【最大28万円】鉛製給水管取替工事助成金とは?対象者・申請方法と自治体事例を解説
補助金詳細
Details対象地域の給水装置の所有者または所有者から同意を得た使用者で、鉛製給水管の取替工事を行う者。
– 鉛製給水管取替工事助成金交付申請書
– 工事見積書の写し
– 工事箇所の位置図・平面図
– 工事着手前の現況写真
– 請求書
– (場合により) 委任状
– (場合により) 給水装置の所有者であることがわかる書類(登記事項証明書など)
※自治体により異なります。
– 鉛製給水管の撤去費用
– 新しい給水管(ポリエチレン管など)の材料費
– 給水管の取替工事にかかる施工費
– 道路や宅地内の掘削・復旧費用(アスファルト、モルタル仕上げまでなど制限がある場合も)
※設計費や各種申請手数料は対象外となることが多い。
補助金概要
Overview■ この記事の信頼性
監修:補助金インサイト編集部(中小企業診断士・行政書士監修)
最終更新:2025年10月1日
情報源:各自治体水道局 公募要領・助成金制度案内
| 基本情報サマリー | |
|---|---|
| 制度名 | 鉛製給水管取替工事助成金(名称は自治体による) |
| 最大補助額 | 最大28万円(例:徳島市) ※自治体により異なる |
| 補助率 | 1/2 〜 全額 |
| 対象エリア | 制度実施中の各市区町村(京都市、大阪市など多数) |
| 主な対象経費 | 鉛管撤去費、新管材料費、工事費など |
| 審査難易度 | 低(要件合致で原則交付) |
「うちの水道水、本当に安全?」「水道管が古いけど、交換費用が高そう…」そんな不安をお持ちではありませんか?
特に、昭和後期以前に建てられた住宅では、健康への影響が懸念される「鉛製給水管(鉛管)」が使われている可能性があります。鉛管は、水道水に鉛が溶け出すリスクがあり、国や自治体も交換を推奨しています。
この記事では、高額になりがちな取替工事の負担を軽減できる「鉛製給水管取替工事助成金」について、制度の概要から申請方法、採択のコツまで解説します。
この補助金を30秒で理解
■ この記事のポイント
- 鉛製給水管のリスクと取替の重要性がわかる
- 全国の自治体で実施されている助成金制度の概要を把握できる
- 助成金額や対象条件、申請の具体的な流れがわかる
- 工事費用を抑え、賢く安全な水道環境を実現する方法がわかる
制度の目的と背景
鉛製給水管取替工事助成金は、各自治体の水道局が、住民の健康を守り、安全な水道水を供給するために設けている制度です。
鉛は加工しやすいため、かつては水道管の材料として広く使われていました。しかし、長年使用するうちに管が劣化し、水道水に鉛がごく微量に溶け出す可能性が指摘されています。特に、朝一番の水や長時間留守にした後の水は、鉛の濃度が一時的に高くなることがあります。
国の水質基準は年々厳しくなっており、平成15年4月には鉛の基準値が大幅に強化されました。これを受け、全国の水道事業者は道路の下にある配水管から各家庭の水道メーターまでの鉛管の交換を進めています。
しかし、水道メーターから蛇口までの宅地内の給水管は個人の資産であるため、交換費用は自己負担が原則です。この経済的負担を軽減し、鉛管の解消を促進するために、多くの自治体が工事費用の一部を助成する本制度を設けています。
実施組織について
この助成金は、国が一括で管理しているものではなく、お住まいの市区町村の水道局や上下水道局が個別に実施しています。そのため、お住まいの地域によって制度の有無や内容が異なります。
■ 対象になる主な条件
- 対象となる給水区域内(自治体内)にある給水装置の所有者
- 宅地内(水道メーターから蛇口まで)に鉛管が使用されていること
- 鉛管の全部または一部を、ポリエチレン管など現行基準に適合する管種に取り替える工事であること
- 自治体が指定する「指定給水装置工事事業者」が施工する工事であること
- 水道料金の滞納がないこと
基本的にはその家の所有者(大家さん)が申請対象となりますが、所有者の同意があれば、入居者が申請できる場合もあります。また、多くの場合、建物の新築、増改築、解体に伴う工事は対象外となります。
補助金額と計算方法
助成金額や補助率は、自治体によって大きく異なります。ここでは、いくつかの自治体の例を比較してみましょう。
| 自治体 | 助成内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 徳島市 |
・配水管~メーター:対象工事費の80%(上限28万円) ・メーター~蛇口:対象工事費の全額(上限10万円) | 工事範囲によって助成率・上限額が異なる手厚い制度。 |
| 大阪市 | 対象工事費の1/2(上限20万円) | 工事費は市水道局の積算基準により算出。 |
| 香川県広域水道企業団 | 企業長が算出した金額 | 具体的な率は要綱に記載なし。管轄センターへ確認が必要。 |
| 京都市 | 工事費の一部を助成 | 詳細は担当課への問い合わせが必要。サジェスト等でも検索される主要な制度の一つ。 |
| 岩国市 | 工事費の一部を助成 | 令和5年4月から制度開始。 |
申請の流れ
助成金の申請は、多くの場合、工事を依頼する指定給水装置工事事業者が代行してくれます。しかし、全体の流れを把握しておくことで、スムーズに手続きを進めることができます。
| 1 |
鉛管の確認と事業者への相談 まずは自宅の水道管が鉛管かを確認します。不明な場合は、自治体の水道局に問い合わせるか、指定給水装置工事事業者に調査を依頼します。 |
| 2 |
助成金の交付申請 工事を依頼する事業者を決定後、事業者が代理で水道局に助成金の交付申請書と必要書類を提出します。 ※必ず工事着工前に申請が必要です。 |
| 3 |
交付決定通知の受領 水道局で書類が審査され、「交付決定通知書」が届きます。この通知を受け取ってから、初めて工事を開始できます。 |
| 4 |
取替工事の実施 指定給水装置工事事業者が鉛管の取替工事を行います。 |
| 5 |
完了報告と助成金請求 工事完了後、事業者が水道局に完了報告書と請求書、工事後の写真などを提出します。 |
| 6 |
助成金の受領 審査完了後、指定口座に助成金が振り込まれます。 |
審査のポイント
この助成金は、要件を満たしていれば原則として交付されますが、以下の点に注意してください。
■ 採択率を高めるコツ
- 早めの行動を心がける:予算上限に達すると受付終了となるため、年度初めなどの申請が有利です。
- 信頼できる指定事業者を選ぶ:助成金申請の実績が豊富な事業者を選ぶと、手続きがスムーズです。
- 書類の不備をなくす:提出前に自分でも内容を確認しましょう。
注意点・よくあるミス
- 申請前に工事を開始してしまった
- 自治体の予算が上限に達してしまった(受付終了)
- 指定給水装置工事事業者以外の業者に工事を依頼した
- 助成金の対象外となる工事(新築など)だった
- 水道料金を滞納していた
よくある質問(FAQ)
申請すべきかの判断基準
以下の基準に一つでも当てはまる場合は、早めの検討をお勧めします。
- ✓ 昭和後期以前(特に昭和62年以前)の建物に住んでいる
- ✓ 朝一番の水道水に違和感がある、または不安がある
- ✓ 小さなお子様や高齢者が同居しており、健康リスクを最小限にしたい
- ✓ 将来的に家のリフォームや建て替えを検討している
もし東京都にお住まいで、リフォームと合わせて省エネ改修も検討されている場合は、以下の記事も参考にしてください。給水管の取替と同時に行うことで、住宅全体の性能向上が期待できます。
【2025年度】東京都 既存住宅省エネ改修促進事業|最大325万円・都内住宅所有者向け・公募中
今日からやるべきこと
鉛製給水管の取替は、ご家族の健康を守るための重要な投資です。「鉛製給水管取替工事助成金」を賢く活用することで、その負担を大きく減らすことができます。
■ アクションプラン
- 自治体のウェブサイトを確認:お住まいの市区町村の水道局のウェブサイトで、助成金制度の有無と詳細を確認しましょう。
- 指定事業者へ連絡:指定給水装置工事事業者に連絡し、現地調査と見積もりを依頼します。
- 早めの申請:予算がなくなる前に、早めに申請手続きを進めましょう。
公式情報・問い合わせ先
| 公式サイト | 各自治体水道局のサイトを確認してください |
| 問い合わせ先 |
お住まいの市区町村 水道局・上下水道局 給水課など 受付時間:平日9:00〜17:00(自治体による) |
申請前チェックリスト
類似補助金との比較
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大2,666円 | 最大325万円 | 最大20万円 | 最大218万5千円 | 最大150万円 |
| 補助率 | — | 【高断熱窓・ドア】製品の性能・大きさに応じた定額補助(上限130万円、条件により最大325万円)。【断熱材】対象経費の1/3(上限100万円)。【高断熱浴槽】対象経費の1/3(上限9.5万円)。【リフォーム瑕疵保険】定額7,000円。 | 対象工事費(税抜)の20%(千円未満切り捨て) | 補助対象工事に係る費用(消費税及び地方消費税相当額を除く)に23.0パーセントを乗じた額(千円未満切り捨て)。 上限額は工事内容により異なり、1台につき最大218万5千円です。 | 対象経費の3分の2以内、上限150万円 |
| 申請締切 | 各自治体の予算上限に達し次第終了(通年受付が多いが要確認) | 事前申込:令和7年5月30日から / 交付申請兼実績報告:令和11年3月30日まで | 令和7年12月26日まで | 令和7年4月1日(火曜日)から令和7年12月19日(金曜日)まで | 令和7年12月19日まで |
| 難易度 | |||||
| 採択率 AI推定 | 90.0% ※参考値 | 30.0% ※参考値 | 30.0% ※参考値 | 30.0% ※参考値 | 30.0% ※参考値 |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
– 工事見積書の写し
– 工事箇所の位置図・平面図
– 工事着手前の現況写真
– 請求書
– (場合により) 委任状
– (場合により) 給水装置の所有者であることがわかる書類(登記事項証明書など)
※自治体により異なります。
Q どのような経費が対象になりますか?
– 新しい給水管(ポリエチレン管など)の材料費
– 給水管の取替工事にかかる施工費
– 道路や宅地内の掘削・復旧費用(アスファルト、モルタル仕上げまでなど制限がある場合も)
※設計費や各種申請手数料は対象外となることが多い。