックが行われる可能性があり、万が一、令和8年3月31日までに廃業や休車、車両の処分などで稼働台数が申請時を下回った場合、その差分を返還しなければならないという厳しいルールが存在します。計画的に車両の入れ替えを行う予定があるなら、9月30日時点の台数だけでなく、3月末まで確実に稼働し続ける台数で申請するのが安全な選択かもしれません。
ポイント
車両数のカウントミスは返還リスクにつながります。廃車予定がある車両などはあらかじめ除外して申請するなど、保守的な台数設定も一つのリスク管理です。また、申請期間の最終日は混雑が予想されるため、2月上旬までには投函を済ませておきましょう。
よくある質問(FAQ)
Q. トラック協会に入っていなくても申請できますか?
A. はい、可能です。今回の支援金は兵庫県が実施する公的な支援策であり、協会の会員・非会員を問わず、県内に営業所を持つ対象事業者であれば誰でも申請いただけます。
Q. 令和7年10月以降に事業を譲り受けた場合はどうなりますか?
A. 事業承継を行い、令和8年3月末まで継続する意思がある場合は、例外的に対象となる可能性があります。交付要綱の別表1に詳細が定められていますので、事務局へ個別相談することをおすすめします。
Q. 車両台数を確認できる証明書類は何が必要ですか?
A. 基本的には申請書への記入で進められますが、審査の過程で車検証の写しや、運輸支局に提出した『連絡書』等の提示を求められることがあります。すぐに提出できるよう準備しておくとスムーズです。
Q. 申請から振込までどのくらいの期間がかかりますか?
A. 申請の集中具合にもよりますが、不備がなければ数週間から1ヶ月程度が目安です。個別の振込日の通知はなく、通帳の記帳をもって確認する形になります。
Q. 郵送とメール、どちらの申請が推奨されますか?
A. どちらでも受付可能ですが、郵送の場合は『特定記録』や『レターパック』など追跡ができる方法を選ぶと安心です。メールの場合は件名を指定通りに入力し、容量制限に注意して送信してください。
まとめ
兵庫県の燃料油価格高騰対策一時支援金は、厳しい経営環境にある運送事業者を守るための貴重な資金源です。1台あたり8,000円という金額は、車両を多く抱える事業者ほど大きな支えになるでしょう。申請期限の令和8年2月20日はあっという間にやってきます。特に年度末に向けて繁忙期を迎える業界ですから、時間のある今のうちに書類作成に着手することが、確実に受給するための最大のポイントです。まずは自社の保有車両が対象に含まれるかを再確認し、正確な台数で申請を行いましょう。
※本記事の情報は執筆時点(2026年1月)のものです。申請にあたっては、必ず兵庫県や兵庫県トラック協会の公式サイトで最新の交付要綱および様式を確認してください。