外国人労働者の雇用や職場定着にお悩みの事業主様へ。外国人材が安心して働ける環境を整備するための費用を国が支援する「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」をご存知ですか?令和7年度から制度が変更され、1制度導入ごとに20万円、最大80万円の定額助成となり、より活用しやすくなりました。この記事では、最新の制度内容、対象者、申請の流れまで、どこよりも分かりやすく解説します。
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)とは?
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、外国人労働者が日本の労働法制や文化、言語の壁などから生じるトラブルを防ぎ、職場に定着しやすくするための環境整備に取り組む事業主を支援する制度です。具体的には、通訳の配置や就業規則の多言語化といった取り組みにかかる経費の一部が助成されます。
深刻化する人手不足を背景に、外国人労働者の活躍は多くの企業にとって不可欠となっています。この助成金を活用することで、外国人材が能力を最大限に発揮できる職場環境を構築し、企業の持続的な成長につなげることができます。
【重要】令和7年度からの主な変更点
令和7年4月1日以降に計画を提出する場合、以下の点が変更され、より利用しやすくなりました。
- 経費助成から定額助成へ: これまでの「かかった経費の1/2または2/3を助成」という形から、「1つの制度導入・実施につき20万円」の定額助成に変更されました。これにより、計画段階で受給額の見通しが立てやすくなりました。
- 「やさしい日本語」も対象に: 就業規則などを多言語化する際、外国語への翻訳だけでなく、外国人にも理解しやすい「やさしい日本語」への翻訳も対象となりました。
支給額はいくら?【最大80万円】
この助成金の支給額は、導入・実施した「就労環境整備措置」の数に応じて決まります。
1つの措置導入につき 20 万円
(上限 80 万円)
上限が80万円であるため、最大で4つの措置導入に対して助成が受けられる計算になります。詳細な対象措置については後述します。
助成対象となる事業主の主な要件
本助成金を受給するには、以下の主な要件を満たす必要があります。
- 雇用保険の適用事業主であること。
- 「外国人雇用状況届出」をハローワークに適正に提出していること。
- 認定された「就労環境整備計画」に基づき、期間内に新たな措置を導入・実施すること。
- 計画期間終了後の1年間で、対象の外国人労働者の離職率が15%以下であること。
- 事業主都合による解雇等を行っていないこと。
※この他にも共通の要件があります。詳細は管轄の労働局にご確認ください。
助成対象となる5つの就労環境整備措置
助成金を受給するには、以下の【必須メニュー】2つに加え、【選択メニュー】3つのうちいずれか1つ以上を新たに導入・実施する必要があります。
【必須メニュー】(両方の実施が必要)
- 雇用労務責任者の選任
外国人労働者からの相談対応や就労環境整備の管理業務を担当する責任者を事業所ごとに選任し、周知します。責任者は定期的に外国人労働者と面談を行う必要があります。 - 就業規則等の多言語化
就業規則や雇用契約書などを、雇用する外国人労働者の母国語や「やさしい日本語」などで作成し、周知します。
【選択メニュー】(いずれか1つ以上の実施が必要)
- 苦情・相談体制の整備
母国語で相談できる窓口の設置や、外部機関への委託による相談体制を構築し、就業規則等に定めて周知します。 - 一時帰国のための休暇制度の整備
年次有給休暇とは別に、一時帰国を希望する際に取得できる有給休暇制度(年1回、連続5日以上)を新たに設け、就業規則等に定めます。 - 社内マニュアル・標識類等の多言語化
安全衛生や業務に関するマニュアル、事業所内の標識などを多言語化し、周知します。
助成対象となる経費
上記の措置を導入・実施するために、外部の機関や専門家等に支払った以下の経費が対象となります。
| 経費項目 | 内容 |
|---|---|
| 通訳費 | 雇用労務責任者との面談や相談対応時の通訳にかかる費用 |
| 翻訳機器導入費 | 面談に必要な翻訳機器の購入費用(上限10万円) |
| 翻訳料 | 就業規則やマニュアル等の翻訳にかかる費用 |
| 専門家への委託料 | 弁護士や社会保険労務士等への就労環境整備に関する委託料(顧問料は除く) |
| 社内標識類の設置・改修費 | 多言語の標識類の設置や改修にかかる費用 |
※自社内で対応した場合は対象外となるためご注意ください。
申請から受給までの流れ
助成金を受給するまでの大まかな流れは以下の通りです。必ず措置を導入する前に計画を提出・認定される必要がある点に注意してください。
- STEP 1: 就労環境整備計画の作成・提出
どのような措置をいつから導入するかを定めた計画書を作成し、管轄の労働局へ提出します。提出期限は計画開始日の1ヶ月前までです。 - STEP 2: 労働局による計画の認定
提出された計画書が審査され、内容が適切であれば認定通知書が交付されます。 - STEP 3: 計画に基づく措置の導入・実施
認定された計画に沿って、計画期間内(3ヶ月以上1年以内)に新たな措置を導入し、対象の外国人労働者に対して実施します。 - STEP 4: 支給申請
計画期間終了後、12ヶ月間の離職率などを算定する期間(評価期間)が終了してから2ヶ月以内に、支給申請書と必要書類を労働局へ提出します。 - STEP 5: 審査・助成金の支給
支給申請の内容が審査され、要件を満たしていれば助成金が支給されます。
まとめ
人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)は、外国人労働者が安心して長く働ける職場づくりを強力に後押しする制度です。令和7年度からは定額助成となり、より計画的に活用しやすくなりました。
この助成金を活用して、言語や文化の壁を乗り越え、多様な人材が活躍できる職場環境を整備しませんか?それは結果として、従業員の定着率向上、生産性向上、そして企業の競争力強化に繋がるはずです。
詳細な要件や申請書類については、必ず厚生労働省の公式サイトや管轄の労働局にご確認ください。
申請前チェックリスト
Checklist類似補助金との比較
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|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大80万円 | 1人につき20万円(最大100万円) | 最大30万円 |
| 補助率 | 【令和7年4月1日以降提出の計画】1つの就労環境整備措置の導入・実施につき20万円の定額助成。上限は4措置分で80万円です。 | 助成対象経費の実支出額(上限20万円/人)。助成対象経費が1人当たり20万円に満たない場合は、当該助成対象経費(1,000円未満切り捨て)。 | 対象企業又は法人等が負担した額から県奨学金制度における県補助金交付額を控除した額に2分の1を乗じた額 |
| 申請締切 | 支給申請は、就労環境整備計画期間の終了後、12ヶ月の評価期間が満了した日の翌日から2ヶ月以内。計画の提出は、計画開始日の1ヶ月前まで。 | 雇用した日から6か月を経過し、その日から3か月以内 | 令和10年3月31日 |
| 難易度 | |||
| 採択率 AI推定 | 30.0% ※参考値 | 90.0% ※参考値 | 50.0% ※参考値 |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
【支給申請時】支給申請書、導入した措置の概要票、経費の支払いを証明する書類(領収書、契約書等)、多言語化した就業規則やマニュアル、面談結果一覧表、支給要件確認申立書など。
Q どのような経費が対象になりますか?
1. 通訳費
2. 翻訳機器導入費(上限10万円)
3. 翻訳料(社内マニュアル・標識類等を含む)
4. 弁護士、社会保険労務士等への委託料(顧問料は除く)
5. 社内標識類の設置・改修費