【2025年版】成年後見制度利用支援事業とは?申立費用・後見人報酬の助成金(最大月額2.8万円)を解説
補助金詳細
Details認知症高齢者、知的障害者、精神障害者等で、経済的な理由(生活保護受給や住民税非課税など)により成年後見制度の利用が困難な方。
・助成金交付申請書
・収入・資産等申告書
・家庭裁判所の審判書の写し
・(報酬助成の場合)報酬付与の審判書の写し
・後見登記の登記事項証明書
・申立費用や報酬の支払いを証明する領収書等
・住民票、戸籍謄本
・課税(または非課税)証明書
・預貯金通帳の写し
※上記は一例です。詳細は申請先の自治体にご確認ください。
・成年後見制度の申立てに要する経費(申立手数料、登記手数料、郵便切手代、鑑定費用など)
・成年後見人、保佐人、補助人、後見監督人等への報酬(家庭裁判所が決定した額)
申請前チェックリスト
補助金概要
Overview「成年後見制度を利用したいけれど、申立ての費用や後見人への報酬が負担…」そんな悩みを抱えていませんか?認知症の親御さんや障害のあるご家族のために制度の利用を考えても、経済的な問題で一歩を踏み出せない方は少なくありません。この記事では、そんな方々のための公的な支援制度「成年後見制度利用支援事業」について、どこよりも詳しく、そして分かりやすく解説します。この制度は、低所得などを理由に費用負担が困難な方に対し、国と自治体が申立費用や後見人等への報酬を助成するものです。自治体によっては月額最大28,000円の報酬助成が受けられる場合もあります。ご自身やご家族が対象になるか、どうすれば申請できるのか、この記事を読んで不安を解消し、安心して成年後見制度を活用するための第一歩を踏み出しましょう。
この記事のポイント
- 成年後見制度利用支援事業の目的と仕組みがわかる
- 助成される金額や対象となる費用の具体例がわかる
- 誰が対象者になるのか、詳細な条件がわかる
- 申請から助成金受け取りまでの流れをステップごとに理解できる
- 自治体ごとの違いや申請時の注意点がわかる
成年後見制度利用支援事業とは?
制度の目的と背景
成年後見制度は、認知症、知的障害、精神障害などによって判断能力が不十分な方々を、財産管理や契約などの面で法的に保護し、支援するための重要な仕組みです。しかし、制度を利用するためには、家庭裁判所への申立て費用や、選任された後見人・保佐人・補助人(以下「後見人等」)への報酬が必要となります。
経済的な理由でこの費用を負担できないために、本来制度を必要とする人が利用できないという事態を防ぐ目的で設けられたのが「成年後見制度利用支援事業」です。この事業は、厚生労働省が管轄し、全国の市区町村が実施主体となって、費用負担が困難な方へ助成を行っています。
実施組織
この事業の実施主体は、お住まいの市区町村です。国の「地域支援事業(高齢者関係)」や「地域生活支援事業(障害者関係)」の一環として位置づけられており、国と都道府県が費用の一部を負担し、市区町村が窓口となって申請受付や助成金の支給を行います。そのため、具体的な助成内容や対象者の要件は、各市区町村によって異なる場合があります。
助成金額・補助率について
助成される金額や内容は、大きく「申立費用の助成」と「後見人等報酬の助成」の2つに分けられます。具体的な金額は自治体によって異なりますが、ここでは一般的な例を挙げて解説します。
① 申立費用の助成
家庭裁判所に成年後見の開始等を申し立てる際に必要な実費が対象となります。多くの場合、上限額の範囲内でかかった費用の全額が助成されます。
- 収入印紙代
- 登記手数料(登記印紙代)
- 郵便切手代
- 鑑定費用(医師による判断能力の鑑定が必要な場合)
② 後見人等報酬の助成
家庭裁判所が決定した後見人等への報酬額の一部または全部が助成されます。多くの自治体では、本人の生活状況に応じて上限額を設定しています。
| 本人の生活状況 | 助成上限額(月額)の例 |
|---|---|
| 在宅で生活している方 | 28,000円 |
| 施設(病院、介護施設等)に入所している方 | 18,000円 |
※上記は新潟市などの例です。金額は自治体によって改定されることがありますので、必ず最新の情報をご確認ください。
【具体例】静岡市の場合の助成額算出方法
静岡市のように、本人の資産状況に応じて自己負担額を算出する自治体もあります。この場合、単純に上限額が支給されるわけではありません。
本人負担可能額 = 預貯金等の額 – (1ヶ月の最低生活費 + 30万円)
この計算式で算出された「本人負担可能額」を、家庭裁判所が決定した報酬額から差し引いた金額が助成対象となります(上限額の範囲内)。このように、本人の支払い能力に応じて助成額が決まる仕組みを取り入れている自治体もあります。
申請方法・手順
申請手続きは、申立費用の助成と報酬の助成でタイミングが異なります。一般的な流れは以下の通りです。
ステップ1:市区町村の窓口へ事前相談
まずは、ご本人のお住まいの市区町村の担当窓口(高齢福祉課、障害福祉課など)に相談し、助成制度の対象となるか、手続きの流れについて確認します。
ステップ2:家庭裁判所への申立て
市区町村との相談と並行して、家庭裁判所に成年後見の開始等の申立てを行います。
ステップ3:助成金の申請
【申立費用の助成】
家庭裁判所の審判が確定した後、定められた期間内(例:審判確定の日から1年以内)に市区町村へ申請します。
【後見人等報酬の助成】
後見人等が家庭裁判所に報酬付与の申立てを行い、報酬額が決定された後、定められた期間内(例:報酬付与の審判があった日から3ヶ月以内)に市区町村へ申請します。通常、後見人等が申請手続きを行います。
ステップ4:審査・決定・支払い
市区町村が申請書類を審査し、助成の可否と金額を決定します。決定後、指定された口座に助成金が振り込まれます。
採択のポイント・注意点
この事業は、要件を満たす方を支援するための制度であり、競争して採択を勝ち取るタイプの補助金とは性質が異なります。したがって、以下の点を守ることがスムーズな利用のポイントとなります。
- 早めの相談:制度利用を考え始めたら、まずは市区町村の窓口に相談し、ご自身の状況が対象になるか、どのような書類が必要かを確認しましょう。
- 正確な申告:収入や資産の状況は、通帳の写しなどを基に正確に申告してください。虚偽の申告は不正受給となり、助成金の返還を求められる場合があります。
- 申請期限の厳守:「審判確定から〇ヶ月以内」といった申請期限が設けられている場合が多いです。期限を過ぎると受け付けてもらえない可能性があるため、注意が必要です。
- 自治体の要綱を確認:この記事で紹介したのは一般的な内容です。助成上限額、対象者の詳細な資産要件、親族後見人の扱いなど、必ずお住まいの自治体の実施要綱やウェブサイトで最新の情報を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. どこに相談すればいいですか?
A1. お住まいの市区町村の担当窓口です。対象者が65歳以上の高齢者の場合は「高齢福祉課」「長寿社会課」など、65歳未満の障害者の場合は「障害福祉課」などが一般的です。まずは市役所・区役所の総合窓口で尋ねてみてください。
Q2. 費用は全額助成されますか?
A2. 全額とは限りません。申立費用は実費が助成されることが多いですが、報酬については上限額が定められています。また、本人の資産状況によっては一部自己負担が必要となる場合があります。
Q3. 家族が後見人になっても報酬の助成は受けられますか?
A3. 多くの自治体では、配偶者や親子、兄弟姉妹などの親族が後見人等になった場合、報酬助成の対象外としています。事前に自治体への確認が必要です。
Q4. 生活保護を受けていなくても対象になりますか?
A4. はい、対象になる可能性があります。世帯全員が住民税非課税である場合や、収入・資産が一定基準以下である場合など、生活保護受給者に準ずる方として助成の対象となる場合があります。
Q5. すでに後見制度を利用中ですが、途中からでも報酬助成を申請できますか?
A5. 可能です。収入状況の変化などにより、途中から助成要件に該当するようになった場合は、その時点から申請することができます。ただし、助成対象期間は自治体によって定められていますので(例:申請日から遡って2年まで)、詳細は窓口にご相談ください。
まとめ:まずは市区町村の窓口へ相談を
成年後見制度利用支援事業は、経済的な不安を抱える方が安心して成年後見制度を活用するための、非常に重要なセーフティネットです。ご自身やご家族の権利を守るために、この制度を積極的に活用しましょう。
繰り返しになりますが、助成の内容は自治体によって様々です。この記事を参考に、まずは第一歩として、お住まいの市区町村の高齢福祉担当課や障害福祉担当課へ電話で問い合わせてみることから始めてみてください。専門の職員が、あなたの状況に合わせた具体的なアドバイスをしてくれるはずです。
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| 補助金額 | 最大3万円 | 最大10万6,000円(葛飾区例) | 最大8万円 | 最大3万円(利子相当額) | 1万円から20万円 |
| 補助率 | 自治体により異なります。申立費用はかかった実費(上限あり)、後見人等報酬は自治体が定める上限額(例:在宅者 月額28,000円、施設入所者 月額18,000円)の範囲内で助成されます。本人の資産状況に応じて自己負担額が設定される場合もあります。 | 2025/12/08 | 2025/12/08 | 2025/12/05 | 1万円から20万円まで |
| 申請締切 | 2025年3月31日 | 令和7年12月31日まで(自治体による) | 令和7年12月26日まで | 令和7年12月31日まで(郵送の場合) | 令和7年12月12日まで |
| 難易度 | |||||
| 採択率 | 85.0% | 90.0% | 100.0% | 100.0% | 30.0% |
| 準備目安 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 | 約14日 |
| 詳細 | — | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → | 詳細を見る → |
よくある質問
FAQQ この補助金の対象者は誰ですか?
Q 申請に必要な書類は何ですか?
・収入・資産等申告書
・家庭裁判所の審判書の写し
・(報酬助成の場合)報酬付与の審判書の写し
・後見登記の登記事項証明書
・申立費用や報酬の支払いを証明する領収書等
・住民票、戸籍謄本
・課税(または非課税)証明書
・預貯金通帳の写し
※上記は一例です。詳細は申請先の自治体にご確認ください。
Q どのような経費が対象になりますか?
・成年後見人、保佐人、補助人、後見監督人等への報酬(家庭裁判所が決定した額)