【2025年最新】令和7年度 雇用関係助成金一覧|厚労省の制度を目的別に完全解説
補助金詳細
Details雇用保険適用事業所の事業主(中小企業から大企業まで、各助成金の要件による)
各助成金により異なりますが、一般的に支給申請書、支給要件確認申立書、労働者名簿、賃金台帳、出勤簿、雇用契約書などが必要です。詳細は各助成金の支給要領をご確認ください。
休業手当、教育訓練費、賃金、設備投資費用、外部委託費など、各助成金の目的によって対象経費は多岐にわたります。詳細は各助成金のパンフレットや支給要領をご確認ください。
申請前チェックリスト
補助金概要
Overviewこの記事の信頼性
監修:補助金インサイト編集部(社会保険労務士・行政書士・中小企業診断士監修)
最終更新:2024年11月
情報源:厚生労働省 雇用関係助成金 公募要領(令和7年度概算要求・各制度手引き参照)
| 基本情報サマリー | |
|---|---|
| 制度名 | 雇用関係助成金(キャリアアップ助成金など) |
| 最大受給額 | 1人あたり最大80万円(正社員化コース)など ※複数人申請で数百万円〜も可 |
| 審査難易度 | 低〜高(制度による) |
| 特徴 | 返済不要・要件合致で原則支給 |
| 対象エリア | 全国 |
この補助金を30秒で理解:令和7年度活用のポイント
「従業員の賃金を上げたいが原資が不足している」「採用難を乗り切るために未経験者を育成したい」。このような経営課題を抱えている事業者様は多いのではないでしょうか。
2025年(令和7年度)、厚生労働省が管轄する「雇用関係助成金」が大きく変わろうとしています。これは企業が支払う雇用保険料を財源とした、返済不要の公的支援制度です。
■ 30秒でわかる要点
- 財源の正体は「保険料」:助成金の原資は、皆様の会社が日々負担している「雇用保険料」です。要件を満たしているならば、納めた保険料を活用する正当な権利として躊躇なく申請しましょう。
- 審査は「事務確認」:経済産業省の補助金のような「コンテスト(選抜方式)」とは異なります。「要件に合致しているか」を確認する事務手続きですので、書類と運用に不備がなければ原則として受給可能です。
- 法令遵守が絶対条件:「未払い残業代がある」「帳簿の数字が合わない」といった労働関係法令の違反は一発アウトとなります。
制度の目的・背景
一言でいうとどんな制度か
この制度は、「人を新たに雇い入れ、長く大切に育てていこうとする意志のあるすべての事業主」を支援するために存在します。
特に中小企業にとって、人材の確保と定着は経営を揺るがす死活問題ではないでしょうか。国は「良質な雇用の場(正規雇用化や賃上げ)」を提供する企業に対し、コスト面で強力なバックアップを行っています。これにより、国全体の労働生産性を底上げすることが最大の狙いです。
2025年度(令和7年度)の重要な改正点
今年度の動向におけるキーワードは、過去の実績評価から「未来への投資」へのシフトです。
【最大のトピック:生産性要件の廃止】
これまで一部の助成金で課されていた「生産性要件(3年前と比較して生産性が○%向上していること)」は、複雑な比較計算が必要で事務負担の重いものでした。令和7年度からはこれが事実上撤廃され、「賃金を上げる」「スキルを習得させる」という未来のアクションを実行する企業が、よりシンプルに報われる仕組みへと整理されています。
対象になる条件(受給資格)
■ 必須条件リスト(すべてYESであること)
- 雇用保険適用事業所の事業主である
従業員を1名以上雇用し、ハローワークに設置届を提出して番号が付与されていますか? - 審査可能な期間、被保険者が存在する
社長1人の会社や、役員のみの法人は対象外です。 - 過去1年以内に労働関係法令の違反がない
労働基準監督署から是正勧告を受け未解消である場合は不支給となります。 - 労働保険料を納期限内に納付している
労災保険・雇用保険の滞納がないことが条件です。 - 過去1年以内に「会社都合解雇」を出していない
最も重要です。申請日前後に解雇(退職勧奨含む)があると多くの制度が利用できません。
対象外になるケース
以下の場合は申請不可
- 風俗営業等関係事業主:性風俗関連特殊営業を行っている場合は対象外です。
- 暴力団関係事業主:反社会的勢力との関わりがある場合は申請できません。
- 不正受給の履歴がある:過去5年以内に助成金を不正受給した事業主は全助成金が停止されます。
グレーゾーン・要確認ケース
同居の親族:原則として労働者と認められにくいですが、他の従業員と全く同じ条件・指揮命令系統にある実態が証明できれば認められる可能性があります。
取締役兼務役員:登記簿上の役員でも、雇用保険加入があり「労働者性が強い」場合は対象になり得ますが、証明のハードルは高いとお考えください。
補助金額と計算方法
令和7年度の主要な雇用関係助成金における、支給額と補助率を一覧にしました。数ある制度の中から、特におすすめ度の高い3制度をピックアップしています。
| 助成金・コース名 | 支給額・率(中小企業) | 制限・備考 |
|---|---|---|
| キャリアアップ助成金 (正社員化コース) | 1人 80万円 ※6ヶ月経過後40万、さらに6ヶ月後40万の分割支給 | 1年度につき1事業所20名まで |
| 人材開発支援助成金 (人材育成支援コース) | ①訓練経費:45% 〜 75% ②賃金助成:時給 760円〜960円 | 経費上限あり(例:15万〜50万) 賃金助成は1人1,200時間まで |
| 特定求職者雇用開発助成金 (特定就職困難者コース) | 合計 60万円 (30万円 × 2回に分けて支給) | 週20〜30時間未満の短時間労働者の場合は合計40万円 |
計算シミュレーション3パターン
■ モデルケース試算
1.【飲食店】パート2名を正社員登用(キャリアアップ助成金)
創業時からのパートAさん・Bさんを、賞与・退職金ありの正社員に転換し、給与を3%以上アップさせた場合。
合計支給見込額:160万円(80万円 × 2名)
2.【IT企業】エンジニア5名に専門技術研修(人材開発支援助成金)
AI講座(1人20万円・35時間)を業務時間内に受講させた場合。(助成率70%、賃金助成約800円/時と仮定)
合計支給見込額:約84万円(経費助成70万円+賃金助成約14万円)
3.【建設業】ハローワーク経由で62歳を採用(特定求職者雇用開発助成金)
62歳の経験者をハローワーク紹介状付きで正社員採用し、1年以上定着させた場合。
合計支給見込額:60万円(30万円 × 2回)
対象になる経費・項目
- 受講料・入学金:外部研修会社に支払う正規料金の受講費用。
- 教科書・教材費:カリキュラムで使用することが明記されているテキスト等の代金。
- 講師謝金:外部講師を自社に招いて実施する場合の謝礼金および旅費交通費。
- 会場費・機材借料:自社にスペースがなく、貸会議室や機材を借りた費用。
- その他:休業手当、賃金、設備投資費用など、各助成金の目的によって対象経費は多岐にわたります。
対象外の経費(NGリスト)
- 汎用的な物品の購入費:PC、タブレットなど、研修以外にも使える資産は原則対象外です。
- 受講者本人の旅費:従業員が会場へ移動する交通費・宿泊費は対象外です。
- 飲食費・弁当代:懇親会費、昼食代などは一切認められません。
- 消費税分:助成金は「税抜金額」をもとに計算するのが原則です。
申請の流れ
助成金の手続きは「計画先行型(タイプA)」と「事後申請型(タイプB)」のどちらかでスタート地点が異なります。ここを取り違えると100%不支給になりますのでご注意ください。多くは雇用関係助成金ポータルからの電子申請が主流です。
タイプA:計画先行型(人材開発支援、キャリアアップ等)
「これから取り組みます」という宣言(計画届)を出し、受理されてから初めて行動できるパターンです。
- 就業規則の点検【実施3ヶ月前】
キャリアアップ助成金では、この時点で「転換制度」を新たに記載し労基署へ届け出る必要があります。 - 計画届の提出【実施1ヶ月前厳守】
労働局またはハローワークへ提出します。1日でも遅れると受理されません。 - 計画認定〜取り組み実施
計画認定後、研修実施や正社員への転換辞令などを交付します。 - 実績作り期間【6ヶ月】
正社員転換後、実際に給与を支払い6ヶ月間の実績を作ります。この間、賃金台帳・出勤簿の管理を徹底します。 - 支給申請【期間厳守】
実績期間終了翌日から「2ヶ月以内」に申請書を提出します。期限を過ぎると権利は消滅します。
タイプB:事後申請型(特定求職者雇用開発等)
- ハローワークへ求人申込
民間求人サイトや直接応募は対象外です。必ずハローワーク等を経由する必要があります。 - 選考・採用・6ヶ月雇用
紹介状を持って応募してきた方を採用し、半年間雇用を継続します。 - 支給申請
雇用から6ヶ月経過後、定められた期間内に申請します。
審査のポイント
審査官は公金を扱う以上、些細な矛盾も見逃しません。特に以下の3点は厳しくチェックされます。
- 数字の整合性:タイムカード上の残業時間と、賃金台帳で支払われた残業代の計算根拠が完全に一致しているか。計算ミスでも「賃金未払い」と見なされ不支給となります。
- 時系列の矛盾(日付):計画届の提出日より前に、研修業者と契約を結んでいないか。行動の順番が逆だと「事前の計画」として認められません。
- 実態との一致:書類上は正社員でも、勤務実態がパートと同じではないか。就業規則の正社員定義と合致しているかを見られます。
■ 書類作成のコツ
- 空白を作らない:該当がない項目でも空欄にせず、手引きに従って「0」や「なし」と記入、または斜線を引きましょう。
- 見本を模倣する:独自の文章は不要です。公式サイトの「記入例」にあるフォーマットに合わせるのが、最もスムーズに審査を通る近道です。
注意点・よくあるミス
■ これで不支給!失敗事例TOP3
1位:残業代の計算間違い(未払い残業)
「固定残業代だから大丈夫」という思い込みは危険です。超過分の支払い漏れも頻発しています。申請前に社労士にチェックを依頼することを強く推奨します。
2位:提出期限の遅れ(時間厳守)
「忙しかった」などの言い訳は一切通用しません。期限は法律で決まっており、窓口に裁量の権限がないからです。数日前の到着を目指してください。
3位:解雇の実施(会社都合退職)
実質的な退職勧奨や会社都合解雇を行うと、申請日の前後6ヶ月間など、その事業所の全雇用関係助成金がストップします。離職票の区分には細心の注意を払いましょう。
他の補助金との比較
国の制度だけでなく、自治体の制度と併用することで効果を最大化できるケースがあります。
| 種類 |
厚労省「助成金」 要件を満たせば「原則受給可能」。雇用・人への投資が対象。 経産省「補助金」 |
|---|---|
| 自治体の支援 (上乗せ助成) |
例:東京都「正規雇用等転換安定化支援助成金」 国のキャリアアップ助成金の支給決定を受けた都内事業者に対し、1人あたり約20万円を独自に上乗せ支給する制度などがあります。「まず国の制度に通ること」が多くの自治体支援の条件となっています。 |
申請すべきかの判断基準
| 向いている企業 | 向いていない企業 |
|---|---|
|
|
よくある質問(FAQ)
今日からやるべきこと
本記事を読み、「申請できそうだ」と感じた方は、準備を完了させるために以下の3ステップを直ちに実行してください。
- GビズID(gBizIDプライム)の申請
オンライン申請のパスポートです。Web入力+印鑑証明書郵送が必要で、審査に2〜3週間かかるため、真っ先に手続きを始めましょう。 - 就業規則と賃金台帳のセルフチェック
法改正に対応していますか?残業計算は合っていますか?不安があれば申請前に社労士診断を受け、修正してから申請期間に入りましょう。 - 雇用関係助成金ポータルへアクセス
厚労省ポータルサイトで様式をプレビューしてみましょう。「どんな情報が必要か」を具体的にイメージすることで、準備が一気に加速します。
公式情報・問い合わせ先
■ 公式情報・お問い合わせ
公式サイト: 厚生労働省:雇用関係助成金一覧 →
問い合わせ先: 各都道府県労働局 助成金窓口 または管轄のハローワーク
専門家検索: 全国社会保険労務士会連合会(社労士)
※不明点があれば、雇用関係助成金ポータルの問い合わせ窓口や最寄りの労働局に確認してください。最新情報は必ず公式サイトでご確認ください。
免責事項:本記事は執筆時点(令和6年末〜7年度概算要求時点)の情報に基づいています。助成金の内容は変更される可能性があるため、申請前に必ず公式の公募要領をご確認ください。
最終更新:2024年11月現在 | 次回更新予定:令和7年度本予算成立後
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|---|---|---|---|---|---|
| 補助金額 | 最大助成金により異なる(数万円~数百万円規模) | 最大600万円 | 最大18万円(病院、有床診療所は許可病床数×4万円) | 上限50万円 | 最大100万円(奨励金)および最大60万円(補助金) |
| 補助率 | 助成金の種類や事業主の規模(中小企業か否か)により異なります。一般的に対象経費の1/2から3/4程度が補助されますが、定額助成の場合もあります。 | 【ハード事業・ソフト事業(就業規則関連)】 ・次のいずれかに該当:補助率3/4以内(男性育休含むWLB認証4部門以上、外国人材サポート3つ星、正規雇用転換2名以上) ・次のいずれかに該当:補助率2/3以内(WLB認証3部門以上、外国人材サポート2つ星、正規雇用転換1名以上) ・上記以外:補助率1/2以内 【ソフト事業(コンサルタント派遣)】 ・定額 | 補助対象経費の実支出額。病院、有床診療所(5床以上)は許可病床数×4万円、有床診療所(4床以下)、無床診療所、訪問看護事業所は1施設×18万円が上限。 | ・市内事業者との取引によるもの: 対象経費の3分の2以内 ・市外事業者との取引によるもの: 対象経費の2分の1以内 ※補助上限額は1事業者あたり50万円です。 | 【タイプA】定額100万円(タイプBとの併用の場合、合計上限100万円の範囲で調整あり) 【タイプB】1評価項目あたり定額15万円。目標達成で10万円を上乗せ(最大4項目で100万円)。 【タイプC】整備に要する経費の2分の1以内(補助額下限10万円、上限60万円)。 |
| 申請締切 | 2026年3月31日 | ハード事業: 令和7年11月28日(金) / ソフト事業: 令和7年12月15日(月) | 精算払い:令和8年1月30日まで、概算払い:令和7年11月28日まで | 令和7年12月26日まで | タイプA・B: 令和8年3月31日 / タイプC: 令和8年2月27日 ※予算上限に達し次第終了 |
| 難易度 | |||||
| 採択率 | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% | 30.0% |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |