従業員の子育てを応援する企業として認められる’くるみん認定’ですが、実は認定を受けるだけでなく、中小企業であれば最大50万円の助成金を受け取れる制度が存在します。この’くるみん助成金’は、職場環境の整備にかかった費用を国がバックアップしてくれるもので、返済不要の資金として非常に人気があります。令和7年度からは認定基準が新しくなるなど、制度の転換期を迎えているため、正しい知識を持って申請に臨むことが大切です。この記事では、申請を検討している経営者や人事担当者の方に向けて、受給のための具体的な条件や手続きの流れを分かりやすく解説します。
この助成金の要点
従業員300人以下の中小企業が’くるみん認定’等を受けることで、1企業あたり最大50万円の助成を受けられます。子育て支援のための設備投資やシステム導入、社内研修などの実費が対象となり、特にプラチナくるみん認定企業は毎年度の申請が可能です。
くるみん助成金の概要と中小企業が受けられるメリット
この助成金の正式名称は’中小企業子ども・子育て支援環境整備助成事業’といい、こども家庭庁が管轄しています。主な目的は、中小企業における仕事と育児の両立支援を加速させることです。少子高齢化が進む中で、優秀な人材を確保するためには’働きやすさ’のアピールが欠かせません。認定マークを取得して対外的なイメージを高めつつ、そのために投じた費用を助成金で補えるため、企業にとっては一石二鳥の制度と言えるでしょう。
対象となるのは、常時雇用する労働者が300人以下の中小企業です。また、子ども・子育て支援法に基づく’一般事業主拠出金’を適切に納付していることも必須条件となります。これは社会保険料とともに徴収されているもので、ほとんどの法人が該当しますが、未納がある場合は申請が通らないため注意が必要です。認定の種類によって助成の回数が異なり、’くるみん’や’くるみんプラス’であれば1回の認定につき1回限りですが、よりハードルの高い’プラチナくるみん’であれば、認定を維持している限り毎年度申請できる点が大きな魅力ですね。
補助上限額(1企業あたり)
50万円(実費分)
令和7年度からの重要な改正ポイント
令和7年4月1日から、くるみん認定の基準がさらに引き上げられることが決定しました。これに伴い、認定マークのデザインも一新されます。これまでよりも育休取得率の目標値が高くなるなど、ハードルは少し上がりますが、その分だけ’認定企業’としての価値は高まると考えられます。これから申請を考えている方は、自社の計画期間が新基準に該当するかどうかを事前によく確認しておく必要があるでしょう。
助成対象となる取り組みと経費の具体例
助成金を受け取るためには、単に認定を得るだけでなく、実際に雇用環境を整備するための事業を行う必要があります。具体的には、以下のような取り組みにかかった実費が対象となります。幅広く認められるため、自社の課題に合わせて活用方法を検討してみてください。
| 取組カテゴリー | 対象となる経費の例 |
|---|---|
| 育児休業の取得促進 | 社内研修の講師謝礼、周知用のリーフレット作成費、相談窓口の設置費用 |
| 労働時間の削減・柔軟な働き方 | テレワーク用端末の購入、勤怠管理システムの導入費用、業務効率化ソフト |
| 子育て支援施設の整備 | 社内託児所の備品購入、ベビーシッター派遣サービスの利用契約料 |
ポイント
経費として認められるのは、認定を受けた年度内、またはプラチナ認定の場合はその年度に実施した事業に限られます。領収書や振込控えなど、支払いを証明する書類は必ず保管しておきましょう。
助成金受給までの5ステップ
申請の手続きはオンラインのポータルサイトから行います。まずは全体の流れを把握して、スケジュールの見通しを立てることから始めましょう。
一般事業主行動計画の策定と認定取得
まずは都道府県労働局に行動計画を届け出、目標を達成して’くるみん’等の認定を受ける必要があります。
ポータルサイトからの助成申請
認定通知書や登記事項証明書、予算書などの必要書類を揃えてオンラインで申請を行います。
助成決定と事業の実施
事務局から’助成決定通知書’が届いたら、計画に沿って備品の購入や研修などの事業を実施します。
完了報告書の提出
事業が終わったら1か月以内に実施報告書と精算報告書を提出します。支払い証憑のPDF化を忘れずに。
確定通知と請求手続き
交付額の確定通知を受け取った後、請求書を提出すると、指定の口座に助成金が振り込まれます。
採択されやすくするためのコツと注意点
この助成金は審査によって可否が決まりますが、要件を完璧に満たしていれば基本的には受給可能です。ただし、いくつか落とし穴があるため注意してください。まず最も重要なのは、’予算の上限’です。令和7年度の申請期間は令和8年2月13日までとなっていますが、それより前でも予算が底をつけば受付が打ち切られます。認定を受けたら、できるだけ早く申請書を出すのが鉄則です。
次に、書類の整合性です。くるみん認定を受けた際の申請書に記載した労働者数と、現在の実態があまりに乖離していたり、社会保険料の納付証明が不鮮明だったりすると、確認のために審査が遅れる原因になります。また、助成金を受け取った後に認定が取り消されるような事態(重大な法令違反など)が発生すると、助成金の返還を求められることもあるので、認定企業としての自覚を持った運営が求められますね。
注意点
令和7年7月1日から代表者変更に伴い、申請書類の様式が更新されています。古い様式で提出すると受理されないため、必ずポータルサイトから最新のファイルをダウンロードして使用してください。
よくある質問(FAQ)
Q. ‘トライくるみん認定’でも助成金の対象になりますか?
A. 残念ながら、トライくるみん認定は本助成金の対象には含まれません。助成金を希望する場合は、一段上の’くるみん認定’以上の取得を目指す必要があります。
Q. パソコンの購入費用は全額認められますか?
A. テレワーク環境の整備など、子育て支援に直接つながる目的であれば対象になります。ただし、助成上限が50万円であるため、それを超える分は自己負担となります。また、汎用性が高すぎる備品は目的を厳しく問われる場合があります。
Q. 過去に一度受給していますが、再度申請できますか?
A. ‘くるみん認定’の場合は、新しい認定を再度受けるごとに1回申請できます。’プラチナくるみん認定’の場合は、認定を継続していれば年度が変わるごとに毎年度申請が可能です。
Q. 申請から入金まで、どのくらいの期間がかかりますか?
A. 書類に不備がなければ、助成決定まで約2週間、その後の事業完了報告から振込まで約1か月程度が目安です。ただし、年度末などは混み合うため、余裕を持ったスケジュールをおすすめします。
Q. 不妊治療と仕事の両立に関する’くるみんプラス’も対象ですか?
A. はい、対象になります。くるみんプラス、およびプラチナくるみんプラスの認定を受けた中小企業も、同様に最大50万円の助成を受けることが可能です。
まとめ
くるみん助成金は、子育て支援に力を入れる中小企業にとって非常に心強い制度です。最大50万円という金額は、社内研修の実施やITツールの導入費用として十分なインパクトがあります。令和7年度からは認定基準が新しくなるため、早めに現在の制度内容を確認し、自社の取り組みがどの認定に該当するのかを見極めましょう。優秀な人材に選ばれる会社作りの第一歩として、この機会に認定取得と助成金の活用を検討してみてはいかがでしょうか。
※本記事の情報は執筆時点のものです。令和7年度の公募要領に基づき作成していますが、最新情報は必ず’くるみん助成金ポータルサイト’でご確認ください。