この記事のポイント
- 知床遊覧船事故を教訓に、小型旅客船の安全対策を強化するための補助金です。
- 業務用無線設備や改良型救命いかだ等「5つの安全設備」の購入・設置費用の一部を支援します。
- 補助率は原則2/3、船舶の規模や設備に応じて最大385万円以上の補助が受けられます。
- 申請はオンラインで完結。予算がなくなり次第終了のため、早めの手続きが推奨されます。
小型旅客船等の安全・安心確保推進事業補助金とは?
「小型旅客船等の安全・安心確保推進事業補助金」とは、2022年4月に発生した知床遊覧船事故を教訓に、旅客船の安全基準を強化する目的で設立された制度です。この補助金は、小型旅客船等の安全対策に積極的に取り組む事業者を支援し、持続的な事業運営を下支えしながら、安全・安心な運航を実現することを目的としています。具体的には、国が定めた「5つの安全設備」の購入および設置にかかる費用の一部を補助します。
本事業は、公益財団法人日本財団からの助成を受け、一般社団法人日本中小型造船工業会が設立した「小型旅客船等の安全・安心確保に係る支援基金」を活用して実施されています。
補助対象となる「5つの安全設備」
本補助金の対象となるのは、以下の5種類の安全設備です。これらの設備は、万が一の海難事故発生時に乗客・乗員の命を守り、迅速な救助活動につなげるために不可欠なものです。
-
① 業務用無線設備
国際VHFなど、陸上や周囲の船舶と常時通信できる設備の導入を支援します。携帯電話が通じない海上での重要な連絡手段となります。 -
② 非常用位置等発信装置
新型EPIRB(衛星非常位置指示無線標識)やAIS(船舶自動識別装置)など、海難発生時に自船の位置情報を自動で発信する装置の導入を支援します。 -
③ 改良型救命いかだ等
荒天時でも落水のリスクを減らして安全に乗り移ることができ、水中での待機が不要な改良型救命いかだ等の導入を支援します。 -
④ 浸水警報装置・排水設備
船内への浸水を早期に検知して知らせる警報装置(警報盤・検知器)や、浸水した水を排出する排水ポンプの導入を支援し、沈没を防ぎます。 -
⑤ ドライブレコーダー
船舶の前方と操船者を同時に撮影するドライブレコーダーの導入を支援します。事故原因の究明や安全運航意識の向上に繋がります。
補助対象者と対象船舶
本補助金の対象となるのは、補助対象船舶の所有者(船舶検査証書の所有者欄に記載されている法人または個人)です。対象となる船舶は以下の通りです。
- 旅客定員13人以上の船舶
(ただし、遊漁船業の適正化に関する法律第二条第一項に規定する遊漁船業の用のみに供する船舶は除く) - 旅客定員12人以下の船舶のうち、海上運送法の適用を受ける事業者が使用する船舶
※注意:遊漁船に対する補助については、水産庁が実施する「遊漁船安全設備導入支援事業」が別途ありますので、そちらをご確認ください。
補助額・補助率の詳細
補助額は、導入する設備や船舶の種類によって異なります。原則として購入・設置費用の2/3が補助されますが、上限額が設定されています。詳細は以下の表をご確認ください。
| 設備 | 補助率 | 一隻あたりの補助上限額 |
|---|---|---|
| 業務用無線設備 | 小型船(20t未満): 2/3 大型船(20t以上): 1/2 | 小型船: 8万円 大型船: 6万円 |
| 非常用位置等発信装置 | 小型船(20t未満): 2/3 大型船(20t以上): 1/2 | 小型船: 38万円 大型船: 28.5万円 |
| 改良型救命いかだ等 | 2/3 | 最大とう載人数により変動 ・~16人: 73.3万円 ・17~25人: 100万円 ・26~50人: 142.6万円 ・117~125人: 385.3万円 など |
| 浸水警報装置・排水設備 | 2/3 | 購入個数により変動 ・1個: 25万円 ・2個: 40万円 ・3個以上: 55万円 |
| ドライブレコーダー | 2/3 | 10万円 |
※重要:補助の対象となるのは、令和6年4月1日以降に購入した安全設備です。また、補助額は「計算上の補助額」と「上限額」のうち、いずれか低い方の金額が適用されます。
申請期間と申請方法
申請期間
2025年5月15日(木)より受付を開始しています。
この補助金は予算の上限に達し次第、公募を終了します。安全設備の導入を検討している事業者は、お早めの申請をおすすめします。
申請の流れ
申請は、公式の補助金ホームページからオンラインで行います。手続きは以下のステップで進みます。
- 公式サイトにアクセス: まずは補助金ホームページにアクセスします。
- 申請IDの作成: 「新規ID作成」ボタンから連絡用のメールアドレスを登録します。
- メール確認: 登録したアドレスに届くメールのURLをクリックし、登録を完了させると申請IDが作成されます。
- 情報登録: 申請フォームに従い、申請者情報と希望する安全設備を登録します。
- 給付申請・実績報告: 設備の購入・設置後、実績報告と精算払請求を行います。
- 補助金給付: 審査を経て、補助金が給付されます。
補助金は安全設備ごとに申請が必要です。ただし、同じ安全設備であれば、複数の船舶分をまとめて申請することが可能です。
問い合わせ先
補助金に関する不明点や質問は、下記の事務局までお問い合わせください。
小型旅客船等の安全・安心確保推進事業補助金事務局
電話番号: 050-5838-0466
(受付時間: 平日10時~17時 ※土日祝日・年末年始を除く)
メールアドレス: info@marine-shien.jp
(24時間受付 ※件名の冒頭に【問い合わせ】と記載してください)
まとめ
「小型旅客船等の安全・安心確保推進事業補助金」は、旅客船の安全性を飛躍的に向上させるための重要な支援制度です。設備の義務化も進む中、この機会に補助金を活用して、より安全・安心な運航体制を構築してみてはいかがでしょうか。予算には限りがあるため、対象となる事業者様は、ぜひお早めに公式サイトで詳細を確認し、申請手続きを進めてください。
申請前チェックリスト
Checklist類似補助金との比較
Comparison| 比較項目 |
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大385万円 | 最大1,500万円(年500万円×3年間) | 最大1,000万円 | 最大3億円(年度上限2,000万円) | 上限2,000円 |
| 補助率 | 原則として補助対象経費の2/3です。ただし、業務用無線設備および非常用位置等発信装置については、大型船(20トン以上)の場合は1/2となります。各設備には補助上限額が設定されています。 | 2026/01/16 | 2026/01/16 | — | 購入費用の2分の1(100円未満切り捨て)、上限2,000円 |
| 申請締切 | 2026年3月31日 | 2028年3月31日まで(事前相談は前年度9月末まで) | 2025年4月1日から(事前協議は3ヶ月前まで) | 令和13年3月31日まで | 令和9年3月31日まで |
| 難易度 | |||||
| 採択率 AI推定 | 30.0% ※参考値 | 90.0% ※参考値 | 100.0% ※参考値 | 80.0% ※参考値 | 90.0% ※参考値 |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
Q どのような経費が対象になりますか?
1. 業務用無線設備(国際VHFなど)
2. 非常用位置等発信装置(新型EPIRB、AIS)
3. 改良型救命いかだ等
4. 浸水警報装置・排水設備(警報盤、検知器、排水ポンプ)
5. ドライブレコーダー
※令和6年4月1日以降に購入した安全設備が対象です。